名前を決めよう
「と、とりあえず、名前を決めない?」
「森の精霊」
「いや、僕精霊じゃないし。」
「ほな、森の風。」
「それも、わかばちゃんの森にふわまろの風だよね? 僕が居ないよ。」
「「うーん・・・。」」
パーティじゃないことも驚いたけど、名前を決めてないって事も忘れてたよ。
「ハル、とりあえず、おやつにしない?」
3人で考えていても、いい案が思い浮かばなかったので、わかばちゃんの提案に乗ることにした。
「全部森で取れたベリーだよ。」
わかばちゃんが出してくれたのは、色々な種類のジャム。
カリッと焼いたパンにつけて、飲み物は流石に水だけど、なかなかに美味しい。
さっきお弁当を食べたばっかりなのに、結構進む。
頭を使ったから甘い物を欲してるんだよね。
「わかばちゃん、いつのまにジャムなんて作ってたの? 僕知らなかったよ。」
「さっき、ハルがふわまろと壁の練習している時に作ったの。」
「え? 作り置きじゃなくて、今日この場で作ったの?」
「そう、ベリーを採取して、かまどを作って煮詰めてたんだけど、気付かなかった?」
うん、ごめん。全然気づかなかったよ。
いやね、わかばちゃんが居ないのは気付いてたよ。
でも、薬草採取の依頼の為だと思ってたんだ。
・・・あれ? ふわまろが大人しい。
「精霊とゆかいな仲間達。」
おい、ふわまろ! それだと、僕だけ愉快になっちゃんだけど。
僕の冷たい視線に気づいたふわまろが、ワタワタしてた。
「いやー、冗談やん。」
「ハル、もうちょっと、ベリーを摘みたい。」
わかばちゃんの助け舟で、僕はふわまろを睨むのをやめた。
「そうだね、一旦名前から離れようか。」
「せやな。」
僕たちは、森の奥に向かって、木の実や薬草を採取しながら移動することにした。
「うーん、ミックスベリーとか。」
「魔物にすぐ食われそうやな。」
「精霊の若木とか?」
「わかばちゃん、精霊から離れようか。」
「黒オレンジ茶。」
「髪の色・・・。安直。」
みんな、パーティ名ってどうやってつけているんだろう。
ああ、どんどん3人の間が険悪に・・・。パーティ名つける前に解散とかないよね?
「ハル、頭切り替えろ!」
突然、ふわまろが小さく叫んだ。
ふわまろが指差す先には、1匹のゴブリンが居た。
幸いまだ、僕たちに気付いていない。
僕は深呼吸して杖を構える。
「水よ集え、ウォーターカッター。」
よし、今度は間違えなかったよ。
その後も、単発でゴブリンに出会ったけど、問題なく倒すことができた。
わかばちゃんが見つけたベリーの群生地で沢山ベリーを採取しマジックバッグに入れる。
ゴブリンの討伐と、薬草・ベリーの採取で今日はもういいよね。
「1晩寝れば良い名前が浮かぶかもしれないしね。今日はもう帰ろうか。」
「せやな。」
「うん、今日は大量。」
大収穫に足取り軽く僕たちは森を後にした。
パーティ名どうしよう。
遅くなりました。




