第六十四話 仕掛け
久しぶりの連日投稿
……あれ、なんでテスト期間中の方が投稿頻度高いんだ?
準備回です
とってぃと釣りをした日から3日経った。
その間に出来る限りの準備は整え、協力員も取り付けた。
「久しぶりだなミウ」
「お兄全く戻ってこないからミウ外食続きだったんだよ?」
「俺が居ても変わらんだろ」
「一人で食べると寂しいんだよ!」
「そりゃすまん。もう直ぐ大学も始まるし当分はオールインはしないさ」
「なら良いけど……で、この人達は?」
スグルの後ろにいる十数人を見て顔を横に傾ける。
「この人達にはクラーケンが逃げないようにする仕掛けとちょっとした罠を仕掛けてもらう」
「へーそうなんだ。よろしくお願いします」
ミウは軽く礼をするのに、後ろにいる人も礼をする。
「ダンテ。そっちの指揮は頼んだぞ」
「分かっとるわ。じゃ、潮が引いてきたら順に持ってきた仕掛けつけてくでー。それまでは各自適当に休んどきや」
うっす!
と威勢のいい声が口々に飛び交い、それぞれ砂浜に腰掛ける。
「それでスグル、わいは見たことないけど本当にいけるんやろな?」
ダンテはスグルの方を向いて聞く。
「ま、レベル差は大きいがいける。相手も生物だしとってぃからタコの弱点も聞いてきたからな。そっちがしくじらなければ可能性は高い。ただイレギュラーってのは何処にもあるから油断はしないがな」
「ならええが……」
会話している間に陽が高くなり潮がどんどん海際に引いていく。
それに従ってダンテたちは持ってきた物で砂浜を対クラーケン用の戦地に変えていった。
(随分手際がいいな。この調子ならタコが出てくるまでには余裕で間に合うか)
準備をしている途中でジェイル達とゆいも到着した。
既に進んでいる砂浜の作業をみて口々に感嘆の声を出す。
「おい、感心するのもいいがちゃんと準備は出来てるだろうな」
「あたぼうよ!今日は俺の盾でどんな攻撃も防いでやら!」
「お前は後衛に攻撃が行きそうになったらそれもちゃんとスキルで防げよ。あとは適当でいい」
「おう!」
盾を自慢げに上げながら返事をする。
「ま、戦いなんてセオリー通りに行くことなんてほとんど無いからな。ここまでやってきてるお前らならできるさ」
「……スグルお前熱でもあるのか?」
「よし、普段お前が俺をどう思ってるかよく分かった。取り敢えず斬るか」
「冗談っ、冗談だ!だから刀抜くのはやめろ!」
スーッと目を細めたのをみて慌てて後退りながら言う。
「リーダー、おちゃらけはそのくらいにしてください」
「お兄もねー」
二人になだめられ渋々引き下がる。
「スグル、そろそろ準備ができたみたいだよ」
普段と違いキリッとした様子で砂浜を見ているゆいの言葉に砂浜に目をやるとダンテが丸サインを出しているのが見えた。
洞窟の前まで移動すると、砂浜と同じ白色の直径50メートルはありそうな巨大な穴が掘られていた。
「すげえな。こんなでかい穴本当に掘れるなんて思ってなかったんだが」
「これくらいうちの魔法使いなら余裕や。なあ!」
後ろで息も絶え絶えで砂浜に這いつくばっている魔法職と思われる人たちに声をかけるが腕をどうにかあげるのが精一杯だ。
「……給金弾んでやれよ?」
「勿論や。そっちもこんだけお膳立てしてやったんやから負けたら承知せえへんで」
「そっちは任せとけ。あともし逃げそうになったときの準備は」
「崖にちゃんと待機済みや。計算上なら逃げることはまず出来ん」
「よし、じゃあ後は待つだけか」
洞窟を見据えながら言った。
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