武器作成
ごっくん。
・・・何か飲み込んじゃったよ。
「わー、飲み込んじゃったよ!! ふわまろ、今の何?」
「暖かいモノ。」
ニヤリと笑う、ふわまろ。いたずらが成功した小さい子がドヤ顔してる。
「冒険者の俺とは違って、ハルはひ弱だから保険かけたるねん。」
「ふわまろは、森の外に行ったことがあるんだよね?」
「おお、ソータと一緒に冒険者ギルドに登録してんねん。」
ふふ、やっぱりあるんだ。『冒険者ギルド』。
「定番だからねぇ。」
にまにましながら思わず僕はつぶやいてしまった。
「てか、精霊も冒険者登録するんだ。」
なんか、エルフ族とかならわかるけど、精霊も冒険者ギルドに登録するとは思わなかったよ。
「ん、別に認識タグに『種族』の記載は無いねん。」
「ギルドカードじゃなくて、認識タグなの?」
定番だとギルドカードだよねぇ? あ、認識タグの世界もあったか・・・。
「ハル、前と同じ家でいい?」
「わかばちゃん、ありがとう。洞窟にそのまま眠るのは抵抗があるからね。」
「そういえば、わかばちゃんは苗木を植えるのに、精霊武舞を使わなかったけど大丈夫だった?」
「大丈夫だよ。2年間は1人だったけど、植えてたし。」
いけない、いけない。折角わかばちゃんと再会したのに、ふわまろとばかり話してる。
「なんや、まだ植林してたんかいな。」
「毛玉と違って、まだ若いから。」
うわー、また始まった・・・。
「そういえば、ここの脇道から迷い人の里へ出れるんだっけ?」
とりあえず、話題を変えよう。
「ああ、なんでも『手に入れたものを全て捧げる』と里へ帰れるらしいねん。」
「なんか、条件が曖昧だなぁ。」
『手に入れたもの全て』って何?
帰れないときは、どうしても脇道の先へ進めなかったんだよね。
それから『迷い人の里』から、この世界へ来るには脇道からではダメだったんだよね・・・。
一方通行なのかな?
と、いけない・・・また、わかばちゃんを1人にしちゃった。
あわてて、わかばちゃんを見ると・・・。
「ふわぁぁ~。」
大きな欠伸をした、わかばちゃんが居た。
「わかばちゃん、ちょっと早いけど、もう休む?」
「ハルの夕飯を食べてからにする。」
わかばちゃん、キメ顔で言っても内容が残念だよ。
僕は、リュックの中から菓子パンを取り出して、土の机の上に置いた。
なんと、巨大な葉っぱがテーブルクロスの様に、机の上にかかってた。
わかばちゃん、成長したね。
「ハル、寝る前に俺の武器作成まかせた。」
ふわまろ、いくらなんでも真っ暗な洞窟の中では武器は作れないよ。
「ふわまろ、武器作成は明るくなってからね。」
「ほい、明るくなった。」
ふわまろが、いきなり火の玉を出した。
うん、明るくなったね。
「いや、そうじゃなくて、明日の朝って、つもりだったんだけど。」
仕方がない、ふわまろ師匠にはいろいろ教えてもらってるし作るか。
僕はリュックの中からふわまろの木から貰った枝を小刀で削り始めた。
なんか、しっくりこない気がして、もう1本削った。
2本の棍棒をふわまろに見せる。
「こっちは、ここをもう少し削って・・・。こっちのは、この角がもっとなだらかな方が好みやねん。」
結構細かい。僕はふわまろに言われたとおりに枝を削った。
なんか、同じようなのが2本できた。あれ?
「おー! 二刀流かいな。ええやん。」
ご満悦なふわまろに、1本は予備だと言い出せなくなった。
今日はもう寝よう。わかばちゃんの葉っぱのベッドはやっぱり寝心地が良くてすぐに眠気が訪れた。
「あ、ふわまろ、もう眠るから火を消してね。」




