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カラス [後編]

作者: 神楽

生き場が無いモノは何を求める

"時間ときの螺旋

夢に落ちた登場人物達


夢の中で惨殺とも言える

飛び散る血の雨


「これは悪夢だ、夢の中だ!!、事実であるはずが無い・・・!」


だがドコか・・・血生臭い

まるでこの夢が現実の世界のように


危ない!!

主任は暴走者の前に要る人を見て

その人に覆い被さる


その行動に迷いは無く

無意識に他人を庇う


次の瞬間自分の背中が重く感じる

金属片と・・・突き刺さる感触


背中が熱い身体の中心核から

身体全体に広がる熱さ


自分に何が起こったのか?

解らぬママ後へ振り向く


見知らぬ男?主任に背を向け

走り去る瞬間に見えた片手には真っ赤なナイフ


瞬時に甦る湖の夕日

真っ赤な血の色に似た朱色の湖


コレを意味する物ならあの湖は・・・?


次の瞬間・・・又時間が動いた

これは本当に夢の中・・・なのか?


主任の意識が忘れろと言わんばかりの何に抵抗する


【何故お前は落ちない・・・落ちろ、落ちろ!!】



声が聞こえた・・・俺を何処へ落としたい!!


何処かへ落ちる理由も今の現状も

理解不明?!


でも主任の意志とは別に

何かが自分の意識を深海へと導く


落ち続ければ・・・俺は消える?


「いっイヤダ!、俺は落ちない!」


窓から朝日が射し込む日差しに導かれ目覚めた・・・・・?!


主任

「あッあ・さ・なのか?」

だが此処は自分の家では無い!

帰らなければ・・・ベッドから出て服をきがえ・・・・・?!


頭の中で準備を考え出すと同時に

全て終了してる


その瞬時に主任は朝日を受け

キラキラ輝く湖の湖畔に立っていた


・・・・が・・・・

夢は全て記憶から消えていた


我に返りただ湖を眺めていた

気が付いた時自分の横に

引っ越しを依頼した青年が居た


青年はボーッとしている様子で

少しづつ口を開き

「主任さん、この湖の底には、何が有るんでしょうね、此れだけ大きな湖だし、何か有っても不思議じゃ無いでしょ」


青年の横主任と反対側に引っ越し業者Bが

「あっ!!、そう言えば、昔何かの書物で読みました、電気を作るのに、幾つもの田舎の村がダムと言う物を作る為に、湖の中に封じ込められたって、でも・・・?、住んでた住民どうしたのかな?、やっぱり一緒に湖の中とか?、どう思います主任?、我々が暮らしていたドームを中心にしても、近くの住民全員移り住めませんしね?」


青年

「ですよね、なら役立たずな命は、役に立つため、湖の中が常識でしょうね!」


主任?

[コイツらは一体何を言ってるんだ、役立たずな命、ドームの中の暮らし?、意味が解らない?]


主任は常識はずれな二人の会話に入って行けず


意味の解らない二人の話を

ただ聞いているしかなかった


仕事終わったんだから・・・・

しご・・・とッて・・・何だ?


又だまた何かが頭の中で弾けた

・だ・から・・俺は・・・何か・・・た・いせ・つ・・・な?


頭がッ・・・うッ・痛・いッ!・・割れ・・る・ッ・・・!!?



運送屋A

「はいどうぞ、昼食終わったら、夕飯のオカズの魚、皆で湖に釣りに行きますからね、今日も大漁よろしく!!」



主任?

[また時間が飛んだ!朝から昼?、何故!時間が勝手に流れる、そう言えば?、不動産屋は何処だ?]



主任は皆に聞く

「あ~そう言えば、案内人の不動産屋は?何処に居るんだ?」


主任が不動産屋の事を口にした瞬間

頭に激痛が!!


主任以外のその場に居た人達の時間が止まって見えた?!


これは一体?

主任は思わず声をだして怒鳴る!!

「お前は誰だ!、俺に何を求める!、皆をどうするつもりだ!、隠れずに出て来い!!」


すると又あの声(???)が?

【隠れる?、何故私が隠れなくてはいけない?、私は隠れてなどいない

、ただお前が素直に記憶を消そうとしないから、私が見えていないだけだ、お前以外の他の者達は、すでに私を受け入れ、普通に私と会話をしている、何故お前は此所へ来た!、

なぜお前は私の言葉を受け入れない?、早く落ちろ!!】


主任

「他の者達には、お前が見えるのか?、見えないのは俺だけ?、此所は何処だ!、俺はただ・・・」


???

【ただ何だ、どうした忘れたか、忘れたなら何故、お前は落ちない、早く落ちろ、落ちろ、落ちろ!!】


主任

「いっ嫌だ!、俺は・帰・・る!」

[どこへ・・・?]


???

【もう無駄だ、お前には思い出せない、諦めて他の者達の様に早く落ちろ、落ちればお前は苦しむ事無く、

永遠の自由を手に入れる、さあ早く・お・ち・ろ・、ハハハハッ面白い!!】



主任はその言葉を遮る

「俺は絶対落ちない!!」



???

【・・・まあ良い、まだ時間は有る、だから私は時間(とき)を待つ、お前が目覚めるのをなッ】



部下B

「主任どうかしたんですか?」


主任

「えっ!何?」


部下A

「さっきから、声かけてるんですが?、食事口に合いませんか?」



主任は何も言わず

席を立ちテーブルから離れ

・・・・・湖へ向かう・・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーー

"消えてゆく記憶

そんな中にまだ理性を失わず

あらがう主任



頭をかかえながら湖を眺めていた

そこへ他の人達が集まって来た


青年は

「釣りにいきますよ、行かないと夕飯は残念な物になりそうですから、今日も大漁になるように、頑張りましょう」


業者B

「そう言えば主任は昨日釣りに行かなかったですよね、勿体ない、この湖には沢山獲物がいるから、釣ってて楽しいですよ」


業者A

「本当に凄いですよね、小者から大者、やっぱり美味しいのはメスですね、昨日の夕飯絶品でしたしね」


主任?

[彼らは一体何を言っているのか?]


とりあえず用意された小舟に乗り込む

小舟は湖の真ん中辺りへ到着


湖の水は本当に綺麗で

湖のずーっと奥深くまで見える


皆は釣りの用意をしているが

主任は湖のずーっと深い場所を見ていた


何故か解らない

悲しみと恐怖が胸をヨギル・・・?


主任

[この湖の底に微かに見える風景は、どの様に見方を変えても、普通の町だ、しかも人が普通に生活している様に見える、なぜ一般人が暮らす町並みが見えるのか?、他の者達は何も気に止める様子も無く、釣り糸を湖深く垂らし話を始めた]


青年

「やっぱりメスが良いですね、実(身)もやわらかく、程好く脂ものってるし」


業者A

「そうだな、特に幼子が旨いな」


業者B

「オスは実(身)より、筋が多いから美味しくないしね、何か他の料理レシピは無いのかな?」


青年

「でも毎日湖の人にも飽きるし、野山をウロツク野生人肉でも狩りに行きますか?」


業者B

「それ、いい考えだな、じゃあ明日早速やるか?」



主任??

[狂ってる・コイツらは・嫌!!、

今居るこの世界が狂ってる!?、早く抜け出さなければ・・・ドコ・か・ら・・・だァ~!!]


心の中にある思いは

少しずつ確実に消滅して行く

今の自分に出来る事も限られる


まるで記憶の限界を指し示す

タイムリミットをあらわす時計は・ドコへ・・向かう・・・の・か?



ふたたび朝が訪れた

朝日が窓から射し込む


運送業社主任は

まぶしい日射しで目覚めた

[・ま・た・・日づけが変わった・のか・・・?、アノ声の主は・・俺以外の者達には、自分が見えると言って・いたが、他の者達は・本当にアイツを見ている・のか、他の者達は一体どのような形で、アイツを見ている・・・?]


主任が考えている最中も時間は流れていた


・・・・ここは?!

森の中・・・なのか?


樹木や木の葉の間から光が射し込む

少し離れた場所には彼等も居た


主任は少し前(昨日)の話し・・・


[もし本当に野生の人間らしき者達が居たら、彼等は狩りをするのか、まさか人間を食べる・・・?]


???

【あんた本物のバカだな、湖の底には何が居た?、もうとっくに食べてるだろ!】


主任

[・・・ッ!、アレラハ・・・!]


その時だった


主任の居る場所から左方向で何かが動いた


主任はびっくりして顔を向ける

・・・・・?

・・・・人・・・かッ?!

野生人間?


そこに身を潜めて居たのは

まさしく裸の人間

だがシッポの様な物が見える


主任がボーっと見ていると

他の者達が気付き静かに主任の側へ集まりだした


青年

「見つけたなら、教えて下さいよ、逃したら今夜夕食無しですよ!」


業者B

「やっと獲物にありつけましたね、これで夕食確保ですね」


主任

[・・・コイツら本気・なのか?、アレはどう見てもシッポ以外は、普通の人間ろ!]


主任

「ちょっと待て!、皆冷静になって見てみろ!」


主任の言葉は届かずすでに彼等は

野生人間を囲んでいた


主任が大声をだしたその時

時間が止まった!


又だアイツか?

[でてコイ!、お前は一体俺達に何をさせたい、全てが間違っている、

隠れていないで出てコイ!]


すると主任の目の前に影が現れた

影はゆっくりと人型へと変わる


そこに姿を表した人は・・・!!!


[なぜ・だッァ~!!?!]


ーーーーーーーーーーーーーーー


森の中

主任が声を出し呼んだモノは

一瞬で時を止めた!


ソノ者は主任の影が伸び人の形と成った


主任は今目の前で何が起こった事に驚き声が出なかった


???

【おい!、お前が呼んだんだろ、何か言ったらどうだ!】


主任

「お前・・・今・・・何をした!」


???

【何って?、俺は何もしていない、ただずっとお前と一緒に居ただけだ!、お前が気付かないのが悪いんじゃねえの!】


主任

「いつから俺の・・・か・げに!」


???

【何時って、産まれた時からに決まってんだろ、俺はお前なんだから!!、時間が消えたやら飛んだって笑えた、こんな事に成る前に早く消えれば良かったのに、あ~アッもう限界だな!、でッおっさんはどうしたいの、早く記憶消して俺に身体よこす、それとも今まで通り俺とおっさんが交互に時間共有する!、どっちが良い、早く決めてくれないかな~、こっちにも都合があるんだよね!】


主任

「記憶が飛ぶ・・・・」


???

【・だ・か・ら・おっさん面倒くさいっての、記憶は飛んだりしてないから、おっさん寝てるからソノ間は俺が動いてた、ただそれだけの事!、まだ解らない!、あんた1日の大半を眠り続けてるの、だから人格の違う俺が動いてた、それだけの事、解ったかな?】


主任

「俺が・・・眠ってる?!、違う!!、現に今俺はこうして・・・・・」


???

【眠りの中に居る、だから時間が止まったと感じてる、これら全部あんたの夢の中だっての、おっさんはもう何ヵ月も眠ってるんだよ、だからずっと夢の中に居るの!!、解んないかな~、おっさんマジ頭悪いんだな、いい加減気付けよな!、夢と現実の狭間!】


主任

「いやッ違う!!、これは現実だ!!、夢なんかじゃない!!、全て現実だ!!」


???

【ふ~ん、あんたはそう思うのか、じゃあ現実だと言える何かを早く思い出せよ!!、あんたが本当に思いださなきゃいけない真実を!!】


主任

「真実だと言える何か?・・・思いださなきゃいけない事?!」


その瞬間主任は皆と一緒に家の中のリビングに居た・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーー

彼らが居る世界は時空(とき)が歪んだ狭間


そこに招かれた人には絶対に気付く事ができない・時が無い世界・


・・・・・・・・・?!


何も知らずハシャぐ者達


集まるべき資格を持ちココに招かれた事も知らず

日々を楽しんでいる・・・がッ!


それぞれに欲望を持ちコノ世界に集められた


道を狂わせたのは・・・誰?!


森の中・ばかげた行為に

主任はおもわず誰とも知らない奴を呼んだ!!



又々時が進み家のリビングにいた


主任は奴が言った事を考えていた

【思い出せ!】の意味を


[ココに来て夢で見たあの惨殺事件の事か?!、だが俺はあの事件を知らない、テレビや新聞・見聞きした覚えも無い、ただの夢では無いのか?!]


主任は他の者達に質問した

「皆に質問なんだが、あの事件って、いつの話だった?」



業者B

「えっ?!あの事件?、主任が俺達を助けてくれた惨殺事件ですか?」


業者Bは業者Aに話をフル


業者Aは・・・?

「どうしたんですか?、俺達2人主任に助けられ、オマケに仕事の世話までだから今・・・(かったるい仕事させられて、マジ迷惑なんだよな!!)・・・・どうかしたんですか?!(いまさらだろ!!)」


業者B

「そうですよ、主任のおセイで仕事(嫌々)働けて(自由奪われ)、本当に感謝(迷惑)していますよ、ねえAさん(勝手に他人の人生壊したくせに!!、身勝手なジジイだ)・・・」


業者A

「(マジうぜ~)そうですよ感謝してます」



主任・・・心が筒抜けだ?!!

[俺は事件を覚えていない・・・イヤ・・・忘れたのか?、助けたコノ2人を、誰だコイツラ?、俺はコノ2人を知らない何故だ?、事件はいつ起こった!?]



青年

「たしかあの町の惨殺事件は・・・そうだ!、丁度1年前ですよね不動産屋さん?」


主任

[不動産屋!居るのか?]


青年が顔を向けた方向には

見覚えの有る若い青年が居た



タイムストップ!!

死刑執行の時間だ!!


・・・・・・・・・・ッ!!?


[コノ顔は・・・オ・レ・だ!!、20年前のオレ・・・、コイツラ全員・・・オレが殺した!!、アノ時全てを無くした、・・・だから自分の間違いを消したかった、・・・・もう一度あの場所からやり直したいと願った、殺めた命を助けたいと願い続け、鉄格子の中で毎日同じ夢を見ていた・・・オレの過去だ!!、取り戻せ無い命、業者AもBも・・・青年も・・・皆オレが殺した命だ!!]


[あハハハはハハハッ!、そうか・・・そうだよ!オレだよ!!]


[イヤッ!でも何故20年前の?、しかもコイツら、みんな死にたかったって?!]


[夢の中からアノ瞬間に戻った・・・のか?、みんなを助けた?オレが?!、全部嘘だ!!、こいつらを殺したんだ!!、オレの時間は止まったママだァ~~~!!]



???→不動産屋

【やっと、お目覚めだな】


主任

「お前!?・・・誰だ!!、俺じゃ無いだろ!!」


???

【当たり~俺は死神、お前の命の行き先案内人、お前が犯した罪は、罰を与える意味が有るのか、死にたかった者達が、死に場所としてあの場所を選んで、望みを叶えた、だからお前に罪を償う義務が有るのか、死の螺旋の中に関係者を集めた】


主任

「20年前、オレはココに居る者達を殺した・・・人殺しだ!!、コレがお前が思い出せと言った答えなのか!!、俺は人殺しなんだ!無差別に誰でも良かった、ただ生きるのが虚しく思えた、でも死ぬのが怖くて勝手な思い込みで俺はこいつらを道連れにした・・・・、だが俺は生き延び裁判で死刑となり、今は・・・」


死神

【そうだ!、そしてお前は今病気の為に警察病院で寝たきり状態だ、だがこの者達は死ぬ事で、自分が犯した罪から逃げた、結果この者達の家族も皆救われた、全てお前のお陰だ、それでも、お前は自分の罪から逃げず、それ相応の罰を望むか、お前もこの者達同様、逃げる事ができるのだが・・・」


主任

「逃げる・・・不必要な言葉だ!!、オレは全ての罪の償いを、罰を求める・・・それが今のオレに、唯一与えられた、人としての願いだ!!」



死神・・・・

【・・・・人の願い・・・とは?!、生きる・生まれ変わるではないのか!?】


主任

「違う!!、罪には罰だ、でもどのような罰でも他人の命を奪った償い等できない!!、何をどう考えても命のオモミには値しない・・・だから俺は・・・・人として・・・」


死神

【・・・人として・・・・】


了解した

お前の願い叶えよう


人として罪には罰を


《その言葉と同時に・・・》


空が黒く塗り潰され

辺り一面闇へ


ただひとつ

闇に光る・・・・


一羽の[からす]が

人として・・・願うが故に


・・・・・漆黒の翼が空に舞う



・・・・・・・・・・・〆



さて?!

愚かな生き物はどこへ

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