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精霊武舞  作者: かなめ ちま
冒険者になろう
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昇級試験

 「そういえば、ふわまろは昔冒険者じゃなかったっけ?」

 ピッツアを食べ終わった僕は、ジュースを飲みながらふわまろに聞いた。


 ちょっと真顔になった、ふわまろが言った。

 「100年近くたっとるから、おかしいやん。」


 「100年前の記録が残ってるなんだ凄いね。でも、どうして別人判定されたんだろう?」

 「こないなこともあろうかと、ちょっと細工しといたったからなぁ。」 


 いや、ふわまろ・・・。そんな素敵な笑顔で言い切ってもダメなことだよね?


 「前は、何ランクだったの?」

 「A。」


 「え?」

 「だから、Aランク。」


 「えー!!」

 「ソータと調子に乗って、いろいろ遊んどったら、いつのまにか成っとった。」


 「そういえば、精霊なのに、魔法使いじゃなくて、剣士なんだね。」

 「ああ、昔は魔法が嫌いやったから。」


 「二つ名まであるなんて。」

 「俺だけやないねん、ソータも『神速のソータ』やったし。」


 「なんか、色々昔話を聞くと楽しそうだね。」

 「これから、楽しいことするやん。」


 そういえば、わかばちゃんは・・・。ニコニコ笑顔でティラミスを食べていた。

 ふわまろと喧嘩しなくなったのは良いけど、なんか寂しい。


 「それから、あんまり俺が精霊だってこと、外で話さんといて。」

 「あ、ごめん。」

 「今は、結界張ってあるから大丈夫やけどね。」


 い、いつの間に。もしかして、ふわまろって結構優秀?

 僕がうっかりしてるのかも・・・。


 「そういえば、スキルって全然わからなかったね。タグに書いてなかったし。」

 「『鑑定』のスキルも魔法の一種やからなぁ・・・。」


 『冒険者の心得』という小冊子をペラペラめくっていたふわまろが、突然手を止めて僕に冊子を差し出した。


 「ハル、これなんて良いんちゃう?」


 ふわまろが、指差した先にあった文字は、


 『王立冒険者学園 学園案内』


 と書いてあった。


 ふわまろから、借りて内容を読むと。冒険者に必要な事を教えてくれる学校らしい。


 しかも学費は後払い、冒険者の報酬の数パーセントをギルドが徴収して支払うらしい。


 「おお、貧乏人に優しいシステムだ。」


 思わず、詳しい内容を呼んでしまった。


 「ハル、まだ行かなくて大丈夫なの?」


 わかばちゃんに声をかけられて、自分が集中していたことに気付いた。


 「早目にギルドに戻るか。」


 「ありがとう、わかばちゃん。ごめん、ふわまろ。」


 わかばちゃんにお礼を言って、ふわまろに小冊子を返した。



 試験会場は、ギルドの裏側。


 試験内容は、剣士なら木刀での模擬戦。


 準備の出来た者から、手をあげて名前をつげ、試験管が開始の合図をしたら始めるというものだった。


 「そういえば、ふわまろって強いの?」


 「普通の人には、負けへん。」


 ふわまろは、軽く手足を伸ばしたり、ジャンプしたりしていたが、おもむろに言った。


 「ほんなら、ぼちぼち行くわ。」

 

 あれ? トップバッター?


 「ふわまろ、片手剣です。」


 「はい、木刀を選んでください。」


 「これで。」


 「では、これより模擬戦を始めます。剣の腕を見るだけなので身体強化以外の攻撃魔法は禁止とさせていただきます。」


 ふわまろは、笑顔でうなずいている。


 対するギルドの相手は、ごっついおじさん。


 なんか、魔法がないと瞬殺されそうなんだけど。身長も2m超していそうだな。


 何か、見ていられないかも。


 急に落ち着きが無くなった僕に対して、わかばちゃんがポテトチップスを食べながら言った。


 「相手のおじさん、強いね。毛玉も気付いてるけど。」

 「見るからに強そうだものね。」

 「うん、魔力が体全体に均一に広がってる。」

 「・・・わかばちゃん、目が良いね。」 


 魔力なんて見えるんだ。・・・というか、わかばちゃん、そのポテトチップスどうしたの?


 「では、準備はよろしいですか? ・・・・・。始め。」


 カーン。


 開始の合図と同時に、おじさんの持っている木刀が空へとはじかれた。


 ふわまろは、剣を切っ先をおじさんの喉元に当てている。


 何が起きたのかわからなかった。というか、全然見えなかった。


 「はい、そこまで。」


 ギルドの試験管さんの冷静な声で、試験が終了したのがわかったけど。


 ふわまろは、笑顔でごっついおじさんと握手している。


 その後、試験管さんから、声を掛けられていた。


 「なにが、なにやら・・・。試験管さんなんて?」


 「剣を弾き飛ばして、寸止め。試験管は、あと3人剣技を見たら、ランクを発表するって。」


 全員終了してからより良かったけど、ちょっと時間がかかるみたい。


 2人目は、ふわまろより年上の高校生って感じの男子だった。


 まだ戦っている。おじさんは、余裕だけど相手の技量を見るために、攻撃はしていない。


 あ、試験管さんがおじさんに何か合図をした。


 おじさんが攻撃を始めた、1撃目は防がれたけど、2撃目で剣を弾き飛ばした。


 おじさんは、弱いわけではないみたい。


 3人目は、ピカピカの鎧を着た騎士って感じの人だった。


 弱かった。格好は決まっていたんだけどね、ふわまろ曰く

「形はなかなかいいけど、実戦向きやない。」そうだ。


 4人目は、女の人だった。なかなか決着がつかなかった。

 おじさんの攻撃をかわし続けていると、試験管さんが終了の合図をした。


 「うーん、可もなく、不可もなくって感じやな。」


 5人目は、ふわまろと同じぐらいの男子だった。


 「そういえば、発表ってどこでやってるの?」

 「ああ、受付でタグを出してくださいやて。」


 「わかばちゃん、受付に行こうか?」

 「もう少し見てる。」

 「ふわまろどうする?」

 「次で、剣士は最後みたいやな、もうちょっとならええよ。」


 6人目は、大学生ぐらいのお兄さんだった。


 剣のぶつかる音が激しかったけど、ごっついおじさんの方が強かった。



 一通り見て、3人で受付に行った。


 「おめでとうございます。昇級試験に合格しました。」


 「ふわまろ、何ランクになったの?」

 「ああ、『Cランク』やて。」

 「今日は、お祝いだね。毛玉の奢りで。」


 あー、圧勝だったからかな? すごいね、いきなり『Cランクですか。』

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