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精霊武舞  作者: かなめ ちま
冒険者になろう
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お手並み拝見

 軽く落ち込みながら、演習場から冒険者ギルドのカフェに戻るとわかばちゃんと、ふわまろが居た。


 「よお、どないしたん。暗い顔して。」

 「ハル、お腹がすいたのなら、イチゴミルクがお勧め。」

 「ただいま、ふわまろ、わかばちゃん。いやー、土魔法の壁が全然うまくいかなくって。」

 「そりゃぁ~、得手不得手があるんやから気にしぃへんでもええんちゃう?」

 「わかばちゃんなんて、壁どころか机やベッド、家までも簡単につくちゃうのに・・・。」

 「あはは、そりゃ比べる相手が間違ってんで。」

 「ハル、私は土魔法と水魔法は最上級魔法も使える。」

 「え! わかばちゃん、最上級魔法使えるの!?」

 「そりゃー、俺らはそういう出やからな。」

 ああ、精霊とか言っちゃだめなんだ。

 そうか、そうだよね。生まれたてとはいえ精霊と人間の僕を比べるのが間違ってたんだ。


 「ハル、自分は自分や。誰がどうとか関係ない。」

 「ありがとう。ふわまろ、わかばちゃん。」


 兄弟と比べられるのが嫌いだった僕なのに、気が付いたらふわまろやわかばちゃんと自分を比べていたなんて、バカだなぁ~。


 「顔が明るくなった所で、後はどうするか決めへん?」

 「私もまだ、宿に戻るには早いと思うよ。」


 最近あまり、しゃべらなくなっていたわかばちゃんも気を使ってか今日は良く話してくれる。

 出来ないなら、練習すればいいんだ。


 「これ、飲んだらちょっと付き合って。演習場が空いているか聞いてくる。」

 僕は、果実水を一気に飲んで、受付に並んだ。


 「すみません、演習場を予約したいのですが、空いてますか?」

 「はい、演習場の予約は初めてですか?」

 「はい、初めてです。」

 「では、簡単に説明しますね。

 ・演習場の利用は1時間以内となっております。

 ・時間10分前になったら片づけて、次の方に順番をお譲りください。

 ・何度も時間オーバーして他の方に迷惑がかかる場合、演習場の利用に制限がかかることがございますのでご注意ください。

 ・予約時に認証タグが必要となります。

 ・武器と魔法、武器や魔法の種類によって利用できる範囲が決められておりますので範囲内での利用をお願いします。

 ・利用に際しましては利用料が発生します。

 ・詳しくは、『演習所利用規約』をお読みください。」


 あ、そんな冊子があるんだ。


 「本日は、武器と魔法どちらでしょうか?」

 「魔法でお願いします。」

 「魔法でしたら、30分後から1時間なら空いています。」

 「予約をお願いします。」

 「はい、認証タグと利用料をお願いします。」

 僕は、タグと利用料を渡した。

 「ハル、お待たせしました。予約が完了しました。では、ご利用の10分前に受付にお越しください。」

 「ありがとうございます。」


 僕は、受付のお姉さんにお礼を言ってタグと利用チケットと、『演習所利用規約』を受け取った。


 「わかばちゃん、ふわまろ、あと10分ぐらいしたら、演習所の利用受付が出来るって。」

 腕時計も、スマホも無いのが面倒だな。時間を知りたいときは外の大時計を見ないといけない。


 もらった、規約を読んでいたらすぐに10分たってしまった。

 僕たちは、また受付に行き、タグと利用チケットを渡した。


 「お願いします。」

 「はい、承ります。緑の結界の中で利用ください。」

 ん? 緑の結界?

 3人で演習場に行くと、地面が緑になっている一角があった。

 「うん、緑の結界やな。」

 「緑の結界ね。」

 「本当に、緑なんだね。」


 僕は、結界に色が付けるなんて初めて知ったよ。


 「では、気を取り直して。見ててね。」

 僕は、今日習った事を見せたよ。

 わかばちゃんが、的を作ってくれたので、サンドカッターも披露した。

 2人がほめてくれたので気分よく終わろうとしたら、ふわまろが言ったよ。

 「で、壁は?」

 「やっぱり作らないとダメ?」

 「出来ることはわかったから、上手くいかない物を見せて。」

 わかばちゃんにまでお願いされてら見せないわけにはいかないよね。


 「土よ集え、グランドウォール。」

 地面がペリッてめくれて壁になったよ。厚さが5cmしかないけど。

 「うん、まー、見てくれより強度やな。」

 ふわまろが言いながら土壁を蹴ったら、崩れたよ。


 「あー。何でや?」

 そうだよね、普通穴が開くとかだよね、全体がくずれないよね。

 わかばちゃんが、あっという間に崩れて山になっている地面を平らにしたよ。


 「さ、最後に、ちびっ子いのに手本見せてもらえば?」

 「わかばちゃんは、土壁ってどう作るの?」

 「ん。」

 わかばちゃんが、サッて手をふったら立派な土壁が出来たよ。


 「わかばちゃん、どうやって作ったの?」

 「さって手を振ったらできた。」

 そうだったよね、2人から教えてもらうことが出来なかったから講習を受けに来たんだったよね。

 作った土壁をまた、サッと手を振って消したわかばちゃんが上級者なだけだよね。 

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