中の人
わー、ふわまろが小さくなっちゃった。
「ふわまろ、大丈夫?」
「ん? 何が?」
「こんな手首に巻きつけるぐらい小さくなっちゃって・・・。中の人は大丈夫かなって。」
「・・・。中の人って何やねん。」
「そういえば、ふわまろが『精霊武装』したら、杖の形がまた変わるのかなぁ?」
「いや、俺は杖ではなくて別のもんにするよ。」
「あ、1つの武器に1人の精霊しかダメとか?」
「そうや、ないけど・・・。精霊にも拘りちゅうもんがあるん。」
「ふわまろの中の人は、このもふもふが好きってことね。」
「だから、中の人って何やねん。」
「ふわまろは、このもふもふから出れないの? 半透明とかでもいいけど。」
「別に・・・。まあ、出てもいっか。」
ふわまろは、何かを考え込んでいたようだったけど、自問自答したようだ。
もふもふ腕輪がちょっと光ったと思ったら、目の前に見知らぬ精霊が居た。
・・・・。だれ? このイケメン!
目の前には、手のひらに乗るぐらいのサイズだったけど。
オレンジのさらっさらの髪をした、翡翠色の瞳のかっこいい、精霊が居た。
「誰?」
「おい、ハルの目は節穴か。」
ごめん、ふわまろ・・・。何故かもふもふ毛玉が本体のように感じていたよ。
「自分が見たいっていうから、姿を現したのに・・・。何ゆうとんねん。」
うん、声も口調もふわまろだね。
「・・・。もふもふ感がない!!!」
「俺の本質は、『もふもふ』やない!」
「あれ? もしかしてふわまろは、男の子?」
「ああ、成人してるからな。」
「ふわまろは、どうして、ゆるキャラっぽい格好してたの?」
「『ゆるキャラ』がなんや、知らんけど。そのもふもふん中に居たのは、面倒だったからやねん。」
「面倒?」
「ハルや若い葉っぱは知らんと思うけど、俺は結構有名なんや。」
「有名だと、面倒なの?」
「契約依頼が殺到するやん? 断るのが面倒。」
・・・。もしかして、ふわまろは結構すごいの?
「それはそうと、ハル。もう結構時間が経ってるから、いったん精霊の祠に戻った方がいいんとちゃうん?」
「え? 精霊の祠から離れすぎると何か不都合があるの?」
「いや、森ん中で、夜が更けると。魔獣や野生生物の的になるやん?」
・・・。イヤ、初耳ですよ。ふわまろさん。




