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精霊武舞  作者: かなめ ちま
商人になろう
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錬金してんじゃん

 わかばちゃんは、しばらく色々な種類のベリーを集めていた。

 僕も、付近にある薬草や木の実をマジックバッグに入れておく。

 採取依頼があった場合、マジックバッグに入っていればそれを渡せばすぐに依頼達成だ。


 本当は、ポーションを作るために集めていたのが癖になってるってのもあるけど。

 「ハル、思ったより完熟ベリーが多かったので、瓶も欲しいから川に行きたい。」

 もくもくとベリーを集めていたわかばちゃんが僕に声をかけた。


 「いいよ。今日はわかばちゃんに付き合うよ。」

 僕が言うと、ふわまろも頷いた。

 本当に、仲が悪いんだか良いんだか。

 まあ、ふわまろは口が悪いんだけどね。


 でも、瓶が欲しい時は川に来ると良いの?

 上流から、ドンブラッコッコドンブラコって流れてくるのかな?

 僕はわかばちゃんとふわまろの後ろからついて行く。


 僕の耳にも川の流れる音が聞こえて来た。

 茂みを超えると、河原が見えた。

 結構大きい川だ。


 わかばちゃんが、あたりをキョロキョロ見渡してから、集中してる。

 探索スキルを使ってるみたいだ。

 僕も思わず使ってみる。うん、近くに人も魔物も居ない。僕たち3人だけだ。


 わかばちゃんは、おもむろに河原の砂に手をかざした。

 すると、瓶がポコピコ河原に出てきた。

 うん、本当にわいてきたって言い方がぴったりな状態だった。

 

 「え? わかばちゃん、何やってるの?」

 「河原の砂は、瓶に最適。蓋はまだあるから。」

 へー、わかばちゃんのジャムは瓶から手作りなんだ。

 ・・・え? これって、錬金術じゃない?


 「わかばちゃんは、錬金術を習ったの?」

 「習ってないよ。」

 瓶はどうやって作ったの?

 「土魔法。」

 ふわまろも、僕を見て何を言っているんだって顔をしている。

 「わかばちゃん、ふわまろ、錬金術師って何をするか知ってる?」

 「ポーションを作ったり、魔道具を作ったりするやつやろ?」

 「レシピを使って色々作る者。」


 あー、そう来るか。

 あれから僕もちょっと調べたけど、確かにポーションは錬金術師か薬師、もしくは教会でしか作られてない。

 鑑定スキルも無いから、素材がわからないしね。


 「わかばちゃん、ベリージュースに薬草を混ぜて美味しくした飲み物作れる?」

 わかばちゃんは、ちょっと考えて、マジックバッグからベリーと薬草を取り出した。


 作ったばかりのビンに、ベリーと薬草と水を入れてさっと手を振ると、果実水ができている。

 「ハル、飲んでみて。」

 わかばちゃんに言われて出来立ての果実水を飲んでみる。


 「美味しい。それになんか元気になった気がする。」

 「ハル、ありがとう。」


 そうか、錬金術=錬金術師って考えるからいけなかったんだ。

 錬金じゃなくて、料理って考えれば、レシピも想像がつくし僕にも作れる。

 作れなくても、レシピを僕が考えて、わかばちゃんに作ってもらえば良いんだ。


 僕のお小遣い獲得作戦が上手くいきそうで、わかばちゃんと一緒に笑った。

 ふと見ると、ふわまろが肩をすくめている。

 


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