表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/29

第十一話 喧々囂々

 天井のどこからか分からない箇所から。

 赤い閃光が下り。


 本人曰くーー《サト江》プロジェクトのバーチャル初号。


 その意味すら、二人には分からない。

『だから。ある意味、ボクたちは姉妹のようなものだ!』

「ふざけんな!」

 暴れそうなリナを、何とかボンドが。

 後ろから、羽交い絞めにした。

「離しなさいよ!」


「で。そんなお前が、俺たちに何の用なんだよ」


 そうボンドがサト江に訊いた。

 サト江も、ボンドの質問に。

『いや。来たのはそっちなんだけどねぇー』

 意地悪くサト江が言う。

 確かに、とは思いつつ。

『ごめんね♪ 意地悪いこと言って』

 そんなボンドが、何か言う前に。

 サト江が言う。


『--……鬼灯トント博士の研究を止めて欲しぃんだ』


 唐突もない言葉に、

「止めるも、何も。どうやってだよ」

 ボンドも、目をしかめた。

 少し力が緩み、それにリナも。

 彼の腕から逃げた。

「お前。そいつ、トントって奴の研究内容分かるか?」

「知らないわよ! 知りたくもなかったし!」


 一度。いやーー何度も。

 自身の両親に訊いたことがある。


 だが。


『リナちゃんは知らなくてもいいのよ。ね?』

『そんなことよりも。この通信網の数字は何なんだ? リナ』


 閉鎖的で、何も教えてくれることもなかった。

 色々と、面倒なことにもなるため。

 以後、訊こうと思わなくなった。


 興味心はーーそのまま。

 

 そして、ズルズルと。

 教えられないままーー今に至る訳だ。


「知ってたらっ! 教えてもらってたら!」


 ズビ!


 ずびび‼


「島から出て行ってるわよ!」


 リナの叫びに似た悲鳴に。

 ボンドも、軽く頷くと。

 彼女の頭を、優しく撫ぜた。

「この通りだからさー教えてくんない? サト江ちゃん」

『いいわよ♪ あとね? 貴方は何者なのか。名前も。教えてもらえるかしら?』

「--……てか。やけにリアルタイムに話が進むな? お前、ひょっとして」


 指をさし。


「トントの野郎じゃないのか?!」

『違うわよー~~ぃやねぇ~~♪』

「なぁ。リナよ~~」


「何、よ……」


 嫌そうにリナが言い返した。

「本当にここはーー」

「日本! 光圀島っっ‼」


 歯を剥き出しにするリナの様子に。

 腕を組む。


「日本がこんなにすごいとは!」


「日本で一括りにしないでくれない?」


 言い合う二人に。

 サト江が、

『じゃあ。行きましょうか♪』

 にこやかに歩き出した。


「「は??」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ