ダンスレッスン?
「あれ? 2人ともどうしてここに?」
たしか昨日、もっと下に他の精霊を探しに行くって言ってなかったけ?
不思議に思い、尋ねた。
「気に入った、精霊が居なかっただけだ。」
「精霊どころか、モンスターすらいなかったんですよ。」
僕の疑問に、答えてくれたロイとセイ。
あれ? でも、なんか違和感が・・・。
「前回の失敗を踏まえて、今回はしっかり準備してきたぞ。」
準備? 相変わらずの偉そうな態度。ロイらしいね。
「ハル。とりあえず、見てもらえませんか?」
セイも相変わらず丁寧だね・・・。あれ? セイ髪の毛伸びてない?
わけがわからないながらも、うなずこうとして・・・。ここが4階だということを思い出した。
「3階でなら、見てもいいよ。」
ここは、ヤツが居るからね。ヤツが・・・。
顔をしかめるロイを遮るように、珍しくセイが言った。
「もちろん、3階で大丈夫ですよ。ありがとうございます。ハル」
《わかばちゃん、ヤツの気配は?》
《・・・。》
《わかばちゃん?》
《ここからだと、次の階段までは出会わない場所にしか居ない。》
《ありがとう、わかばちゃん。》
昨日のロイの態度に怒っていたからなぁ・・・。
でも、弟より小さい子のお願いを無碍に断るのも・・・。
あー、でも、わかばちゃんの事を考えたら断った方がよかったかなぁ・・・。
走りながら、ぐだぐだ考える。後ろを振り返るとちゃんと、ロイとセイが付いて来ていた。
《ハル、次の角を右に曲がったら、階段が見えてくるよ。》
《ありがとう。わかばちゃん。》
その後は、無事遭遇することもなく3階へたどり着いた。
「で、ロイとセイは何を僕に見せたいの?」
「・・・。」
「私が最初に歌い始めますからね。ロイ? 準備は大丈夫ですか?」
「ああ・・・。」
何か2人ともちょっと緊張しているみたい。
セイは手に持っていた弓をバッグにしまい、深呼吸をして、歌いだした。きれいなソプラノだ。
??? いきなり発表会?
訳がわからず、驚いている僕。
杖から淡い光がもれた。
あれ? わかばちゃん、嬉しそう。
セイが歌いながら、ロイに向き合った。
次の瞬間、2人は踊りだした。
えーっと? セイは歌いながら踊る、ロイも時々ハモリながら踊る。
なんか、お姫様と王子様の舞踏会って感じだなぁ・・・。
ダンジョンの中(いつモンスターがでるかわからない。)で、優雅に踊る2人。
セイの歌が終わると同時に、ダンスも終わったようだ。
おもわず、拍手をする。
《きれいな歌声だけど、緊張しすぎ。笑顔が引きつってるし。》
わかばちゃんの駄目出し・・・。これって、伝えたほうが良いよね。
たぶん2人は精霊目線のアドバイスが欲しいんだよね?
「セイの歌声はきれいだね。2人の息はあっていたけど、緊張しちゃったのかな? 笑顔が少なかったよ。」
「お前は、相変わらず、容赦ないな。」
「精霊の前で踊ったのが初めてだったからでしょうか?」
「お前の、契約の条件は?」
ロイが上から目線で聞いてきた。
おーい、仮にも年上にその口調は無いんじゃない?
苦笑いしながら、でも、きっぱりと。
「契約する気はないよ。じゃあ、僕急いでるから。」
ふわまろを探さないといけないからね。
《わかばちゃん、階段への最短距離を教えて。モンスターが出てもいいから。》
《了解! 最初の角を右に曲がって。》
ロイがまだ何か言っていたけど、聞き流して僕は走り出した。
最初のうち、2人はついてきたけど何回か角を曲がっているうちに姿が見えなくなった。
途中で出てきたモンスターは、精霊武装でわかばちゃんが瞬殺したよ。
なんか、わかばちゃん、リボンの使い方がうまくなってない?




