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第四話 前へ!

 視界が真っ暗になったリナは唇が何かで塞がれていること、と。それは映画や、ドラマの中でしか見たことのない行為だということに、頭の整理が追いついた。


「ああれぇ~~? おっかしいなぁ? 中々と、情報が……ぅううん? 《人類》相手だからなのか? こんなのも分からなくなっちまうってのかぁ?? ぅむむ。おい。そのまま口をあけと――」


「っば! っこ、のぉおお!」


 リナは力任せにボンドの額に自身の額を勢いよくぶつけた。リナの脳内もだが、ボンドの脳も左右に大きく動いて、痛みに声を呻いて、怒りのまま、リナに罵倒の声を上げた。


「な、何すんだよ! 馬鹿女っ!」

「っば、馬鹿なのは! あんたでしょうがぁああ!」

「はァ?! こんなのは相手の脳から記憶を引き出して知る方法だよ! 言っとくがな! 疚しい気持ちでやってる訳じゃねぇから! ほらぁ、口を開けなっ! まだ情報が足りねぇよ!」


 またボンドが口を寄せる行為に対して顔を勢いよく背ける。反抗的に思えるリナの行為に苛立ちの声をボンドも上げた。決して、彼も悪気と疚しい気持ちで行ってはいなかったのだから、当然だろう。不本意だ。


 しかし、思ったほどに情報を全くと得られなかったこともあって、他に何かあるかと言えばない。基本に戻り、相手から話しを聞くしかないに戻る。


「あのさぁ? 俺が話した意味、理解してる?」

「じゃあ、一緒に行きましょう!」

「どこに!」

「トント博士の研究所によ!」


 手が解けていたリナは上半身を持ち上げ、ボンドと視界を平行線にする。さらに、もう口づけは御免だと、目標の行き先を彼に教えた。告げれば口づけは必要ないだろうと踏んだ訳だ。リナの言葉にボンドも納得と顔を縦に振り、彼女の身体から離れて立ち上がった。


「おい。とっとと行こうぜ!」


 勇ましいボンドの長い髪が左右に揺れる。

 不機嫌にゆっくりとリナも立ち上がり彼相手に吐き捨てた。


「島民でもないくせに!」


 そう言われてしまえば、そうなのだが。としか、自身が気になって地上に降り立っただけである赤の他人であるボンドは第三者。島民であるリナにとっては明かされた正体も本当なのかと疑いたくもなる【不審者】でしかない。


 さらに、身勝手に知らない相手に何がこうだからという説明もせずになしずくしと口づけをしたのだから赦せる訳もない。敵意も丸出しなリナにお構いなしと、のらりくらりと心境を語る。


「まーそうだな。俺は島民なんかじゃない第三者だ。でもさ」


 立ち上がったリナに、ボンドも苦笑を浮かべて耳を掻いた。数多くの魔石のピアスが月明りに煌めく。


「救わなきゃいけない命もあるだろう?」


 決意を言葉にするボンドに対して、リナも「あんた。本当に頭おかしいんじゃないの? 赤の他人のくせにっ」と言い返したのだが、彼の決意は固く揺らぐ様子もない。


「ああ。俺は赤の他人さ。魔法使いとして異常に気がついてしまった以上は手助けをしたいんだ。父親の故郷の国でもあるからな」

「魔法使いの見習いのあんたが?」

「見習いを強調すんなっ」

「ものっっっっっすごく、弱そうなあんたがぁ~~???」

「弱くねぇし!」


 シャギャアァアアァアアアアッッ! と声と一緒に木が倒された。二人に巨大な蜘蛛たちが勢いよく襲い掛かる。それには二人も合わさった呼吸と無言で脱兎と後ろに肩を並べて走り出す。


「ボンドっ! とっとと魔法で応戦して!」

「理由は後で話すんだけど、今は魔法系統機能してなくてどうにも全くと、何も仕えないんだよっ! 悪いなっ!」

「役立たずっ!」


 ボンドが口先を引きつかせて説明をする。当然のことながら呆れたという表情と視線がボンドに向けられた。


「山頂を目指すわよ! そこにアイツの研究所があるの!」


 リナがボンドが分かるように指を山頂に向けて差した。


「山頂にあるとか。悪の巣窟みたいじゃんか」

「何言ってんの? 男って馬鹿ね」


 息を荒げて走る中でボンドもリナが指示した指先の方向である山頂に白く大きな屋敷を目視して確認をした。古びた洋館が光圀島にはそぐわないほどに、浮いていることが分かる。


 しかし、魔法界で見慣れた建築物である研究所自体がボンドにとっては、何がおかしく異質なのかが認識されていない。初見から「魔法界」みたいだなと思ったくらいだ。変哲もない建物と視えた。


「なんつぅか、ご立派だな」

「あったまきた!」


 リナが歯を噛み締めて、金属製のシャベルの柄を握りしめた。

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