表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/29

第二十九話 終の始発

 ジジジーー……。


 ジーー……。


『「っこ、これはッ!?」』


 宙を見上げると。

 魔法陣が浮かんでいた。

『「これはーー……」』

 もう何も言えずにいるボンドに。

 リナが訊いた。

『「ボンド。これはーーあんたの仲間なの?」』

 目の前に行われているのは。

 光圀島への破壊活動に近い。

『「った、多分……そぅだと、思う」』 

 ボンドは自信なくーーそう答えた。

 

 ジジジーー……。


 ジーー……。


(多分。先生ミザリィだ)


 ボンドがそう心で呟いた。

 同時に鳥肌が立った。

 初めて見る一斉攻撃に。


(誰なんだ? こんな無茶苦茶な指揮をするのなんか?)


 手に汗が滲んでしまう。

 それにリナも応えるように握り返すのだった。


 ジジジーー……。


 ジーー……。


『「貴方は本当に落ちこぼれですね」』


 ふいにボンドに声がかけられた。

 それは訊き覚えのあるーー艶のある声。

『「っせ、んせ……」』

 教師のミザリィだった。

 彼女はいつものように無表情で。

『「何ですか? その末端はーー」』

 杖を《パドラBOX》に向ける彼女に。

 ボンドも制止させた。

『「っや、止めてくれ! ミザリィ先生っっ‼」』

 それにミザリィも杖を収めた。

『「ま。今はそれどころではありませんしね」』

 箒を上げるミザリィに、

『「一体! 誰が指示をしているんだ?!」』

 ボンドが訊く。

 ミザリィも吐き捨てるように。


『「魔術師ダンブア様よ」』


 ジジジーー……。


 ジーー……。


『ボンド。もう少し、きちんと角度にして頂戴な。《記録録画》が欲しいわ』


 ジジジーー……。


 ジー……。


 二人は降りて来た斜面を。

 戻って行く。

 そして。

 鬼灯トント研究施設から。

 地上を見下ろした。


 宙には魔法陣な三重四重と浮かび上がり。

 箒に乗った魔女に。

 魔術師たちが宙を浮いていた。


『「おいおい……こりゃあーー」』


『「映画化決定じゃない?! これは‼」』

 にこやかにリナがボンドに訊いた。

 それにはボンドも頷くのだった。

『「ああ! そうだなーキャッチコピーは何だ? どうする?」』

 喜々とした声で言い合う。

『「世界よ! これが魔法の奇せーー」』

『弱いわ。それじゃあ」』

 人差し指を立てるリナ。

 ボンドも顎に指をやり真剣に考えた。

『……平和ボケも大概ね』

 あまりのやり取りにバーチャル初号のサト江も。

 嘲笑してしまう。


『--《つい世界トント》』


 短くバーチャル初号のサト江が言う。

 冗談交じりに。


 確かに。

 これは鬼灯トントの世界が終わりであることに間違いはない。

 《パドラBOX》に収められた全研究。

 そして、随時開かれていくファイル。


 ただ、言えることは。


 終に二人はオリジナルのサト江と。

 対峙することはなかったということだ。

 だが、二人は気にしてはいなかった。

 加勢に来た仲間に安堵の息を漏らしていた。


『「色んな賞、総なめの作品になること間違いないわね!」』


 ジジジーー……。


 ジーー……。


「おい! そっちはどうじゃ!?」


 華奢ながらも身長のある青年が。

 フードを取り、頭を振った。

 そして、確認をとるのだった。

 ローブを纏った魔術師も。

 満面の笑顔で応えた。

「っは! ダンブア様、どうやら。恙なくーー退治し終えたようです!」

「よし! ではこの光圀島を魔法陣で結界を施し、日本より隔離じゃ!」

 若き魔術師にして。

 魔法界の若き新鋭ホープのダンブア。

 指示を終えたダンブアが大きく宙を仰いだ。

「お疲れ様です。ダンブア様」

「ああ。ミザリィ君、どうだい? はぐれた小鳥は見つかったかね?」

「はい」


「そぅか。それはよかった!」


 そう言いながら。

 ダンブアはミザリィの箒に腰を据えた。

「では。これ以上いる意味もない。あんなのは次いでだ」

「……重いですわ」

「いいから帰るのじゃ! さァ!」

 ミザリィの肩を揉みながら言う彼に。

「--島民の生き残りが。小鳥と一緒に居ますわ」


「何じゃ、と?!」


 目を大きく見開くダンブア。

 ミザリィも口をへの字にさせ。

「唾、飛ばさないで下さい」

 眉間にしわを寄せた。

「--どうしましょうか?」

「--~~魔法界に連れ帰るのじゃ!」

 強張った声を出し。

 さらに続けた。


「《人類》の研究に役立ち。実験にも最適じゃからなァ」

ありがとうございました!これにて一部完です!次回より魔法界編の予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ