魔法が使いたい
「凄いね、ふわまろ。魔法を全然使っていないのに。」
「ああ、魔法を使ったら、職業『魔法剣士』になるからね。」
「夜は、宿で食事?」
「あーあー、僕も魔法が使いたいなぁ。」
「格闘技が使えるなら、職業『戦士』でも、ええんちゃう?」
「冒険者ギルドお勧め一覧にあった店でもいいよ。」
「やっぱり、学校に行かないと無理かなぁ・・・。」
「うーん、何で使えへんかわからんからなぁ・・・。」
「屋台で少し買ってから、宿で食べてもいいよ。」
わかばちゃん・・・。2~3歳児にしては、話すの上手だけど、内容が食べ物の事ばかりだよ。
「あの~。」
「あ、ごめんなさい。今どきます。」
うっかり僕たちは、受付で話続けていた。他の人は居なかったけど、どかないといけないよね。
「いえいえ、そうではなくて、当ギルドでも初心者のための講習を行っておりますので、よろしければこちらをお持ちになりますか?」
にっこり笑顔で受付のお姉さんが差し出した紙には、『初心者のための魔法講座』と書かれていた。
「本当に初歩的な魔法の使い方から、4大属性魔法の解説など、幅広い内容で講座を行っております。」
「わー、ありがとうございます。」
僕は、喜び勇んで受け取ったよ。正直、学園がどこにあるのかわかんないけど、歩いて行ける距離ではなさそうだったし。
「あ、ここら辺の地図とかありますか?」
「はい、この町の中の地図もありますし、この町付近の地図もありますよ。」
「ほな、この町付近の地図と学園がある町までの地図とかあります?」
「はい、こちらになります。」
僕たちは、講座一覧と地図を手に入れたので、宿に帰ることにした。
あ、途中の屋台で『串カツ』と『フルーツのシロップ付け』、『果物水』を買ったよ。
わかばちゃんは、とってもいい笑顔でお礼を言って、屋台のおじさんからおまけしてもらっていた。
夕食にはまだ早かったので、宿の部屋で講座一覧の用紙をみながら、ふわまろに相談。
「ふわまろ、どの講座から受けたほうが良いと思う?」
「せやなぁ・・・。」
「先にお祝いしたい。」
「ああ、ごめん。わかばちゃん。」
僕は、マジックバッグになった手提げから先ほど屋台で買った食べ物と飲み物を取り出して、机に並べた。
「では、ふわまろ。Cランク昇級おめでとう。」
「ありがとう。」
「めでたい。」
おお、わかばちゃんが一応お祝いしてる。・・・のかな? ふわまろ、そこは『おおきに』じゃないんだ。関西弁ってわけでもないのかなぁ・・・。
なんて考えていたら、自分の分を食べ終わったわかばちゃんに、
「ハルは、食べないの?」
と、聞かれてしまった。 串カツを一口わかばちゃんに、あげた以外は死守したよ。
「えっと、それでは、あらためて。どの講座を最初に受けたほうが良い?」
「せやなぁ・・・、やっぱり『魔法を使うために』の講座やない? 『最初に受けてください』と書いてあるし。」
「あ、本当だ。」
「講座費用も立替とくから、興味のあるもん全部受けたらええやん。」
「うーん、でもあんまり借りるのもなぁ・・・。」
「初期投資はしっかりした方がええって、ソータも言ってたで。」
そうなんだよなぁ・・・。
「お金なら、家1軒買えるぐらいはあるから、心配せえへんでええよ。」
ふわまろ、何気にお金持ち? Aランクパーティは伊達じゃないね。




