増えてるし
「やっぱり、俺と契約しろ!」
「くどい! 断る。」
本当に、話を聞かない子どもって困るよね。
自分と契約したら、こんな利点があるとか話続けているけど、聞く気無いよ。
立ち上がって、前方を見たら目があった。
「うわぁぁぁぁぁ・・・。」
増えてる。増えてる。3匹に増えてる。
叫んで飛びずさったら、セイがおもむろに弓を構えて矢を射ったよ。
ロイも剣を構えてる。
僕? もちろん、思いっきり飛びずさったよ。
セイの射った矢は、蜘蛛の身体に見事命中。
そのころには、ロイがもう一匹の蜘蛛を左下から斜め上に切り上げていた。
最後の1匹はセイの矢を避けたんだけど、その場所には、ロイが居て上から下へ真っ二つ。
すごい。2人だけでダンジョンに来るだけあるね。
なんて、関心してたらロイから再度の勧誘。
「パートナーの危機にも駆けつけないやつなんてやめて、俺にしろよ。」
・・・。少女漫画で時々見かけるセリフだよね。相手が小学生低学年じゃなければ恰好いいんだけど・・・。
「悪いんだけど・・・。」と断ろうとしたら、セイが何か拾ってる。
「何してるの?」
「ドロップ品を集めているんですよ。」とセイが持っているものを見せてくれたけど、蜘蛛の死骸なんて、触りたくも、見たくもないんだけど。
セイが持ち上げたものは、糸の束と石。
あれ?蜘蛛は?
「何不思議そうな顔をしてるんだよ。ダンジョンのモンスターを倒したら、ドロップ品が出るのが当たり前だろ。」
はい?
《モンスターを倒したら、死骸はドロップ品や魔石になるよ。時々お金も落とすし。》と、わかばちゃんからの念話。
おーー!ゲームみたい。そういえば、さっき何か光っていたような・・・。
と、「せっかくの申し出ですけど、遠慮します。パートナー契約はしません。」
必要ないものは、きっぱりはっきり断ります。
あいまいな言い方をすると、悪徳商法に引っかかるって、ばーちゃんも言ってたし。
ロイはムッとしてたけど、セイは苦笑いしてた。
「ハル、これは出会えた記念にあなたが持っていてください。」ってセイが魔石を1つくれようとしたけど、丁重にお断りしました。
蜘蛛は無理、蜘蛛は! たとえ、形がかわっても、蜘蛛だった物も無理!!




