現地調達
「わかばちゃん、大丈夫? ちょっと顔色悪いよ。」
沢山魔法を使ったから、疲れちゃったのかな?
「ハル、どうしよう。宿でもお弁当頼むの忘れたし、屋台で買い物もしていない・・・。」
「お腹空いているだけ?」
「うん。」
ああ、魔法を沢山つかってお腹が空いたのか。
マジックバッグの中に何か食べ物が入っていないか、探すことにした。
あれ? そういえば、ふわまろは?
気が付くとふわまろが居なくなっていた。
うーん、考えてみるとミスリルの砂を採取するぐらいから姿が見えない気がする。
「わかばちゃん、もう、採取はおわり?」
日本から持ってきたお菓子ぐらいしか、入っていない。
たぶん、わかばちゃんもジャムぐらいしか入っていないんじゃないかな?
その時、上流から風に乗って美味しい匂いがした。
「なんだろうね、わかばちゃん。」
「焼き魚の匂いがする。」
ここからは大きな岩があって、上流が良く見えない。
「岩を登って、見てみようか?」
「うん。」
わかばちゃんが、大岩に登ろうとして、足が届かにことに気付いた。
僕は背後からわかばちゃんを持ち上げて、岩の上に乗せた。
僕はどこから登ろうかな?
川の方は、同じような大岩がゴロゴロしていたけど、ちょっと離れると何とか乗り越えられるぐらいの大きさになっている場所を発見した。
「わー、ハル! 早く! 早く。」
わかばちゃんの嬉しそうな声がした。
「今行くからちょっと待ってて。」
「ゆっくりで、かまへんよ。」
あ、ふわまろの声だ。
怪我しないように、岩を乗り越える。
と、そこには河原で魚を焼いているふわまろが居た。
「ふわまろ・・・。何してるの?」
「ああ、今日はお弁当も頼んでんかったし、屋台にも寄らへんかったから現地調達してん。」
ああ、ふわまろの姿が見えなかったのは魚を採ってからいたからだったんだ。
「ありがとう、ふわまろ。とっても美味しそう。」
わかばちゃんは、すでに焼き魚の近くの石に座ってる。
「ほら、これはもう焼けてんで。」
ふわまろが、わかばちゃんに焼き魚を1つ手渡している。
「ありがとう。」
わかばちゃんは、パクッて1口食べて、ほっぺを押さえている。
「美味しい。」
わかばちゃん、食べ物に関しては、ふわまろに素直になるんだね。
思わず、遠い目をしてしまった僕を、ふわまろが呼んだ。
「早く来ないと、無くなんで。」
もちろん僕は河原を走って、ふわまろのところまで行ったよ。
木の枝に挿した、焼き魚も美味しかったけど。
岩塩で蒸し焼きにした蒸し魚は絶品だった。




