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コッ!コッ!コッ!コカトリス!

作者:

 クラスの人気者は実は○○だった。

  僕のクラスにはコカトリス。通称、コリスと呼ばれている存在がいる。普段の語り口調は、紳士的でありながらも小話を交えつつ会話を飽きさせない。

 なにより人の陰口を言わないコリスはみんなから聖獣君子のごとく慕われている。

 体躯は鶏に程よく似ているが、緑色の鱗がある立派な尻尾がついている。全長が3m弱、体重に至っては500kg以上という噂だ。しかしてその運動能力はすさまじく、100m走に至ってはクラス最速の早彬君より10倍は速い。一部の運動部員からは鳥速のコリスと恐れられている。

 それだけにとどまらず、クラスの成績は常にトップ。学年に至っては、常に2位という高スペックぶりである。休み時間にはコリスの周りには教えを乞うクラスメイトであふれているほどだ。学年一位であり生徒会長の溺彬君も自分をいずれ超える存在になると目をかけているという。そんなコリスの事を一部の口さがない連中は鳥頭のカスと揶揄っているらしいが僕から見れば、そんな噂話をする奴らの方がゴミカスだと思う。

 そんなコリスは当然のことながら、もてる。そのきりっとした金色の目を見た雌はどんな生物だろうと3秒で堕ちるといわれているほどである。実際にコリスは、この学校でトップスリーに入っているというクレオさん、貴妃さん、小町さんの三人から告白されたこともあるという。しかし、誰かと付き合ったという話は聞いたことがない。一体どんな人がタイプなんだろうか?それは学校みんなの謎である。

 文武両道、性格も紳士的なコリスだが実は兄がいることはあまり知られていない。それどころか、その兄が同じ学校の同じクラスにいるということを知っている人間はこの学校でも極僅かである。

 その上で、コリスが雌だと知っているのは家族だけだった。

 

 「ねぇ、お兄ちゃん。私どうして雌だって言っちゃだめなの? 」

 その質問に兄である僕は答える。

 「お前がこの世界で唯一の雌コカトリスだからだよ」

 そう、コカトリスはこの世界では絶滅危惧種どころか、絶滅確定種なのである。そんな中でコリスの存在が知られればどうなるかは火を見るより明らかだ。

 そんなコリスを守るため僕は彼女と同じ学校に通っているのだ。彼女の義理の兄として。

 

 人気が出れば連載するかもしれません

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