表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放剣士の剣戟無双【魔力0だけど強力スキルと剣術で無双する】  作者: SIGMA・The・REVENANT
第一部・第二章:留学生と学園総合競技会
28/32

警護依頼

今回は長めです

 翌朝、アクビを噛み締めながらいつものようにルゥと共に学園へと登校すると、何故か人だかりが出来ていた。



「何だってこんな人だかりが出来てんだ?」



 肩に乗るルゥは興味無さそうにしていたが、どうやらこの生徒達は一人の生徒に群がっているらしい。


 と言うのも、人だかりの先頭辺りから〝離れろ!〟、〝後にしてくれ!〟という声が聞こえてきたからである。


 まぁ、相当な有名人なのだろう……是非ともお近付きになりたいという気持ちは分からんでもないが、他の生徒達への迷惑というものを考えて貰いたい。


 俺自身もそれ程興味が無いのでさっさと教室へ行こうと思ってはいるが、どうにも玄関が混雑してしまっているので通るに通れない。


 さてどうしたものかと考えていると、ふと目の前に見知った生徒を見つけ、背後からこっそりと近づき、そいつに膝カックンをしてやった。



「いきなり何しやがん────って、なんだムメイか」



 驚き勢いよく振り返りながそう話すのは、野外訓練合宿で同じチームになった魔導師学科のハイゼル・フォン・アイゼンナッハだった。


 ハイゼルは膝カックンをしたのが俺だと気づくと、苦い顔をしながら話し始める。



「勘弁してくれよ……こちとら通るに通れなくてイライラしてたんだからよ。思わず殴っちまいそうになったじゃねーか」


「あっはっはっ。もしそうなったら返り討ちにしてやるから安心しろ」


「安心出来ねーよ!つかタチ悪すぎだわ!」


「ははは、それよりも息災そうで何より。お前もやめっちまったんじゃねぇかと思って心配してたんだぜ?」


「やめねーよ。逆にあんな事があってから真剣に将来のことを考えるようになってよ……俺、卒業したら冒険者として生きていこうと思ってんだ」


「へ〜、なんでそう決めたんだ?」



 ハイゼルは当初、魔導師団へ入りたいと言っていたはずだった。


 そのハイゼルが冒険者なんて言うもんだから、俺は素直にそんな疑問を抱く。



「魔導師団所属の魔導師でいるより、冒険者として活動した方が街や村に住んでる連中を守れるって思ったんだよ」


「なんだ……てっきりアウローラが冒険者になるから一緒になりたくなったのかと思ったぜ」


「ばっ────んなわけねーだろ!!」



 俺の言葉に焦り出すハイゼル。


 アウローラとは、ハイゼルと同じく同じチームになった冒険者学科所属の女生徒の事だ。


 正式な名前をアウローラ・ロア・エルフェルト……ダークエルフ族で、弓の扱いに長けた生徒だ。


 実は例の件がきっかけで二人の仲が親密なものになったと、その時同じチームになったもう一人……兵士学科のガロン・フォン・アルバスから聞いていた。


 だから探りをいれつつ茶化してみたのだが、どうやら図星だったようだ。


 まぁハイゼルが言っていた事も理由の一つではあるのだろうが……。


 そのアウローラとガロンの二人についても、今も学園に通っているらしいが、まぁ今はそんな事よりもこの人だかりについてだ。



「そういやハイゼル。いったいぜんたい何なんだこの人だかりは?」


「俺も人づてに聞いただけなんだがよ。どうやら今代の聖女様が今日から登校したらしい」


「聖女様?」



 俺が疑問符を浮かべながらそう聞き返すと、ハイゼルはドン引きしながら俺を見ていた。



「おいおい……聖女様って言ったら、神聖エルサレム法国の教皇様から直々に認定された方の事を言うんだぞ?そして今代の聖女様は歴代聖女の中でも最高だともっぱらの噂で、その聖女様がこの学園に留学し、今日からご登校なさるってんでこんな人だかりが出来てるんだ」


「へ〜……まぁどーでもいいけど、さっさと通してくれねぇかなぁ。このままじゃ遅刻しっちまう」


「それは俺も同じだ。こう見えて皆勤賞狙ってんだぜ、俺は」


「意外だな。まぁ俺はいつも通りに過ごせりゃそれでいいしな。今日も魔法の合同授業が入ってるから昼寝するつもりだし」


「おまっ……いつも合同授業で姿を見ねぇって思ったら、そんな事してやがったのか?!」


「いや、受けたって使えねぇから意味ねぇし」


「あ〜……そういやそうだったな」



 まぁともかく、一秒でも早く通らないと本気で遅刻してしまうな。


 アリストテレス先生は時間に厳しいんで、遅刻したらどんな罰を受けるか分かったもんじゃない。



「仕方ねぇ……〝アレ〟やるかぁ」


「ん?何する気なんだ?」


「ここを突破するんだよ。まぁ危ねぇから普段はしたくねぇんだけどな」



 俺はそう言うとその場で2、3回屈伸をし、そして深く腰を落としたあとその場で高く跳躍をした。



「はぁぁぁ?!」



 俺がいた場所からハイゼルの驚く声が聞こえたが、それは一瞬で聞こえなくなり、そして俺は人だかりの前……つまり玄関のすぐ目の前に着地をする。


 すると────



「ひゃっ────?!」



 小さな悲鳴が聞こえ、見れば人だかりの先頭にいた女生徒達が驚いた顔で俺を見ている。


 だが気にしてられないので直ぐに教室に向かおうと駆け出した時、後ろから〝待ってください!〟という少女のものらしき声が聞こえてきた。


 しかし律儀に待ってやる時間も無かったのでそのまま行こうとしたのだが……。



「きゃあっ!!」


「聖女様!!」



 その少女のものと思われる悲鳴と、男性の声がほぼ同時に聞こえ、思わず振り返ると見覚えのある少女が目の前で後ろへと倒れようとしていた。


 しかも不運なことに少女が倒れる先は階段……つまり少女がそのまま倒れた場合、階段を転げ落ち怪我を負うことになるだろう。



「チッ────時間がねぇってのに……」



 俺は再び脚に力を込めると、縮地で少女が倒れる先に先回りし、そのまま彼女を優しく受け止める。


 かなり怖かったのか、少女は俺の腕の中で縮こまり震えていた。


 その後直ぐに数人の女生徒達が駆け寄り、少女に頭を下げ始める。



「申し訳ありません聖女様!私達がぶつかってしまったせいで危うくお怪我を……」


「いいのです。私の不注意でもありましたから……」



 聖女様と呼ばれた少女は笑って許していたが、俺はどうにも見逃す事が出来ず、少女をそっと下ろした後に周囲に向けて怒鳴った。



「テメェらよ!つい騒いじまう気持ちは分からんでもねぇが、限度ってもんがあんだろうが!俺がいたからいいものを……ンな大人数で密集しやがって!テメェらのせいで通るに通れず困ってる生徒もいるってのを分かってんのか!あぁ?!」



 静まり返る生徒達……少なからず罪悪感を覚えた者達がほとんどなのだろう。


 怒鳴る俺に対し反抗してくる奴らはいなかった。


 よく見れば遠くの方でハイゼルが〝よく言った〟と言わんばかりに親指を立てている。


 まぁ怒鳴ってしまったが、とりあえず少女の安否を確認しとくか。



「怪我は無かったか?」


「あ、はい……大丈夫です。ありがとうございました……」



 あ〜……ちょっと怖がってやがるな。


 まぁ仕方のねぇ事なんだろうけど。



「まぁ怪我がねぇんだったらいいや。とりあえず俺は遅刻しっちまうんで行くわ。お前らも群がってねぇでさっさと教室に行けよ〜」



 俺はそう言って先を急ごうと駆け出すが、何故か二人の男女がその行く先に立ち塞がる。



「え〜と……通して貰えると嬉しいんだが?」



 そう頼んでみたものの、二人が通してくれる気配は無い。


 その事に少し困っていると、不意に背後から右手を掴まれ、見れば少女が俺の手を掴みながら目をキラキラさせていた。



「あの……貴方はムメイ・ミツルギさん、ですよね?」


「ん?あぁ、そうだけど……」


「私の事を憶えておりませんか?」



 〝憶えていない〟と言えば嘘になる。


 彼女は昨日、迷子になっていた所を俺が案内してやった時の少女だ。


 けれどここで〝憶えている〟と言ってしまった場合、絶対に面倒な事になるのは目に見えている。


 なので俺はその場しのぎの嘘をつくことにした。



「あ〜……悪ぃが心当たりがねぇな。確かに俺はムメイ・ミツルギではあるが、あんたと会ったことはねぇよ」


「はい、嘘ですよね♪︎」



 バッサリとそう言われてしまう。


 何故嘘だとバレたのか分からず、俺は眉間にシワを寄せた。


 そんな俺のことはお構い無しに、少女は次々と俺の心の中を言い当ててくる。



「面倒事にはしないのですよ♪︎私は昨日のお礼を言いたいだけですので」


「なっ……」


「遅刻に関しましては私の方からアリストテレス先生に説明致しますのでご安心ください♪︎」


「いや……」


「あっ、更に嘘を重ねなくとも大丈夫ですよ?私、その人を見るだけで嘘をついているか分かりますし、〝読心術〟のスキルもあるのですよ♪︎」


「……」



 そこで俺は反論する気が失せた。



「では行きましょうか?」


「あ……はい……」



 俺は諦め、少女の後をついて行くように後者の中に入っのであった。


 向かった先は応接室。


 俺と少女は対面して座り、少女の後ろには二人の男女が控えている。


 そして先程、男性が運んできた紅茶に口をつけながら静かに座る少女。


 少女は紅茶を少し堪能したあと、ニッコリと笑って話を始めた。



「初めまして。私はルナマリア・セントフィリアと申します。こう見えて一応、聖女なのですよ♪︎」



 いやぁ、まぁ……あの人集りの中心にいたんだからそうだと思ってたけどよぉ。


 ド天然で、目の前でお花畑な空気を放ちながら紅茶を飲んでる奴が聖女かと思うと、なんだか心配になってくるな。



「……で、お礼なら要らねぇって言ったはずなんだが?」


「はい、言ってましたね。ですが、やはりお礼をしないと私の気が済まないのですよ」



 そう話す彼女の後ろでは二人の男女が〝素直にお礼を受け取れ〟という圧を放っている。


 まったく……本気でお礼なんざ要らねぇだけなのに、何故こんな面倒な事になるんだ。


 それに〝お礼〟という名目らしいが、何やら他にも要件がありそうな気がしてならねぇ。


 と言うかそっちの方が本題のようにも思える。


 回りくどいのはあまり好きでは無いので、俺は率直に本題を訊ねる事にした。



「それで……俺を連れてきた本当の理由はなんだ?」


「もちろん、それはお礼なのです──「嘘だな」──え?」



 誤魔化そうとしているらしいが、あまり俺の洞察力を舐めないで欲しい。


 少女……もといルナマリアの方は本気でお礼を言いたいだけらしいが、後ろに控える二人────特に男の方が本当の要件をいつ切り出そうか考えているって顔だ。



「口に出さなけりゃあ聖女様が気づくことはねぇわな。けど、俺を騙せると思ったら大間違いだ。なぁ?そこのお前」


「ガウェイン?」



 ガウェインという名の男は俺の指摘を受けても平然としていたが、静かにその場から動きルナマリアの前で片膝をつき頭を下げる。



「申し訳ありません聖女様……この少年の言う通り、私は彼に〝ある頼み事〟を引き受けてくれるよう交渉しようとしておりました」


「頼み事?交渉?いったい何の話なのですか?」



 ガウェインの言葉に本気で驚くルナマリア。


 やはり本題についてはこの男の独断だったか……。


 ガウェインは再度ルナマリアへ頭を下げ、そして立ち上がって今度は俺に身体を向ける。



「ムメイ・ミツルギと言ったな?実は君に頼みがある」


「あぁ、なんだ?聞くだけ聞いてやる」


「君に聖女様の身辺警護を頼みたい」


「「えっ!!?」」



 ガウェインの頼み事にルナマリアはおろかその後ろにいた少女も驚愕の声をあげていた。


 おいおい……マジでこの男の独断って事かよ。



「なんで俺に?」



 まぁそんな誰しもが思うであろう疑問をぶつけてみる。


 するとガウェインは一瞬だけルナマリアに目を向けてから、懐から一枚の封筒を取り出した。


 封筒には宛名だけしか書かれておらず、差出人の名も押し印も無かった。


 俺はそれを受け取り中の手紙に目を通すと、その内容に顔を(しか)める。



「これ、他に知ってる奴はいるのか?」


「教皇様と枢機卿数名しか知らされていない」



 手紙に書かれていた内容はルナマリアに対する脅迫文であった。



 ──アルカトラム帝国への留学を取りやめねば貴方の命はない──



 乱雑に書かれた文字は誰が書いたか特定出来ないようにする為だろう。


 しかしその文字から、書いた人間の本気度合いがしっかりと伝わっている。



「これを送られてなお、よく留学なんて出来たな?」


「この留学は聖女様の将来の為に必要な事だ。この国は他の国では類を見ない程の多種族共生国家……つまり多種多様な者達と多く触れ合えるという事だ」


「だから留学先をこの国に決めたってことか」


「そうだ。しかしそれを快く思わない者達も少なくはない」


「これを送り付けてきやがった奴に心当たりがありそうだな」


「目星はついている……多分、〝人族至上主義者〟だ」


「チッ────」



 ガウェインが口にした言葉に俺は思わず舌打ちをする。


 〝人族至上主義者〟……それは読んで字が如く人族こそ優れた種族だという思想を持つ奴らの事だ。


 奴らは他の種族を見下し、蔑み、一部では奴隷や家畜のように扱っているという。


 俺にとっては胸糞悪い以外の何物でもない。


 俺とガウェインの会話を横で聞いていたルナマリアは驚きと悲しみが入り交じった表情をしており、その後ろにいた少女は怒りに顔を歪めていた。


 ルナマリアはもちろんの事、どうやら後ろの少女も真っ当な人間らしい。



「つまり聖女の命を狙う(やから)がいるから、警護を頼みてぇってことか」


「そうだ。しかし連中が放つ刺客は相当な実力者だろう。故にそれを上回りそうな実力を持つ者を探し、聖女様の警護を頼もうと考えていた。そしてその素質を十分に持っている者……それが君だと判断したのだ」


「何故そう思う?」


「きっかけは昨日の聖女様の話と、そして学園長殿の話だ」


「学園長?」



 どうしてそこで学園長が出てくるのか?


 と言うかその学園長の話とやらの内容が気になる。



「ちなみに学園長からの話って、どういう話だったんだ?」


「君が入学式の日から問題を起こし、そして体育館を斬ったという話だ」



 あ〜……あの時の事か……。


 ガウェインの言葉に俺は遠い目をしながらその時のことを思い出す。


 まぁ俺も起こしたくて起こした問題では無かったんだが……。



「それらの話と、そして階段から落ちた聖女様を助けた時のあの動きを見て、私は君に警護を頼もうと決意したんだ」



 まぁ俺の事をそこまで認めてくれるのはありがたいが、残念ながらその頼み事を引き受けてやるのは難しいところだ。


 何故なら────



「ンな事言われてもよ……俺ァ騎士・剣士学科の生徒で、しかも寮じゃなく宿に泊まってる身だ。悪ぃが警護なんて引き受けられねぇよ」



 もし俺が女で寮住まい、そしてルナマリアと同じ学科であったのならば引き付けていたかもしれない。


 だが現実はその逆だ。



「まぁ予想はしてるけどよ、聖女様はどの学科に通うんだ?」


「魔導師学科だ」


「やっぱなぁ……だろうなぁ……生憎、合同授業や訓練はそうあるもんじゃねぇし、あったとしても魔法に関する授業は俺は免除されてるから出やしねぇ。そんな俺がどうやって聖女様の警護を出来るってんだ?」


「確かに……」



 ガウェインは誰から見ても明らかに困り果てていた。


 完全に当てが外れたってところだな。


 と言うか他人に警護を頼むなら、いったいぜんたいお前ら二人は何のためにルナマリアと共にいるのだろうかって話だ。



「つーか警護ならあんたとそこの女騎士がいれば事足りるじゃねぇか?」


「確かに私とそこにいるフレアは聖女様の従者としてここに来た。しかし私は教皇様への報告をしなければならないし、もし二人が同時に離れねばならない要件が出来た場合、代わりに守れる者が誰もいないのだ」


「なら魔導師学科の連中に頼めばいいだろ?」


「相手がナイフや弓だった場合どうする?昨日、こっそりと彼らの授業を拝見したが、無詠唱で魔法を使える者はそういなかった。すまないが魔導師学科の彼らではとてもじゃないが安心して任せられない」



 はぁ〜、まったく……なんでこんなにも面倒事ってやつは望まずして舞い込んで来るのやら。


 俺は何か良い案が無いか考え、そして一つ案を提示した。



「なら、こんなのはどうだ?」


「「「……?」」」



 三人は俺の提示した案を静かに聞き、そして現時点での妥協案として受け入れたのであった。


 そしてその日の放課後────



「彼女があの聖女様?」


「かの有名な聖女様に出会えるなんて嬉しいですわ」


『すっごくキラキラした人だねー?ご主人ー』


「貴方が神聖エルサレム法国の聖女殿か」


「初めまして、ルナマリア・セントフィリアと申します」



 応接室に集まったのは俺とルナマリアとその従者であるガウェイン及びフレアの他にエレイン、マリアベル、ルゥ、そしてアルであった。


 俺が提示した案は昼間は出来るだけガウェインとフレアで警護し、放課後以降はエレイン、マリアベル、そしてルゥがフレアと共に警護するというものだった。


 その為にアリストテレス先生に頼み込み部屋替えをして貰い、寮の方にも話をつけてもらった。


 それと外部からの侵入という可能性を示唆し、特別に屋上にのみ女性寮の立ち入りの許可も貰っておいたのである。


 まぁアルは皇族である為、流石に人数には含めていないが、ガウェインくらいは学園内の巡回をして貰おうと思っている。


 俺はエレイン達がルナマリアとフレアの二人と自己紹介をし合っている間、ガウェインと綿密な打ち合わせを行う。



「今ここにはいないんだが、あと二人、セツナとマオってやつも協力してくれることになった。室内ではフレアとエレイン、そしてルゥで守り、マリアベル、セツナ、マオが順番で寮内を巡回するって感じだ。俺は流石に毎晩とはいかねぇが屋上で侵入者が来ないか監視する。あんたには学園内の巡回を頼みたい」


「分かった、そうしよう。しかしすまない……私達の問題に巻き込んでしまって」


「別にいいって。俺らもこの学園で殺傷沙汰が起こられたら後味が悪ぃしよ」



 まぁルゥに関しては知らない匂いや足音がすれば直ぐに気づくし、エレイン達も実力があるので刺客にやられる事は無いだろう。


 まぁ警備をしているという姿勢を見せるだけでも違うしな。


 それにしても先程からガウェインがしきりにルゥの事を見ているが、何か気になる事でもあるのだろうか?



「ルゥが何かしたか?」


「いや……………すまない、つかぬ事を聞くがあの少女は人間かね?」


「いや、人間の姿をしているが人間じゃねぇよ。まぁ信じて貰えねぇとは思うが、ルゥはああ見えてエンペラーフェンリルだ」


「エンペ────?!」



 ガウェインが絶句した。


 そして何度も何度も俺とルゥを交互に見る。


 そしてルナマリアに聞こえないようにする為か小声で耳打ちをしてきた。



「エンペラーフェンリルが人の姿になるなど聞いたことがないぞ?!」


「俺だって人間の姿になった時は驚いたよ。でもまぁ、なっちまったもんは仕方ねぇし、逆にあの姿になってくれるお陰で、知らない奴らが見てもエンペラーフェンリルだと思わねぇだろうしな」


「君はかなり豪胆な人間なのだな……」



 ガウェインはそう言うと力なく笑っていた。


 しかし神獣エンペラーフェンリルも警護についてくれるのだと理解したらしく、ルゥに向かって深々と頭を下げていた。


 それに気づき首を傾げるルゥのなんと可愛いことか…………おっと、またもや親バカ、ならぬ飼い主バカが出るところだった。



「まぁそういうことで、気合い入れて警護をしようかね」



 誰に言った訳でもなくそう言った俺は、今夜の為の食料を調達しに向かったのだった。


よろしければ評価、感想、登録の程よろしくお願いします


そういえば昨日は「鬼滅の刃〜無限列車編〜」が地上波初放送でしたね?

自分は映画館で見れなかったので初視聴でした。

いやぁ、ノーカット放送で本当に良かった。

途中で「煉獄さぁぁぁぁぁん!」と叫び─もちろん小声─、30歳のいい歳したおっさんが涙で目を潤ませていましたw


ちなみにアニメの方で「遊郭編」が放送されるのは既に知っていた事ですが、アニメ版「無限列車編」もやるという完全初情報に思わず目がとび出そうになりましたw

いやぁ、どちらも楽しみですねぇ♪︎


それでは、また次回もよろしくお願いします(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ