雨上がりの落ち葉は危険
「知らない天井だ。」
なんて、一度言ってみたかったセリフ。
昨日は、布団に入ってすぐに眠ってしまったから天井なんて見てなかったからなぁ・・・。
目覚めたら異世界というわけでもなく、じーちゃんばーちゃん家の見覚えのある部屋。
あ、じーちゃんは先月亡くなったから、ばーちゃん家かぁ。
受験も卒業式も終わり、家でグータラ三昧・・・する予定が、
兄の「暇だったら、これやっといて。」やら
弟の「平日の昼間からテレビ見てて、ズルい。」やら
母の「浅野屋で安売りしているから、これとこれ買って来て。」やらで、地味に忙しい。
父の「ばーちゃん一人で寂しがってるかもしれんから、1週間ぐらい、行くか?」に、飛びついてもしかたないと思う。
ばーちゃんには、お年玉も入学祝ももらっているから様子を見に行くぐらいなんでもない。
決して、交通費と一緒に、こそっと渡された新作ゲームソフトの賄賂に目が眩んだからじゃない。うん。
決して、山深いばーちゃん家がハイテク山村でネット環境抜群だからじゃない。うん。
「ばーちゃん、おはよう。」布団をたたんで(部屋の隅に寄せただけだけど)、居間に行くと誰も居なかった。
「ハルへ 山の畑へ行く ばーちゃん」
と、置手紙があった。朝食も一緒にあった。
うーん、ばーちゃん元気だ。ふと見るとテーブルの上に水筒が置いてある。
ばーちゃんはしっかり者だ。少なくとも、じーちゃんが生きているときはしっかり者だった。
ご飯を食べながら考える、父が心配してたのはこれか?うっかりじーちゃんが居なくなって気が抜けてる?
食べ終わって、着替え終わっても、ばーちゃんが帰ってこなかったので、水筒を届けることにした。
リュックに、水筒・お菓子・タオル、ちょっと考えたけどスケッチブックに筆記用具。店はないのでお金はいらないし、畑までは15分ぐらい。一本道なので迷子にもならない。
「いざ、冒険の旅に出発!!」なんてね☆
夜のうちに雨が降ったのか、落ち葉が湿っていて歩きづらい。
家から徒歩15分ぐらいのはずだけどなぁ。受験で体力落ちてるからなぁ。なんて考えながら歩いていたら、落ちました。
何かがキラって光った気がして、それに気を取られたら足元がズルって。あわてて何かにつかまろうとしたけど、ブチブチって音がして・・・気が付いたら、転がっていた。
「知らない天井だ。」本日2度目のセリフ。