定番じゃないの?
わかばちゃんの解説が終わり、店を出た。
「わかばちゃん、ありがとうね。とっても美味しかったよ。」
「え? まだお店はあるよ。」
お礼を言った僕に、わかばちゃんはキョトンとした顔をした。
もしかして、まだまだ食べるつもり・・・とか?
さりげなく、ふわまろを見たら、遠くを見ていた。
「お腹一杯で、宿の夕飯が食べれなくなるからまた、今度美味しいお店教えてね。」
「わかった。まだまだ一杯あるから一緒に行こうね。」
次の約束でご機嫌のわかばちゃん、よかった、ちょっと腹ごなしがてら歩かないと夕飯すら入らないよ。
でも、わかばちゃん、その小さな体のどこに食べ物が入るの? 精霊仕様?
「食べ物屋めぐりが終わったら、次どないする?」
ふわまろが、生き返ったかのように明るい笑顔で聞いてきた。
「うーん、道具を買いたいな。」
「道具?」
「そう。」
「ハル、料理するの?」
「料理じゃなくて、採取用のナイフとかビンとか買いたいし、小分け用の袋も買いたいな。」
「あと、武器とか防具とかも買いたいし。折角お金を稼いだからね。」
「駆け出しセットなら、冒険者ギルドでも売ってるで。」
え? そうなの? 知らなかった。
「まあ、防具は動きやすさ重視の布とか皮でいいんちゃう?」
「え? 布の防具なんてあるの?」
「あるけど、まあ、気休め?」
「気休めでいいやん、2人も護衛が付いてるもんなんやし。」
「あー、確かに2人居たらどっちかには、守ってもらえそうだね。」
「私だけでも大丈夫だけどね。」
うん、ありがとう、わかばちゃん。
でも3歳児に守ってもらうのってちょっと恥ずかしいよ。
「せやったら、雑貨屋と武器・防具屋やな。」
「あと、錬金術の道具も欲しいな。簡単なポーションなら自分で作った方が安上がりだし、売ったらおお小遣いにもなるしね。」
「ん? 冒険者やめて、錬金術師になるん?」
「え? ならないよ、採取で薬草を取って来て、自分で錬金すればスキルも上がるから良くない?」
「ハル、冒険者は錬金術師にはならないよ。」
へ? 何を言ってるの、わかばちゃん。序盤のお金稼ぎは薬草採取クエストや薬草からポーションを作って売るのが定番じゃないの?
・・・知らなかった。この世界では、錬金術師には簡単になれないんだって。
師匠に弟子入りして、何年も修行しないとなれないんだって。
師匠も簡単に見つからないんだって、同業者を増やしすぎると売り上げが落ちるから。
マジックバッグはあれ以上売ると目を付けられるって言うし・・・。
採取クエストだと、1日頑張らないと宿屋代にもならないよね?
討伐クエストは精神的にまだ無理だし・・・。
あれ? 序盤の金稼ぎってほぼほぼ無理じゃね?




