その者、魔人にあらず魔人なり
いくつもの矢が降り注ぐ中それを華麗に避けながら鎌を振り回すひとりの少女の姿
三日月兎「ふむ……」
三日月兎は矢を避けつつ何かを考えているようであった。その様子に弓兵はイラつきを覚える。
英雄の弓兵「クソ、こんなにも矢を放っているのになんで当たらないんだよ!見た目と獲物も不気味な見た目しやがって!」
弓兵の言う通りでもあった幼い少女が鎌を振り回しながらいくつもの矢を避けそして向かってくる光景は恐怖しか抱かないであろう。
三日月兎「不気味でごめんなさいねでも、私はマシなほうよ?」
少女は魔人とはいえ落ちつた表情で話まるで大人の女性がいるようであった。その不気味な様子に弓兵は恐怖を感じているのだろう弓を引く指が微かに震えている。
英雄の弓兵「最初は少女だと思って気が引けていたがそんな余裕もなさそうだな。お前は一体何者なんだ!お前ら魔人はなんなんだ!」
三日月兎はその問に驚き鳩が豆鉄砲食らったような顔であった。まるで知らない事に驚いているかのような。
三日月兎「貴方達英雄はどう言った教育を受けているの?何も知らずに相手を殺しにでも来てるの?」
弓兵は怒りを覚え怒鳴るように三日月兎に叫ぶ。
英雄の弓兵「貴様ら魔人は邪神の使いでこの世界を滅ぼす存在そしてそれを倒すのが我々英雄だ!」
英雄の弓兵「私はそう教えられてきた!だが、戦ってわかったのはお前からは何の悪意も感じられない。精霊が騒いですらいない。なんなんだお前は!」
三日月兎「ふふ、ふふふふ、ふふふふふふふふ」
三日月兎は弓兵の、話を聞いて笑い出すそして笑いやんで喋り出す。
三日月兎「貴女方は面白い教育を受けているのね、いいよく聞きなさい?私達が魔人が産まれる理由それは簡単よ」
そう言うと三日月兎は一瞬のうちに弓兵の背後を取り首に鎌を掛ける。
三日月兎「国に捨てられたもしくは邪魔になった英雄が魔人として扱われるのよ」
そう言って三日月兎は鎌を引きそして門まで歩いていく。先程まで戦っていた場所は首と体が別れた死体が転がるだけであった。