採取入門:探索
薬草・木の実・鉱物の説明をそれぞれ受けた。
入門なのに、いきなり量が多くないですか? とか思ったけど、他の受講者は頷いたり、メモを取ったりしている。
「では、実際に採取してみましょう。色々なものを採取してもいいですし、薬草なら薬草を集めても大丈夫ですよ。不安になったら、確認してから採取しましょう。では、護衛の冒険者の指示に従って、班ごとに移動してください。」
「私は、イリーナと言います。本日の護衛です。では、呼び名と採取したい物の第1希望を順に教えてください。」
イリーナさんが、4班に向けて言った。
「じゃあ、僕から。ナルル、麻痺消しの木の実目当てだから、木の実を希望。」
イリーナさんの右側に居た、僕よりちょっと年上っぽい少年が言った。
「私は、ルセラ。薬草や、布を染める花や木の実を取りに来ました。」
その隣に居た、僕よりちょっと年下。
「私は、ラルナ。花を摘みに来ました。」
妹かな? ルセラの服を持っている少女が小さな声で話した。
「僕は、ハル。薬草もだけど、どっちかと言うと鉱物の方が興味あります。」
「私は、わかばちゃん。食べられる物を探しに来ました。」
え? そうだったの? わかばちゃん。
「そうですね、では、木の実をメインに薬草や花・鉱物など近くにあるものを採取すると致しましょう。」
イリーナさんの言葉に全員が頷いた。
「まず、足元を見てください。」
イリーナさんは、小冊子に載っていない足元の草を指さした。
「これは、いわゆる『雑草』と言われているものです。」
次に、小石と石、小枝と枝を手にして
「こちらが見たまま、小石、石、小枝、枝です。それぞれ錬金術の材料や、魔道具、家具などの材料になります。」
・・・。え? そこから?
「鉱山の中には、もっといろいろな鉱物がありますが、こういう小さい物でも多少の金額になります。何も採取できない場合、収納と体力に余裕があれば採取するとよいでしょう。」
そうか、単価は安くても必要とする人が居るってことね、確かに町中では、小枝とか枝は落ちてなかったな。
「では、移動しましょうか。あ、わかばちゃん、あそこにある赤い木の実は食べれますよ。そんなに美味しいと言うほどではありませんが、ちょっと酸っぱくて口の中がさっぱりします。」
わかばちゃんは、道からちょっと外れた場所にある、背の低い木の実を口に入れた。
「・・・すっぱい。」
「イリーナさん、この木の実の名前は何ですか?」
「『赤い木の実』ですね、ちなみに、木の名前は『コケモモ』です。採取依頼では、『赤い木の実』と依頼されます。コケモモ以外でも、赤色の木の実ならOKです。あ、それからハル、私の名前に敬称はいりませんよ。」
「はい、ありがとうございます。イリーナ。」
その他、採取依頼には、小枝や枝の依頼もあることがあり、その場合でもどの木の枝でもOKらしい。特定の木の枝が必要な場合は、『〇〇〇の枝』って固有名詞が表示されるんだって。
マジックバッグを持っている僕は、とりあえず目についた物を収納した。森まで1時間かかるからな、小枝とか枝とかが必要になった場合、わざわざここまで取りに来るのは面倒だ。
わかばちゃんは、甘い木の実を見つけてご機嫌だったし、麻痺消しの木の実も見つけた。
しかし、鉱物はこの森ではもっと奥まで行かないと種類がないらしい。
「はい、もうすぐお昼になるのでこの先の広場までちょっと急ぎますよ。」
2時間はあったはずなのに、色々見たり採取したりしてたから思ったより時間がかかったようだ。
集合場所は『竜の巣』という広場だった、昔ドラゴンが塒にしていたらしい。森の中にぽっかりと原っぱが出来ていた。
「はい、お疲れ様でした。午前中の採取はいかがでしたか? 午後からは目的別に班編成をします。」
なるほど、午前中みたいに1人だけ目当てが違うと不満が残るからな。僕も、折角森に来たのでもう少し鉱物を見てみたいし。
1班 鉱物、少し森の奥に入ります。
2班 薬草・色花 少し戻ると花畑があるらしい。
3班 木の実 食用
4班 木の実 錬金術用
5班 木の実 錬金術用
6班 町へ帰る
6班の町へ帰るって・・・。何でも午前中に必要な物を採取したり、疲れて帰りの体力不安から町へ帰りたい人が毎回一定数居るんだって。
木の実の班が多いのは、用途によって生えている木が違うからだそうだ。
僕はもちろん、1班に決めた。
わかばちゃんも少し迷っていたけど、1班にしたよ。




