ベリーベリーベリー
「ねえ、ふわまろ。」
「ん?」
「だんだん森が近くなっているなんてことないよね?」
「はぁ?」
「なんか、森へ着くのがどんどん到着時間が早くなってる気がするから。」
「ああ、身体能力が上がってるんやないの?」
「そうだったんだ。日本に居る時の方が運動していた気がしたんだけど。」
ああ、そういえば、歩くだけでもスキルが上がるゲームがあったなぁと、僕は考えていた。
ちらりと、わかばちゃんを見る。
ふわまろに抱っこされて、眠っている。
あれ? 意外と落ち込んでいない?
「今日は森の奥で、ベリーを沢山摘むから。」
「あ、わかばちゃん、起きたんだ。」
「考え事していただけ。」
「考え事?」
「そう、商業ギルドの人間に、私だけでも屋台が出来るってことを認めさせるの。」
わかばちゃん、人は結構見た目なんだよ。3歳児が屋台の主人って認める人いないと思う。
「まあ、今日はチビっ子言う通りにしてやるよ。」
ふわまろも気の毒がってか、わかばちゃんに優しい気がする。
ふわまろが、わかばちゃんを抱っこしながら森を駆け抜ける。
僕も後を追いかけるけど、実は結構森を走るのは難しい。
まあ、山での鬼ごっこ程ではないと思うけどね。
じーちゃんが生きていた時は、近所の子供たちとよく山で鬼ごっこをしていた。
結構大きくなって、山での鬼ごっこって、海外でよくする訓練になっているって知ったけど、僕の身体能力の高さはこの鬼ごっこで培ったと思う。
まあ、受験で1年ほとんど遊べなかったから、体力は落ちているとおもうけどね。
「わかばちゃん、ベリーの木までまだかかる? ふわまろ、ちょっと休憩しない?」
ふわまろに、身体能力が上がっているとほめられたけど、もう限界。
「ハル、もう木は見えてるよ。」
「あと、ちょっとや、頑張れ。ハル。」
僕はちょっと走るスピードを緩めて前を見る。
崖の上にそれっぽい実がなっている。
と、思ったとたん足元がおろそかになったらしく、すっころんだ。
「わー!!!」
「ハル、大丈夫か?」
「ハル、大丈夫?」
「いてててて・・・。大丈夫、ちょっと手を擦りむいただけ。」
とっさに手を付いたから、ちょっと掌を擦りむいただけで済んだ。
僕が擦りむいた掌を見せながら、わかばちゃんとふわまろに応える。
「ヒール。」
え? わかばちゃん、治癒魔法使えるの?
僕が目を丸くしているあいだに、掌の傷は消えた。
「ありがとう、わかばちゃん。治癒魔法使えるんだね。」
「ハルが居ない2年の間に頑張った。」
「ありがとうね。」
2年なんて長い間、僕を待っていてくれた事にも感動。
「そういえば、ベリーは崖の上だよね? どっかに道でもあるの?」
「道は無いけど、ベリーは摘める。」
わかばちゃんは、そう言うと、エプロンドレスのエプロンの両端を持って広げた。
僕は、そんなわかばちゃんを見て、可愛いぃ~と心の中で大絶賛。
すると、わかばちゃんは、トン、と地面を蹴った。
バラバラバラっと音がしたと思ったらベリーが落ちてきた。
え?
わかばちゃんのエプロンを見ると結構な数のベリーが入っている。
「何をやったの? わかばちゃん。」
「魔力で、完熟ベリーだけを落とした。」
「魔法じゃなくて魔力?」
「そう、地面から『完熟ベリー追いで。』って魔力を流した。」
わかばちゃん、凄い。
僕は、さっきより大きな目でわかばちゃんを見てしまった。
わかばちゃんは、エプロンドレスのベリーをマジックバッグにしまうと、別の木の下まで歩いてまた地面を、トン、と蹴った。
バラバラバラとその木のベリーも落ちてきた。
崖の上を見るとまだ、ベリーは沢山残っていた。
「わかばちゃん、ベリーはまだ沢山残ってるよ。」
「ハル、ベリーは完熟の方が美味しいんだよ。」
凄いな、わかばちゃん。僕だったら多分全部取ってしまうと思う。
「後から来る人にも残してるんだね。」
「鳥に多少食べられても大丈夫。」
ん? 鳥? 人は来ないの?
「ハル、あそこは崖の中腹やから、崖を登るか上の崖から降りへんとたどり着けへん。」
ああ、だから鳥ですか。
いろいろな機能を試していて、遅くなりました。
ごめんなさい。




