振出しに戻る
ちょっと開けた場所まで戻ると、確かに日が傾きかけているのがわかった。
「森の中に居ると、時間の感覚がわからなくなるね。」
僕が苦笑しながら言うと、ふわまろ答えた。
「ああ、この森は時間と場所の感覚がおかしくなるねん。」
どういう事?
「『精霊の森』が、町から近くて普通の森なら冒険者が多くてうっとうしいやん。」
「・・・。えーと、『精霊の森』って町の近くに作らなければいいんじゃないの?」
「作ってないよ。この辺は草原だったやん。」
いえ、ふわまろ、そんなさも当たり前って顔で言われても、僕が来た時からここは森だったし。
「あ、ちょっと寄り道したいねんて。」
ふわまろが『精霊の祠』へ戻る途中で、唐突に進路変更を申し出た。
そこには、僕1人では抱えきれないほど幹が大きい木があった。
ふわまろが、両手を差し出すと言った。
「ハル、真似してみて。」
「こう?」僕は、ふわまろの真似をして両手を差し出した。
パラ、パラ、バッサ、ッバッサ!!!
「わー!!」思わず叫んでしまったけど仕方がないと思う。
だって、風もないのに小枝や葉っぱが落ちてきたんだもの。
掌を見ると、小枝が3本と葉っぱが数枚乗っていた。
「おー! 結構残ったやん。」
うれしそうに話すふわまろに、思わずとびっきりの笑顔で聞いちゃったよ。
「これは、何かな? ふわまろ・・・。」
「ああ、俺の木やねん。ちょうど近くまで来たから、これで俺の武器でも作ってもらおうと思ったん。」
とりあえず、小枝と葉っぱをリュックにしまって精霊の祠に急いだ。
なんか、急に寒くなってきたから。
まだ、明るいうちに精霊の祠には、たどり着いた。
「うー! 寒い!!」
「ハル、口開けて!」
ふわまろの台詞に、思わず口を開けると暖かいモノが口の中に入ってきた。




