冒険者になりました
さっき文字が良く読めなかったのは、目の疲れではなかったのね。
まあ、描くのは慣れあるだろうから、仕方がないのかもしれない。
ほぼほぼ空欄の登録書を持って、僕たちはさっきの受付のお姉さんの列に並び直した。
登録料は、ふわまろに借りるとして・・・。問題は『血』。痛いのは嫌だなぁ~。
なんて、ちょっとビクビクしてしまったのは、しょうがないよね。
僕たちの番が来たとき、思わず深呼吸をしてしまった。
受付のお姉さんは、金属プレートを取り出して、
「この真ん中に1滴血液を落としてください。」
と、にっこり笑顔で言った。
「ど、どうやって?」
おろおろしてしまった僕。
「指先でも、耳でもどっちでもええよ。」
ふわまろの言葉に、わかばちゃんが髪を耳に掛けた。
ふわまろが、わかばちゃんの耳にプチって・・・。
わかばちゃんて、意外と度胸があるのね。
金属プレートの真ん中に1滴たらしたら、受付のお姉さんがそのプレートをパキって真っ二つにした。
目を見開く僕に、やさしく微笑んで、
「半分はギルドで管理しますからね。」
と、言ったけど。僕の頭の中は???状態。
お姉さんは、半分のプレートを何かの機械に入れながら、
「以前の登録は無いようですので、新規登録しますね。はい、このプレートが、わかばちゃんさんのタグになります。再発行は別途料金がかかりますのでお気を付けください。ギルドの説明につきましては、3人登録後に致しますね。」
気が付くと、ふわまろもプレートの真ん中に血液を落としてた。
お姉さんがやっぱり、パキって真っ二つにしたプレートを機械に入れた。
「あれ? 以前に冒険者登録をなさったことは御座いませんか?」
そういえば、ふわまろはソータとパーティを組んでいたんじゃなかったっけ?
思わず、ふわまろを見ると本人は満面の笑みで言い切った。
「ああ、それは多分じーちゃんです。」
え!? 驚いている僕を無視して、ふわまろはウエストポーチから認証タグを取り出した。
「これが、じーちゃんのタグです。」
「お預かりいたします。」
お姉さんは、ふわまろの前のタグを機械に入れて何か操作した。
「まあ、おじい様は『蒼炎のライ』様だったのですね。申し訳ございません。別人であることを確認いたしました。」
誰? それ・・・。
「ほら」
うぎゃー、ぼーっとしている間に、ふわまろが僕の耳をプチっとな、ってした。
「うー。」
心の準備が・・・。まあ、でも、思ったより痛くなかったからいいか。
「ハルさんも、新規でのご登録ありがとうございます。では、冒険者ギルドのご説明を致します。2階に上がってお待ちください。」
説明は、登録者が多い場合は2階の会議室で行うらしい。
お姉さんが教えてくれた事は、
1.冒険者にはランクがあって、H~Sランクまである
2.Hランクは、6歳以下でなんと、赤ちゃんでも登録できるらしい
わかばちゃんは、Hランク
3.Gランクは、10歳以下で冒険者見習い扱い。
僕は、Gランクだった。10歳は越えているのに。年齢は目安で絶対ではないそうだ。
4.G~Cランクはギルドポイントを貯めると昇級する。
5.Bランク以上は、昇級試験がある。
6.新規登録時に昇級試験を受けると、E~Cランクから始めることが可能。
7.各ランク毎に年間必要ポイントがあって、ポイントが足りないと追徴金を払わないといけない。
高ランク冒険者は、気に入らない依頼は受けずに追徴金を支払うんだって。
8.失効後1年以内なら、追試と手数料で復活可能。1ランクダウンするけどね。
9.冒険者ギルドでは、冒険から採取・護衛・雑用など様々な依頼がある。
冒険者ギルドの名称変更の議論は何回かでたらしいけど、国際機関なので大変らしい。
あとは、『冒険者の心得』という小冊子と、冒険者ギルド付近のお勧めのお宿・食事処一覧を貰った。
ふわまろは、Eランクだったけど職業が『剣士』だったので、午後からの昇級試験を受ける事にした。
あんまりレベルが低い3人だと、移動が制限される恐れがあるそうだ。
僕は今、お勧めのお宿・食事処一覧から選んだパスタ屋さんで、マルガリータを食べている。
なんでも、過去の迷い人がやり始めた店だそうだ。
異世界で、美味しいマルガリータピッツアを食べれるなんて、過去の迷い人さんありがとう。
冒険者ギルドで購入した皮ひもに通した、認証タグを見ながらおいしいピッツアを食べるなんて最高!!




