初級魔法講座:水魔法(実技)2
「では、今度は『ウォーターボール』を作ります。ここからは、杖を使います。この縄の中に入って杖の上に、このボールぐらいの水の玉を作って維持してくださいね。」
そういうと、先生は、杖と縄のセットを受講生1人1人に配り始めた。
「縄は地面に置いて、中心に入ってください。一斉に結界を張りますので、中に入ったら中央から動かないでください。『ウォーターボール』は打ち出さずに、杖の上で固定してくださいね。」
「風よ集え、ウインドサークル。『水よ集え、ウォーターボール』と唱えてください。『では、始めてください。』」
先生が風の呪文を唱えたから、縄の上に空気の壁が出来た。マニュアル道理なのかな? 火魔法と同じだ。
大きさは、先生が持っているボールの大きさね。杖の上にボール1個分空けて、そこにボールを置く感じで、ここまではファイヤーと同じ。
僕は深呼吸をして、呪文を唱えた。
「水よ集え、ウォーターボール」
1回目で成功。ここまでは、大丈夫なんだよなぁ・・・。
他の受講生は、なぜかうまくいっていない? あっちこっちから、『うゎー』って声が聞こえて来た。
僕は1度水を消して、もう一度唱えてみる。
「水よ集え、ウォーターボール」
今度も成功。維持は大丈夫なんだよなぁ・・・。。
1班は、ウォーターを練習している。サポーターの先生が試験薬を持っているから、作成した『水』に何か問題でもあるのかな?
2班は、ウォーターボールだ。僕たちと同じく縄の結界の中に居る。20人弱。半分ぐらいしか成功していないみたい。すぐに形が崩れる人や上に上がってしまって、ずぶぬれになる人が思ったより多い。
3班も、20人弱。やっぱり、半分ぐらいは2班と同じ失敗をしている。
僕は逆に、打ち出すより維持の方が上手いくらいだ。
「では、一度結界を解きますので、指示に従って班を移動してください。」
「ウォーターボールを簡単に作れた人は、3班に行ってください。」と言う声が2班から聞こえた。
「ウォーターボールを作るのが難しいと感じた人は、2班に行ってください。」先生も言った。
「では3班は、4列に並んでください。並んだら、前から順にウォーターボールをあの的に向けて放ってください。」
ファイヤーボールほど危険性が無いという認識なのかな?
ここからが、僕にとっては難しいんだよね。
「ウォーターボールを作ったら杖で振りぬくように、あの的に向けて放ってください。『では、始めてください。』」
え? 振りぬくように? 確かに、そっちの方がイメージに近い気がする。
なんか、気のせいかファイヤーよりみんな上手な気がする。
何人かは、的まで届かない人も居るけど、その場合は先生が何か助言している。
一度魔法を使った人は、列の後ろに並び直している。
次は、僕の番だ。
「水よ集え、ウォーターボール」
ここまでは大丈夫、次はこれを振りぬく感じで杖を操る。
おおー! 最初っからうまくいった。水球は的にあたって、バシャってはじけた。
うまくいくと楽しいな。僕はまた列の最後に並んだ。
何回か的に向かってウォーターボールを放っているとだんだん人が増えてきた。
見ると、2班でコツをつかんだ受講生が3班に合流している。
ここら辺は、火魔法と違うんだななんて考えていたら僕の番が来た。
「水よ集え、ウォーターボール」で、振りぬく。良し!
他の受講生の中には、詠唱と同時に杖からウォーターボールを的に放っている人もいた。
あれ? あの人さっき、ウォーターボールを上にあげて、ずぶぬれになっていた人だ。
攻撃の方が得意って事か。
「では、ウォーターボールはこの列で最後にしましょう。」
先生とサポートの先生が列の最後に線を引く。
「最後に『ウォーターウォール』を作るので、このまま後ろに並んでくださいね。ウォーターウォールは『水の壁』なので、移動はさせません。」
先生が説明している間に、サポートの先生が縄を4本地面に置く。だんだん的に近づいていく感じに配置した。
「位置についたら自分のタイミングで、『水よ集え、ウォーターウォール』と唱えてください。次の人は、前の人の壁が消えたら詠唱を始めてください。『では、始めてください。』」
「水よ集え、ウォーターウォール」
「はい、上手にできています。幅はもう少し厚い方が良いでしょう。」
先生とサポートの先生は、順番に1人ずつにアドバイスをして、後ろに回るように言っていた。
そうこうするうちに、自分の番。移動させないのなら大丈夫なはず。
「では、次の人。」
「水よ集え、ウォーターウォール」
良しばっちり、縦3m、横6mぐらいの水の壁が出来た。
「はい、上手にできています。これなら実戦でも使用できるでしょう。あれ? 水が流れていませんか?」
すみません、先生。流れています。水は地面すれすれで、反対側を駆け上ってまた、手前から落ちてきてる。
「・・・。これは、ウォーターフォールですよね?」先生が首をかしげながらつぶやく。
はい、先生。その通りです。どうしてこうなるのかは僕にはわかりません。




