初級魔法講座:水魔法(座学)
「どうした? 変な顔してんで。」
「あ、ふわまろ。」
「ハル、頑張れ。」
「ありがとう、わかばちゃん。」
「うまくいかんかったんか?」
「一応、全部できたんだけど・・・。何か変だった。」
「変? 何が?」
「コントロールが下手って事だ思う。」
「それやったら、練習あるのみやな。」
「手伝ってあげるね。」
「ありがとう、ふわまろ。わかばちゃん。」
「次の講座まで時間あるやろ? 果実水でも飲んで気分変えへん?」
「そうだね。」
「ギルドのカフェの果実水がおすすめ。驚きの旨さ。」
「そうなんだ、わかばちゃんお勧めの果実水を飲んでみようかな?」
ギルドの1階は酒場ではなくて、カフェになっている。
酒場は一応隣の建物の中にあるけど、カウンターが中でつながっていて店員さんはカフェと酒場と共用って感じ。
僕は、ふわまろとわかばちゃんと一緒に、お勧めの果実水を飲んで気分転換をした。
「私は、セリナと申します。今日の水魔法の初級講座を担当します。」
今度はきちんと名前を聞いたよ。
受講生は火魔法の時とあまり変わっていない気がした。全員覚えているわけではないけどね。
「今から、呪文を黒板に書きますが、座学では魔力を込めたり、詠唱しないでくださいね。」
そう言って先生は、黒板に書き始めた。
<水よ集え>
・ウォーター
・ウォーターボール
・ウォーターウォール
と黒板には、書かれていた。
火魔法でうっかりさんが居たことが伝わっているのかな?
「水の魔法は、生活魔法としてとても便利なものなので、良く目にしたことがあると思います。また、攻撃魔法としても威力が強いので、慣れているからと言って油断しないでください。実際の魔力訓練は、演習場でします。後程映像でも流しますが、まずは座学でしっかり学んでください。」
そういいながら、先生は、黒板の半分に白い布をかけた。
「光よ集え、ライト」と言いながら、先生が窓のカーテンを閉め始めた。
おお! ライトの魔法だ。
「では、今から3つの初級魔法の映像を見せます。決して詠唱しないでくださいね。」
机の上に置いてあった水晶玉から光がでて、映像が黒板に掛けた白い布に映る。
ここらへんは、火魔法の講座と一緒だな。
最初に映ったのは、文字でやっぱり『静かに映像を見てください。』と書かれていた。
次に「ウォーター」の文字。
映像は、指先から水がでて、下の器にたまっている。
先生が解説を始めた。
「これが、『ウォーター』です。一般的には生活魔法と呼ばれ、飲み水やお風呂に使用します。」
次に「ウォーターボール」の文字。
映像は、手のひらの上で丸い水が浮かんでいた。炎と違い、真ん丸だ。
「これが、『ウォーターボール』です。一般的には攻撃魔法として知られています。」
次に「ウォーターウォール」の文字。
映像は、両手を突き出す感じで伸ばして、手の先に水の壁? が出来ていた。良く見えないけど向こう側がゆがんでいるから多分水の壁が出来ているんだと思う。
「これが、『ウォーターウォール』です。一般的には防御魔法として知られていますが、威力が強ければ立派な攻撃魔法になります。」
火魔法も水魔法も、威力が強いと攻撃魔法になるのね。
次に「取扱注意!」の文字。
ウォーターはコップに受けて飲もうとしている映像に、バッテンが付いた。
「ウォーターで出した水は、飲めるとは限りません。一度自分の魔法で出した水は、鑑定に出されることをお勧めします。尚、鑑定は冒険者ギルドでも受け付けております。」
え? 飲めないものもあるの? ああ、昔読んだ小説も、飲めるものと、飲めないものがあった気が・・・。
同じように、魔物も食べれるものと、食べれないものがあったので後で、ふわまろに確認してみよう。
食べ物関連なら、わかばちゃんの方が詳しいかな?
次は、大きなウォーターボールの上に寝転がっている映像。その後、なぜか水の中に落ちて、溺れてる!?
「このように、自分が作り出したウォーターボールで溺れるという事例が毎年報告されております。」とか、先生言っているし。
ウォーターウォールは、大きな壁が突然崩れたかと思ったら、魔術師が流されていった・・・。
魔術師って、うっかりさんが多い?
「このように、魔法は使い方を誤ると怪我をするので、十分に気を付けてくださいね。では、座学はここまでとします。」
先生はそう言いながら、教室のカーテンを開けて光を入れた。
「ちょっと休憩したら、演習場に集まってください。」
先生はとってもいい笑顔で言ってたけど、新人を脅かして楽しむのが流行ってるの?




