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精霊武舞  作者: かなめ ちま
冒険者になろう
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お金を稼ぎたい

 屋台を冷かしながら、わかばちゃんお勧めを食べながら歩いていたら結構お腹が一杯になった。


 「そういえば、ふわまろはギルドで地図を貰っていたよね?」

 「ああ、冒険者には武器や防具、傷薬とかも必要やからな。」


 ああ、うん、そうだね。どうもまだ、僕の頭の中にはゲームっぽい感覚があるみたいだ。

 そうだよね、魔法すら勉強しないと全然使えなかったんだから、魔物と戦うにも色々準備が必要だね。


 「あーあ、僕は全然ダメだなぁ~。」

 思わずつぶやいてしまった。


 「ん? どないしたん、いきなり。」

 「一攫千金狙いも無理そうだし、冒険者で頑張ろうって思ったんだけど、全然現実が見えた無かったって話。」

 「もっと、見えてんへんのが居るけどな。」


 ふと、わかばちゃんを見ると、ふわまろの腕の中で眠っていた。

 3歳児と同じ歩幅だとかえって疲れるからって、ふわまろが抱っこしながら屋台を冷かしていて・・・、どうやらそのまま眠ってしまったようだ。


 「あはは、でも、わかばちゃんはイザ戦闘になると強いからね。せめて、自分の生活費ぐらいは稼ぎたいんだけどねぇ~。」


 「ああ、ハルならマジックバッグを作って売ったらすぐに生活費ぐらい稼げんで。」

 「本当?」

 「雑貨屋で巾着買って、マジックバッグに加工して魔道具屋に売ればそれなりに稼げんで。」


 思わず、目が爛々と輝いたみたいで、ふわまろが微妙に離れた。


 「雑貨屋ってどこ?」


 ふわまろに、案内してもらって近くの雑貨屋へ行った。


 「うわー、かわいい巾着が一杯あるね。」

 「かわいいもんばっか、選ぶなよ。」


 僕は、かわいい色とりどりの巾着5個と普通の茶色い巾着を5個買うことにした。


 「次は、馬車を見に行くで。」

 「馬車?」

 「荷馬車1台分ぐらいの大きさってわかるん? また、何とかダムとかはあかへんで。」


 う・・・。

 「馬車を見たら、こっちの原っぱで付与すんで。宿屋は魔法禁止やから。」


 え? 宿屋は魔法禁止なの?

 「魔法無効の結界はってあったやろ?」

 「全然気づきませんでした。」


 呆れるように言うふわまろに、正直に申告した。


 荷馬車は、簡単に言うと軽トラ1台分ぐらいだった。

 まあ、荷馬車といってもピンキリらしいけど、僕の頭の中では荷馬車=軽トラで、変換することにした。


 ふわまろに連れて来てもらった原っぱは、小川が流れていて芝生がきれいな小高い丘だった。


 「町の中にこんな素敵な場所があるなんてすごいね。」

 「ああ、ここは昔から家を建てるのが禁止されとんねん。」

 「なんで?」

 「避難所なんだと。」


 おお、広域避難所って事ですね。


 「ここら辺で、ええやろ。」


 ふわまろが周囲に結界を張った。

 講座で先生が張った結界に似た感じが僕をつつんだからわかったけど、ふわまろって無詠唱なんだね。


 僕は、巾着を1つ手に取って自分の手提げをマジックバッグにした時の感覚を思い出していた。


 中を軽トラ1台分ぐらい、むにぃ~って広げる感じ。


 「どうかな?」

 ふわまろに、巾着を渡して確認してもらう。


 「ええんちゃう。ほい、次。」


 僕は、次々と巾着をマジックバッグに改造した。

 8個目を改造した時に僕のお腹がぐーってなった。


 「今日は、ここまでにしとこか。」

 「まだ大丈夫だよ。」

 「魔力切れで倒れたら、誰が2人を運ぶねん。」

 「わかばちゃんも、魔力切れなの?」

 「いや、こいつはちゃうけど。マジックバッグ8個でも結構いい値で売れるで。」


 無理して迷惑かけるのも悪いしね、残ってるのは、かわいい巾着だから最後まで作りたかったけどあきらめよう。


 ふわまろに着いて、魔道具屋へ向かう。


 正直、雑貨屋と魔道具屋の違いは僕にはわからなかった。


 「ハルは顔に出るから、交渉は俺がやるよ。」


 「いらっしゃいませ。」

 「売りたいものがあるんやけど。今良い?」

 「はい、承ります。」


 「これやけど。」

 「これは、マジックバッグですか?」


 ふわまろは、巾着を1つ取り出して店員さんに渡した。


 「ああ、使用者制限はついてへん。容量は荷馬車1台分ってとこや。」

 「容量をチェックしても大丈夫ですか?」

 「ああ。」


 マジックバッグの容量チェックってどうするんだろうと思って見ていたら、店員さんはカウンターの後ろの棚からマジックバッグを取り出して、その中の干し草みたいな物を巾着に入れ始めた。


 「荷馬車1台分よりは、多いようですね・・・。これぐらいでいかがでしょう。」


 店員さんは紙に数字を書いて、ふわまろに見せている。

 「ちょっと安すぎへんか? これくらいやろ。」

 「うーん、それだと儲けがでませんので・・・。」

 「まだ、あるんやけど。」


 そう言いながらふわまろが、もう1つ巾着を見せた。今度も茶色い巾着袋だ。


 「2つでなら、これくらいで・・・。」

 店員さんは、新しい袋も容量チェックをした後に、数字を書き直した。

 ふわまろは「うーん。」と考えていたけど、頷いた。


 代金を受け取ったふわまろと一緒に店を出た。

 「詳しい話は、宿でな。」という、ふわまろに聞きたいことはたくさんあったけど我慢した。


 宿の部屋に入ったら、ふわまろが「ほい!」って小袋を渡してくれた。


 「え! 金貨じゃん。」

 小袋の中には、金貨が30枚入っていた。


 「大体1人が1か月働いて、金貨2~3枚って言ってなかったっけ?」

 「ああ、それくらいやな。」

 「マジックバッグ2つで年収なんて高くない?」

 「マジックバッグを作れるヤツは多くないねん。」

 「だから、2つしか売らなかったの? 10個も巾着買う必要なかったんじゃ・・・。」

 「いやー、ハルがマジックバッグを作るのに何個かは失敗するかと思って・・・。」


 さいですか。

 結果オーライでいっか。


 明日の「採集入門」講座が終わったら色々買い物に行こう。

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