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精霊武舞  作者: かなめ ちま
冒険者になろう
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採取入門:ケロケロケロ

残酷描写と、食事中の方には不適切な表現があります。

後書きにあらすじを書いてます。

 僕は、検索を使って次々と鉱石を掘り当てた。まあ、途中で波動がわからなくなって、目をつむっていたら、わかばちゃんに笑われてしまったけど。

 「では、そろそろ採掘道具を返却してください。」

 僕とわかばちゃんは、道具を先生に返却した。


 「洞窟を出たところで、一度点呼しますね。」

 結構奥まで入り込んで居たようだ。入り口近くでは、ほとんど小石や石しか残っていないのかもしれない。


 洞窟から出てところで、点呼をした。全員居たのを確認した先生に受講生の1人が言った。

 「先生、別の鉱石が取れる崖はここから見えますか?」

 「はい、見ることはできますが、登山道の入り口がここからでは、遠回りになりますので登れませんよ。」

 「遠くから見るだけでも見たいのですが・・・。」

 「では、少し戻った方が見やすいので、戻りながら説明しますね。」

 「ありがとうございます。」 


 残念、別の鉱石も見たかったな。


 先生を先頭に、来た道を戻り始めた。


 しばらく道を戻ると先生が立ち止った。

 「右手に『青い花』が咲いています。群生していますので、1人1株づつ採取しますか?」

 行きは全然気が付かなかったけど、青い花が群生していた。

 「「「はい。」」」数人の受講生が頷いた。

 もちろん、僕も頷いたよ。

 採取した、『青い花』を検索したけど、群生地が近くにあるせいかうまくいかなかった。残念。


 また、しばらく歩いていたら先生が立ち止って振り返った。

 「ここからだと、崖が良く見えますよ。」

 別の鉱石が取れるという崖は洞窟の入り口がある手前の崖ではなくて、その奥の崖だった。

 「あの、木が生えているあたりから別の鉱石が取れだします。ただ、登山道に行くまでに魔物が出ますので、冒険者を雇うかある程度ランクを上げてから採取に行くようにしてください。」


 「では、戻りましょうか。」

 先生の台詞に僕たちはまた、道を戻り始めた。

 しばらく行くと、ふわまろが「あ!」と小さくつぶやいて先生の横に並んだ。

 「右側前方に3匹の反応があります。」

 「避けることはできませんか?」

 「下手したら後ろを取られるので、排除した方がええかと。この近くに他の反応はありまへんので。」

 「お任せします。」

 「ゆっくり来てください。」

 ・・・ふわまろ、言葉遣いが変じゃない?


 「思ったより順調に戻ってきているので、ちょっと道を外れますね。左側の木を良く見てください。『黄色い木の実』がなっているのがわかりますか? この木の実は完熟しても、黄色のままです。そのままでは食べませんが、薬の材料になります。」 


 先生が説明していると、ふわまろは前に1人で進み始めた。僕は好奇心に駆られて近くの木に登ってふわまろを目で追った。

 木登りはじーちゃんに鍛えられたからね。


 ふわまろは、道なき道を走っている。

 ふと見ると前方に何かいることに気が付いた。ゴブリンだ。

 3匹ってゴブリンの事だったんだと思ったとき、ふわまろの剣がゴブリンの喉を切り裂いた。

 真っ赤な血が噴き出るのを見て、足が震えた。


 「ハル、大丈夫? 顔色悪いよ。」

 気が付くと木から降りて、わかばちゃんの隣に立っていた。


 「ダイジョウブ。」

 僕はわかばちゃんを抱っこして、他の受講生達の後を歩き出した。


 気が付くと、ふわまろが後ろに居た。

 ふわまろには1滴の血も付いていなかったけど、なぜか鉄の匂いがした。


 「・・・うっ・・・。」僕はこみ上げるものを抑えられなかった。


 道から外れて、ケロケロしていると、わかばちゃんが水をくれた。

 「ハル・・・大丈夫?」 

 「どうしたん? 大丈夫か?」

 「どうして・・・。」

 「ん?」

 「どうして、血が出たの? 光になって消えなかったし。」

 「ああ、見てたんか。そりゃ、ダンジョンじゃないからやないの?」

 ん? ダンジョンじゃない?

 「宿に戻ったら説明するから待っててくれへん?」

 僕は頷いた。わかばちゃんの水はさっぱりして気持ち良かったから、さっきより大分ましになった。


 僕は、ケロケロした場所を消そうとして土魔法を使った。

 「土よ集え、アース。」

 指さした右手の上には、こんもりと土が乗っていた。

 うん、火魔法だと掌の上に集まったからね、水魔法をイメージしないとね。

 ケロケロした土が集まらなくて良かったと思おう。

 証拠隠滅はわかばちゃんがしてくれた。土魔法の初級講座も受けようと決心した。


 先生にはバレていたけど、他の受講生にはバレていないようだ。

 頑張って歩いていたら、お昼ご飯を食べていた広場に戻っていた。

 僕たちの班が一番最後だった。

 

 「はいでは、最後に点呼を取ります。それが終わったら町に帰りますので順番が来るまで、荷物をまとめていてください。」


 森から町への帰り道は何事も無かった。

 冒険者ギルドの前で、採取入門講座終了の話があって、木札を返したら解散になった。

 「採取した物も買取してますので、よろしかったらお売りください。」



 宿の部屋に戻ったら、ふわまろが聞いてきた。

 「ハルは魔物と戦ったことあるん?」

 「僕というより、わかばちゃんが戦っていたのを見たことがあるよ。」

 「『精霊の祠』で、精霊武舞してた。」

 「ああ・・・。あんな、ハル。精霊の祠はダンジョンと同じやねん。」

 「ん?」

 「ダンジョンで魔物を倒すと、ドロップ品と魔石になって、死体は消えるって知ってる? それな、ダンジョン以外では、起きへんねん。」


 な、なんですとぉぉぉ!!!!


 「普通は、死体は残るし、血も出る。討伐部位のために解体もするし。」


 無理、無理、無理・・・。現代日本人の軟弱者には無理です。

 僕が涙目になっていたので、ふわまろが頭をなでながら、

 「まあ、いきなり解体しいや、とか言わへんから、安心しいや。」

 とにっこり笑顔で言ってくれた。

 ごめん、ふわまろ、いきなりじゃなくても無理です。

洞窟からの帰り道にゴブリンをふわまろが排除する話。

ダンジョン以外で初の戦闘を見たハルがケロケロする話です。

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