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精霊武舞  作者: かなめ ちま
目を開けたら異世界でした
3/89

緑色の小さき者

 相手はまだ僕に気付いていないようだ。

 息をひそめながら観察してみる。

 掌に乗るぐらいの、いわゆる妖精とか精霊とかいう感じ。

 枝?木の棒?みたいな物の周りを踊りならがら回っている。


 ..........。かわいい。

 幼稚園の時に流行った、日曜日の朝のテレビ番組に出てきた妖精みたいだ。

 緑色の葉っぱのようなワンピース。

 茶色の髪の毛がふんわり肩にかかって、それがぴょんぴょん跳ねるように踊っているから。

 ふんわり、ふわりって感じ。

 なんて名前だったっけ?

 主人公の女の子を助ける・・・・・。

 「若葉ちゃん?」


 あれ?これは主人公の名前だったっけ?

 う~ん、かなりお気に入りで毎週見てたんだけどなぁ・・・。

 何かヒントになりそうなものはないかと、もう一度妖精さんをよく見てみる。


 あっと、妖精さんも僕を見てない?

 うんと、もしかしなくても声に出していたっけ?

 えっと、ここはフレンドリーに・・・。


 「僕はハル、妖精さんのお名前はなんですか?」右手を差し出しながら、受験のいわゆる面接スマイルを浮かべながら話しかけた。


 妖精さんは、僕を見ていた。.......まだ、見ている。...........まだまだ、見ている。どうしよう。


 あ、木の枝が武器に見えて怖いとか?

 とりあえず、枝を足元に置いてみる。


 あ、動いた。首をコテンと傾ける妖精さん。.....かわいい。

 実は何を隠そう僕はかわいいものが好き。ほわぁと見とれていると、妖精さんが僕の方へ動き出した。


 ふわーっと浮かび上がり、僕の方へふよふよふよ、と飛んできた。

 うん、遅い。けど・・・・・かわいい。妖精さん、羽があったんだね。今気づいたよ。

 

 かなり遅いけど、かわいいから時間なんて気にならないや。

 なんて思っていたら、妖精さんが僕の右手にたどり着いた。


 僕の人差し指を両手でつかんで、何をするんだろうと見ていたら、なんと、口づけ!!!!!

 わー、わー、わー、俗にいう『騎士様』がお姫様にするような感じ!? 


 頭が真っ白で、内心パニックになっていたら、ピリッてして指から血が出ていた。

 あ、傷口が開いちゃった。


 なんて思っていたら、温かい光がぽわーって光って、光が収まったら傷が無くなっていた。

 「若葉ちゃん、すごい!」


 「ワタシ ナマエ わかばちゃん」


 あ、妖精さんがしゃべった。

 う、かわいい。

 おー、日本語しゃべってる。


 僕はもう一度、名前を言った。

 「僕は、ハル。よろしくね。わかばちゃん」


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