トンネルを抜けると、そこは・・・
正確には天井じゃない、洞窟? 結構な高さがあるぞ、あそこから落ちたのかなぁ。落ち葉のクッション万歳。
あれ、でも落ち葉がなければ、すべり落ちなかったか...。
途中で怖さのあまり、目を瞑ってしまったのでここがどこか、わからない。
わからないが、いつまでも寝転んでいる場合じゃないので、とりあえず上半身を起こしてみた。
頭は怪我してない、手足・・・今のところ、手にかすり傷のみ。
立ち上がって・・・。めまいも感じないし、捻挫や骨折っぽくもない。
よし、身体の異常は感じられない。
次は、記憶の確認。
僕は、ハル。
両親と兄・弟が居る。
日本の真ん中ぐらいにある都会に住んでいる。
昨日、ばーちゃん家にやってきた。
受験が終わって、入学前登校日まで10日以上ある。
よし、記憶の異常も感じられない。
どれくらい気を失っていたのか確認しよう。
腕を見る................。 うん、腕時計は置いてきたね。
パーカーのポケットを探ってみる......。 うん、スマホも置いてきたね。
頭を抱えてうずくまってみる.................。 うん、何も解決しないね。
現状確認
1.けがはしていないもよう
2.記憶障害もないもよう
3.リュックは無くしていないので、水とお菓子はある
4.落ちてきた穴からは戻れない
5.そんなに大きな山ではない
6.熊や猪、猿などの野生動物はいない
7.広場?みたいな場所だけど落ち葉と枝以外、何もない
よし、とりあえず移動しよう。
一緒に落ちてきたらしき、枝を拾って歩き出した。
落ち葉の下は崖でした。とか、しゃれになんないしね☆
前を見ると天井が低くて薄暗いトンネルみたいな場所。
でも、その向こうは明るくなっているみたいだ。
枝で地面をつんつんしながら歩く。
薄暗いトンネルは短くはないけど、そこまで長いわけじゃない。
奥の方が明るいから出口まですぐそこらしい。
外に出たらここがどこかわかるかなぁ。なんて思っていました。
うん、まだ目が覚めていないか、ここが日本じゃないことは分かった。
トンネルの先の明るい場所には、小さい緑色のものが居ました。