表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊武舞  作者: かなめ ちま
冒険者になろう
61/89

初級魔法講座:土魔法(実技)1

 映像を見る限り『サンド』は水魔法に近い気がする。


 僕は、これからの講義を想像しながら演習場に向かった。

 やっぱり、人が少ない。

 土魔法は、火魔法や水魔法より人気がないのかなぁ・・・。



「はい、では、今から土魔法の実技に入ります。最初に方法を説明しますので『では、始めてください。』と言うまでは、魔法を使わないようにお願いします。では、このボウルを1人1つづつ受け取ってから周りの人と間を開けてください。」


 水魔法で使ったサラダボウルみたいな入れ物を先生から受け取って、両手を広げて回ってもぶつからない場所へ移動した。


「では、魔力を人差し指に集めて、『砂よ集え、サンド』と唱えてください。魔法で作った砂は、ボウルで受け止めてください。『では、始めてください。』」


「砂よ集え、サンド」


 サラサラとボウルに砂が当たる音がする。

 よし、成功。


 あれ? 止める時はどうするの?

 水の時は蛇口を止める感じで止まったけど、砂ってどうやって止めるのぉ!


 僕は思わず、救いを求めてキョロキョロした。


 「ハル、そんなに砂を集めなくても大丈夫ですよ。」

 背後からサポーターの先生が声をかけてくれた。

 「止め方がわかりません。」

 ああ、とうとうボウルが砂に埋まった。


 「魔力の供給を辞めれば・・・、ハル、お昼に何を食べました?」

 「え? お昼ですか?」

 いきなり世間話を始める先生に、びっくりした僕は、質問を聞き返してしまった。

 でも、先生は笑顔で話し続けている。

 「ええ、今日のお昼ご飯のメニューを教えてください。」

 「パスタです。」

 あ、砂が止まった。


 「魔法は繊細です。このように気をそらすと発動しなくなります。止め方がわからなくなったら、集中を切らす、要は別の事を考えれば大丈夫です。」

 「ありがとうございました。」


 いやー、魔力切れまで砂を出し続けるのかと思ったよ。

 なんでだろう、土魔法って制御が難しい。


 「はい、砂が出た人は、あそこの砂置き場へ捨ててきてください。」

 先生が受講生に声をかけたとき、僕の周りの人たちはみんなボウルの中に砂が入っていた。


「では、魔力を掌に集めて、『石よ集え、ストーン』と唱えてください。魔法で作った石は、ボウルで受け止めてください。あくまでも手のひらからボウルへ石を入れる感じで呪文を唱えてくださいね。『では、始めてください。』」


 ああ、座学の映像にもあったな掌からボウルへ入れる感じね。


 「石よ集え、ストーン」

 カランカランカラン、という音とともにボウルの中へ小石が入る。

 よし、今度は止まった。


 「はい、石が出た人は、あそこの石置き場へ捨ててきてください。」

 先生が受講生に声をかけたとき、僕の周りの人たちはみんなボウルの中に石が入っていた。

 受講生は少ないけど、成功率が高い気がする。


「では、魔力を掌に集めて、『土よ集え、クレイ』と唱えてください。魔法で作った土は、ボウルで受け止めてください。あくまでも掌からボウルへ土を入れる感じで呪文を唱えてくださいね。『では、始めてください。』」

 

 「土よ集え、クレイ」

 ベッチャ。・・・やけに水分の多い土がボウルに落ちた。

 火魔法で乾かした方がいいのかな?

 僕はムニムニ土を触りながら考える。土というより粘土って感じ。

 昔家族で旅行に行ったとき、窯元の体験入学で作った湯呑の土と同じ感じだなぁ・・・。

 僕は、昔の旅行を思い出しながら粘土をムニムニしていた。


 「ハル? 何をやっているんですか?」

 ・・・僕は何をやっているんでしょうね? 手元の粘土は、雪だるまになっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ