迷い人
「そういえば、同じ迷い人って良く来るの?」
「ソータは何回も来ていたなぁ。」
「ソータ? 僕の前に来てた人?」
「ああ、ハルの前の迷い人やねん。」
「その人は、この世界と元の世界を自由に行き来できたの!?」
「精霊の祠に、通れない通路があったやろ? そこから良く出入りしとったわ。」
「ああ、あの迷い人の里につながっているという・・・。」
「んーなんや、色々調べてノートに書いとったわ。」
「そういえば、最初全然通れなかったのに、気が付いたら通り抜けれてたんだよね。ふわまろはどうしてだか知ってる?」
「ソータが言うには、この世界のモノをもって迷い人の里には戻れんって。」
「あれ? 何も持ってなかったと思うけど・・・。」
「杖を持ってたやろ。」
「ああ、わかばちゃんを精霊武装した枝。」
「精霊も、『この世界のモノ』やから。」
あー、なるほど。
飽きたのか、わかばちゃんは会話にも加わらず何かしている。
「わかばちゃん、何してるの?」
「新たに木を育てるのに適している場所を探しているの。」
「ん? 木を沢山植えるの?」
「ハルは本当になんも知らんのやなぁ。」
「あのね、ハル、木を沢山植えたほうが、力が強くなるのよ。」
この世界の事もだけど、精霊についても知らないことが多いみたい。
「ああ、そうだ。ハル今度来るとき、『アイスクリーム』持って来て。」
「え!? ふわまろ、アイスクリーム知ってるの?」
「ああ、『ショートケーキ』も知ってるで。」
「というか、持ってこれるの?」
「迷い人の里から持ってこれんのは、『精密機器』って言うやつやねん。」
「精密機器を知ってるの?」
「ソータに教えてもらった。」
その、『ソータ』って何者?
あー、スマホ!
なんか、知らないことだらけだ・・・。
『知らないなら、知ればいい。』じーちゃんの声が聞こえた気がした。




