半分
《今日はいろいろあって、疲れたぁ・・・。》
《私は、思い通りに木が成長してうれしかったわ。》
《うーん、精霊武装していると、会話がスムーズだけど、姿が見れないのが寂しいなぁ。》
《半分だけ出れるよ。》
半分? 上半身だけのわかばちゃんを想像して、思わず笑ってしまった。
《ハル 何か変な事考えてない?》
《ごめん、ごめん。半分って?》
《杖に力を半分残して、姿を現すの。》
《出来るのなら見てみたい。》
ちょっと、杖が光ったと思ったら、半透明のわかばちゃんが目の前に現れた。
「わー、本当に杖のままで、姿が見える。」
「これなら、寂しくないでしょ?」
わかばちゃんが、胸を張って笑顔で答える。ちょっとお姉ちゃん口調でかわいい。
あー、会話もスムーズ。
「最初から、半分にしてれば良くない?」
「最初は、無理よ。力の使い方に慣れてないもの。」
よくわからないけど、そういうものらしい。
「そういえば、洞窟の中とはいえこんな広い場所で、眠れるかなぁ・・・。」
「小さい家を作ろうか?」
え・・・。わかばちゃん、家を作れるの? わかばちゃんが、大工さんみたいにトン・テン・カンとか?
「ハル、なんか変な事考えてない?」
「ごめん、ごめん。わかばちゃんは家を作れるの?」
「精霊武舞で作れるよ。」
おー、精霊武舞って超便利☆
「一旦杖に戻るから、出来上がりの家を想像しながら、『精霊武舞』って言ってみて。」
うーん、家かぁ・・・。小さい子でも、簡単に作れそうな家ねぇ。よし、これにしよう。
「精霊武舞」
わかばちゃんが、やっぱり少し大きくなって、新体操の演技みたいにリボンを操りながら踊っている。
木を育てていた時とは、違う踊りだ。土が盛り上がり始めて・・・。
わかばちゃんが、決めポーズで、家も完成。
・・・。
《ハル、変な事考えていたでしょう・・・。》
《・・・考えてないよ。》
目の前には、土で作った『かまくら』がありました。
実際雪国には、『かまくらホテル』って、いうのがあるし。まぁ、向こうは雪だけど。
杖をもったまま中に入ると、ちょっと落ち着く。
また、わかばちゃんに半透明になってもらって見てもらう。
「あ、なんか落ち着く。ごめん、ハル。」
わかばちゃんも、気に入ったようだ。
葉っぱで扉を作ったら、もっと落ち着いた部屋になった。
その後、持ってきたお菓子を食べて、葉っぱのベッドで眠った。
葉っぱがベッドになるぐらい大きくなったけど、気にしないことにした。
ベッドがゆりかごみたいに、ゆらゆら揺れて、気が付いたら朝だった。




