表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/29

第27話:待ち望んだ電話

 「僕達が考えているより、ここの治安は悪いみたいですね」

 「うん。まさか、誘拐が日常茶飯事だとは思ってもみなかったわ」

 「藤田さんの助言通りに近所の警察署にでも届けを出しておいたほうがいいか。早めに水葵の力を取り戻しておいたほうがよさそうだし」

 「明日にでも行ってくるわ。その前に情報屋さんからの報告があればいいけど、そう簡単に事は進まないだろうから」


 警察から帰ってきた雪達と共に疾風らは、マンション内にある打ち合わせ用のスペースに来ていた。ここには、一族の支部と繋がっている情報探索用のパソコンが設置されているのだ。


 「結局、あの情報屋からの報告待ちかよ」

 「本当に疾風と相性が悪いのね、その情報屋のオーナーって」


 会話に情報屋がからんでくると苛立つ兄を見て雪は、めずらしいこともあるものだと苦笑する。晶も、諌めるのは諦めたようで肩をすくめた。水葵も最初は戸惑っていたが今では慣れたようで雪と同じように苦笑している。


 「椿さんからも連絡ねぇから、まだなんじゃねぇ?」

 「そうだと困るんですけどね、こっちは」


 ーーーーピピピピピピピ。


 突然鳴りだした携帯の着信音に疾風達は、自分達の携帯を取りだし確かめる。鳴っていたのは、疾風の携帯で相手は椿のようだった。


 「もしもし、椿さん?」

 「はい。ローズから連絡がありました。とりあえず、流衣さんの安否が分かったと」

 「本当ですか? おい、流衣さんの安否が分かったって!」


 椿からの一報に晶達は、声を上げて喜ぶ。雪と水葵は、手を取り合ってはしゃぎ、晶はそんな2人を見てホッとした顔をしている。


 「あの、疾風さん」

 「?」

 「流衣さんを発見できたのは、とても喜ばしいのですが1つ、残念なお知らせが」

 「まさか?」


 椿の言いように嫌な予感がした疾風だったが、それを察知した椿がそれを否定する。


 「いいえ、いくつか骨にヒビがあったそうですが今はお元気です。しかし……」

 「しかし?」

 「頭を強く打たれたせいで、記憶を失っておられます」

 「え?」

 「ですので、水葵様のお力を解放する術も覚えておられません」

 「………うわっ、まじかよ…………」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ランキング

HONなび
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ