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SS 不安とドライブ/伝わらない気持ち/夢の中の君

作者: 逢坂美羽

【不安とドライブ】




「あ………だるい…もう朝か………着替えなきゃ…」


嫌いな目覚まし時計の音に毎日、朝の6時に同じ時間に起こされる。慣れるようで、慣れない…目覚まし時計で曜日確認すると、今日は、仕事が休みだった…


「あ、もう……今日は、休みじゃん……目覚ましを消すの忘れてたじゃん…」


私は、目覚ましを消していなかった自分自身に怒っていた…そんな事をしても何の意味は、無いけれど…いつもなら、そのまま眠る事が出来るけれど、今日は、変に目が冴えていたので、取り敢えず起きる事にした。


顔を洗い、ご飯を食べて、歯磨きをして、出掛けるかは、分からないけれど、一応着替えていた。それからは、スマホを触り、日課でやっているアプリのゲームをした後に、何をすれば良いか分からなくなっていた…普段は、そのまま二度寝をすると昼は、過ぎているので、こんなに時間に余裕がありすぎると…変な不安があった…


「やばい、休みの日に仕事の事なんて考えたくも無いのに…何か考えて無いと変な不安になるのは…何で何でなんだろう…」


私は、たまにだけれど、変に不安になることがある…それでも、休みの日に仕事の事を出来るだけ…考えたくないので、必要最低限な財布や免許証と車の鍵と家の鍵を持ってから、ドライブに出掛けていた。


「それじゃあ、出発しますか…朝早いから、空いてるお店は、無いから…目的無しで、行こうかな」


変に気持ちが不安になった時にドライブに行くと、不思議と気分が楽になるので、不安になるとドライブというルーティーンが私の中で出来上がっていた…


しばらく、運転をしていると、マニュアル車を買って良かったと本当に思った…クラッチを踏んで、ギアを入れる。オートマチック車と比べると、操作で言うと、そこだけしか変わらないけれど……でも、クラッチを踏んで、ギア入れる。ただ、この操作が何とも言えない気持ち良さがあった。


ギア操作と私の中の気持ちは、連動する物があると思うから、普通に操作するなら、1→2→3とギアを入れるけれど、気持ちが不安になったりムカムカしている時は、1→3→5とかでギアを入れたりする。 決して車に奴当たりをしてる訳では、ないけれど…車は、私に答えてくれる。車のそんな所が好きだ。そして、私の不安を少しでも楽にしてくれる。


「やっぱり、運転は、楽しいし、風は、気持ちが良い…」


私は、車の窓を開けて風を感じていた。ふと、風を感じていると、婆ちゃんの顔が浮かんで来た…何があっても私の味方をしてくれる婆ちゃん。ずっと婆ちゃんの家に行って無かったから…たまには、婆ちゃんに会いに行っても良いかもしれない……


「婆ちゃん、今から会いに行くね」


私の車は、婆ちゃんの家に向かって走り出していた。



________


【伝わらない気持ち】




昔から幼馴染の君と、何処に行くのも一緒だった………確か君に初めて彼女が出来たって聞かされた時に私の出来る精一杯の作り笑顔をして「応援してるから…頑張って!」と伝えていた時の私の作り笑顔の内に秘めた恋心何て…君は、気付かないんだろうな……心の中では、本当は、凄く嫉妬してて…何でずっと君の隣にいた私じゃないの? そんな事を考えても現状が変わらない事は、自分でも分かっている……


待っていれば……いつか君が気付いてくれて、私の隣に本当の意味で来てくれると勝手に期待して待っていて自分は、何も言葉にして伝えなかった結果が今の現状だ……


それから、彼女の出来た君と距離を取るようになった……


君の家と彼女の家は、遠いらしいので、朝は、私と君との二人の登校だけれど…嬉しさなんか一つもない…彼女の家が遠いから私と登校してるのかと思うと無性に腹がたっていた…


「なあ、最近、俺に冷たくないか?」


「別に…そんなこと無いけど……」


「俺に彼女が出来てから絶対冷たくなった!前は、こんなに距離を感じなかったぞ」


「自分の心に聞いてみたら良いんじゃないの…」


私は、君に冷たく告げてから、君から逃げるように走って行くと、君に腕を掴まれていた。


「どうして…逃げるんだよ…俺に彼女が出来た時に応援してるからってお前言ってたじゃんか…」


「そうだけど…そうじゃないの……」


「どういう事だよ?ちゃんと話してくれ」


私は、肩を掴まれて、君の方を向かされていた…じっと顔を見られると…すぐに泣きそうになってしまう気持ちを必死に押さえていた…


「だから……私は、昔から君の事が好きだったの…だから彼女が出来たって聞いた時…凄く嫌だったよ…でも応援しないとって思ったから…応援してるって嘘ついた…」


「え……じゃあ本当は、ずっと両思いだったのか………てっきり、他の奴がずっと好きだと思ったから…でも、俺は…もうお前を諦めた…」


私と君は、同じ気持ちだったのに長い間…とてもすれ違っていたみたいだった…駄目元で君に聞いてみた


「私と付き合ってくれる事って出来ないの?」


「ごめん…今の彼女を大切にしたいから…本当にごめん気持ちには、答えられない」


私達の会話は、そこで途切れてしまって…そこから、君とは、気まずい空気になり連絡も取らなくなり…ずっと一緒に居たことすらも書き消されてしまったようだった…


私と君の関係は些細な事で無くなってしまったけれど…学べた事もある…気持ちは、秘めているだけでは、絶対に伝わらない…だからこそ…今度好きな人が出来たら…素直に気持ちを伝える事が私は、出来ると思う




_________


【夢の中の君】




俺は、毎年決まって12月31日の夜から~1月1日の朝が楽しみになっている…その理由は、普段は、全くと言って良いほど夢を見る事が無いけれど…12月31日~1月1日に関しては、絶対と言って良いほど夢を見る……その夢が妙にリアルなのが面白い所だ…そして、今日がその12月31日だった…期待に胸を膨らませて俺は、横になっていると気付けば夢の世界に居た…


日差しが眩しいと思っていると…大きな病院の中庭に居た…そして夢の中での俺は、幽霊のような状態で周り見渡していると言った感じだった… 病院の中庭の日差しが良いところで、綺麗な黒髪ロングで見た目は、19歳くらいの女の子が車椅子に乗っていて…お医者さんと話していたのが、とても美しく綺麗に見えたので、指でファインダーを作り、しばらく二人を見ていた……その後、少し会話が気になったので近付いてみると、女の子の足の状態について話していた…


「本当にごめん…君は、もう歩けるようには、ならないんだ…治せなくて本当にごめん…」


先ほどまでは、楽しいそうに会話をしていたけれど…もう歩けないんだよと伝える事が先生は、とても辛かったんだと直感的に俺は、思った…


「良いですよ……先生…何となく結果は、分かってましたから……とても、言い出しづらかったと思います…」


女の子は、少し泣きそうな表情で……それでも、強がって頑張って笑顔を作って先生を励まそうとしている姿に俺は、涙を流していた…


「それでも…先生いつか……私は、自分の足で立てるようになるかな…?」


「俺も君が自分の足で立てるように色々と頑張るから……待ってて」


そこで、俺は、夢の世界から目覚ましによって現実に戻されたのだった…目が覚めた俺は、涙が溢れていた……毎年、夢を見るけど、こんなに鮮明な夢は、初めてだった……俺があの子の為に足が動かないのを変わってあげられたら良いのにと思ってしまった………そんな事を思っても…夢の中だから…どうにもならないんだけど……


五年ほど経った今でも、ふとした時に、この夢の君の事をを思いだして俺も、もっと頑張らないといけないな!って気持ちにさせて貰っている…夢って不思議だな……





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