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精霊武舞  作者: かなめ ちま
目を開けたら異世界でした
9/89

ダンジョンの定番

精霊武装した杖を手に、『念話』で話しながら地下4階への階段へ向かう。


 《わかばちゃん、階段の場所はわかる?》

 《解るよ、このまま少しまっすぐに歩いて、左手に水が流れている場所を曲がるの》


 なんでも、地下4階へと続く階段の近くには、泉があって、その泉から湧き出た水が地下5階へと流れているそうだ。


 しばらく道なりに進むと、足元から『ペチャ』って、ぬかるみに踏み込んだ時のような音がした。

 《もう少ししたら、左側に通路があるからね》


 わかばちゃんの言葉に気を付けながら進む。

 《ハル、通り過ぎてる。》


 おっと、気を付けていたけど、見逃した・・・。

 ちょっと戻ったけど、道があるようには見えない。

 杖を前に出したら、空間があるのがわかった。


 わかったけど、真っ暗のため進む気になれない。

 《『優しき光の力、集え、ライト』って言ってみて。》 


 わかばちゃんが、僕のためらいを見てなんか変な呪文みたいなものを教えてくれた。


 ・・・けど、さすがに恥ずかしいよね。

 どうしたものかと、悩んでいると、最初の2つは心の中で、実際に声に出すのは『ライト』だけで、良いそうだ。


 それぐらいなら、照れずに言える。


 「ライト」


 杖に先がぽわって光って、ぼんやりと道が続いているのが見えた。

 目印がないと、どれぐらい歩いているかわからないよね。

 なんとなく、道が曲がっている気がするなぁと思いながら歩いていると、階段のような石段があった。


 石段を上ると、目の前に緑の壁。

 わかばちゃん、これ本当に正規ルート?


 緑のカーテン?をかき分けて進むと、突然広場に出た。

 横には泉もある。

 泉の横にある、緑の茂みの中から出てきたようだ。


 ・・・わかばちゃん、これ絶対に正規ルートじゃないよね。


 わかばちゃんによれば、この泉の水は飲めるそうだ。


 手にすくって一口飲んでみる。


  ! めっちゃ旨い。冷たくて旨い。

 僕だけ飲んでいるのが悪い気がして、武装解除した。

 「わかばちゃん、ここから地下3階へ続く階段はわかる? 今度は人族が通る道でお願い。」


 「解るよ。人族が通る道なら『ライト」もいらない。」


 ・・・やっぱり、正規ルートあるんだ。


 もう一度、精霊武装して歩き出した。


 明るくて、湿っぽくなくて、歩きやすい。


 《わかばちゃん、どうしてさっきは裏ルートを教えてくれたの?》

 《? さっきの道は地下4階へ続く階段の一番近道。それに歩きやすいから。》


 精霊的には、歩きやすいんだ。


 《僕的には、こういう道の方が歩きやすいけどね。》なんて話していたら、右斜め後ろの茂みが、ガサガサ言い出した。


 振り向いた僕が見たものは・・・。


 顔と同じぐらいの、蜘蛛でした。


 《ハル、モンスターだよ。精霊武舞で倒そう。》

 「わー、無理 無理 無理」


 わかばちゃんが何か言っていたけど、無視して走り出した。


 一刻も早く視界から消し去りたくて、曲り角を右に左に進んでいたら、ぶつかった。


 ぎょっとしたけど、男の子だった。

 ・・・よかった。いや、よくないか。


 「ごめん、ちょっと急いでて・・・。大丈夫?怪我はない?」 


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