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精霊武舞  作者: かなめ ちま
冒険者になろう
68/89

東部特許許可局

 僕たちは森から帰って、冒険者ギルドへ向かった。

 わかばちゃんが、依頼達成の手続きをしている間に、パーティ登録をすることにした。

 森からの帰り道で、1人1つ名前を考えて第3希望まで申請することにしたのだ。

 くじで、順番をわかばちゃん、僕、ふわまろの順に申請することになった。

 当たり前だけど、現在使用されているパーティ名は却下される。

 昔は、結構同じ名前があったりして、大変だったらしい。


 第1希望:木々の風

 第2希望:精霊の眷属

 第3希望:炎の木霊


 わかばちゃんは、結構空いていたのですんなり依頼達成の手続きが完了した。

 僕たちは、パーティ登録の窓口に並んでいる。

 なんでも、今の時期はパーティ申請が増える時期らしい。

 春になって、各地から冒険者登録に来た若者が1年近くたって、自分の限界をさとりパーティを組みだすのが今頃らしい。


 「僕たちもそう思われてるよね。」

 「思われててもかまへんやん。」

 「ハル、気にすることないよ。」

 「しっかし、まだ僕達がパーティじゃないって知らなかったなぁ・・・。」

 「ソータの時は、冒険者登録と一緒にしたからなぁ~。」

 「そうだったんだ。まあ、時代が変われば色々変わることもあるしね。」

 軽い雑談をしていたら、僕たちの番になった。


 「パーティ名の申請に来ました。」

 「はい、メンバー全員いらっしゃいますか?」

 「はい、そろってます。」

 「では、最初に申請書をお預かりいたします。」

 「はい、お願いします。」

 申請書を受け取った受付のお姉さんは、用紙を魔道具に差し込んだ。

 すると、聞きなれた音がした。

 「ピピッ、ピピッ、ピピッ」

 「すみません、残念ですが第3希望まですべて使用中のパーティ名でした。」

 「え? こんなに早く使用している名前か分かるんですか?」

 僕はびっくりしてお姉さんに詰め寄った。

 「はい、今は特許許可局から貸し出されている魔道具で瞬時に判明するんです。」

 特許許可局? 何その早口言葉。

 「えーと、では、また新しい名前を考えないといけませんね・・・。」

 「申し訳ございません。」

 「事前にどの名前が使用できないかわかりませんか?」

 「申請書に書いてこちらまで持って来ていただければ、わかるんですがそれ以外では無理ですねぇ。」

 「3組全部活動中なん?」

 「いえ、活動中なのは1組だけですが、2組はまだ50年経っていないので、使用できないんです。」


 僕たちが、不思議そうな顔をしていたので受付のお姉さんが説明してくれた。

 それによると、昔有名なパーティがあったが、権力でその名前を取り上げた馬鹿者がいたらしい。

 指名依頼でそのパーティに討伐依頼があったが、当然実力のないパーティは全滅。村は半壊するということがあった。

 その他にも、パーティ名を高額で買い取って同じく依頼失敗で被害甚大。

 ということが何件もあったが、大陸が広いのですべての実態を把握することはできなかったそうだ。


 ところが、ある組織が画期的な魔道具を発明。

 それが、特許申請の魔道具だ。

 パーティ名を専用の用紙に記入すると、瞬時に50年以内に活動していたパーティ名のデータベースと参照し有無を判定する道具。


 それにより、パーティ名を騙ることも、強奪することもできなくなったというわけです。

 「・・・今は、パーティ名を入力するとメンバー一覧が表示されるので、よっぽど指名依頼での依頼失敗ということは無くなりました。」


 僕たちは、あきらめてまた名前を考えることにした。   

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