第六十七話 宴会
90万pv突破!ありがとうございます〜
神経を突かれるとタコの色が抜けていく。
その情報通り、クラーケンの色が落ちていった。
そしてその巨体は段々と膨らんでいき、
バンッ!
と大きな音をたて無数のポリゴンが降り注いだ。
一瞬遅れて砂浜に『ォォォォ!』と言う叫びこだました。
スグルは目の前に浮かんだウィンドウを見て、砂浜に腰を落とす。
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Result
・海魔の眼球×2
・海魔の脚×8
・海魔の嘴
・海魔の墨袋
・海魔の鋭利な歯
・海魔の岩殻×4
・海魔の鍵
・12000000ゴルド
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(うおいっ!)
完全に予想を上回る金額が表示され、思わず心の中で叫ぶ。
(見間違いじゃないよな……8人だから分けても一人頭150万。美味しすぎだろ)
ここまでかかった労力と立地の有利を忘れまた狩ろうかなんかと思い始める。
座り込んでいるスグルにゆい達が近づいてきた。
「お疲れ〜ボス泥なんだった?」
笑いながら聞いてくるミウにウィンドウを寄越す。
周りにいたジェイル達も覗き込み、驚きの雄叫びをあげた。
「すっげえ!俺たち一気に金持ちかよ!」
「150万もあれば……」
「装備は変わったから貯金でいいかな」
それぞれ金の使い道を考え顔を赤くしている。
(150万は確かに大金だがそこまでか?)
先ほどまで彼らと同じように騒いでいたが、目の前でやられると一気に冷めた気分になる。
「この鍵って言うのは何?」
騒いでいるのを隣にミウはそう聞いてくる。
「ああ…えっと……何だっけか」
「忘れちゃダメでしょ!」
「いや、もう少しで思い出せそう……あっ、思い出したぞ。クラーケンがいた洞窟の奥にある壁に鍵穴があったんだよ。多分それだ」
「そんなのがあったんだ。じゃ後で行ってみよ」
「そうだな」
喋りながらダンテ達のところに向かった。
「なんか火力だけで倒せとったやん」
と、ダンテは愚痴りながら言うのに対し、落とし穴があったからあそこまで簡単に仕留めれたと感謝する。
「おっし、無事に討伐もできたしダンテ!」
「分かっとる分かっとる」
ダンテは、急に大声を張り上げるスグルを尻目にウィンドウを操作する。
何もない空間からガシャンガシャンと音を立てながら数十ものバーベキューセットが出てきた。
「激闘の後に宴ちゅうんは決まっとる!ほれ、皆テキパキ準備しいや!」
今日の作戦に携わった沢山のプレイヤーがそれぞれ設置していく。
スグルはクラーケンが落とした海魔の脚を出し、巨大な一本を食べれる大きさまで切り刻む。
わずか数十分でそこら中に肉やらタコやらが置かれ、ただ着火を待つばかりになった。
「じゃあ、準備もできたことやしスグル。一言頼むわ」
ダンテがスグルを前に引っ張り出す。
「フゥー……もうみんな疲れてるだろうから手短に。今日は事前の準備に力を貸してくれてありがとう。ダンテがこき使うようなら直接殴ってやるから言ってくれ。今日勝てたのは、ここにいる全員が協力してくれたからだ。せめてその分は今からの宴で飲んで食ってやってくれ。じゃ、俺たちの勝利に乾杯!」
「「「乾杯!!!」」」
夕日が段々と戻ってきている潮の波の中でゆらゆらと照らされている中、宴が始まった。
今回でクラーケン編は終わりです。
明日から学年末テストが始まる……




