第六十三話 川釣り
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作戦会議が終わった後、とってぃに連絡を取った。
今は始まりの町の近くにある川で釣りをしていると言っていたため早速そこに向かった。
川を下流から登って行く。
しばらくすると、川の岩に座り足をブラブラと揺らしながら竿を垂らしているとってぃを見つけた。
とってぃの後ろに何やらキッチンがあるのが見える。
「よう、とってぃ」
「あ、スグル久しぶり」
「その、後ろにあるのが特典のキッチンか?」
後ろの森と場違い感を醸し出している台所を指差す。
「そそ、好きな場所に出せるから重宝してるんだ」
「初めて見たな。ここ、座っていいか?」
「どうぞ〜。ついでに釣りでもやる?」
とってぃが座っていた横の岩に座ると竹竿と餌を差し出してきた。
礼を言い竿を受け取って川に垂らす。
「とってぃって釣りやるんだな」
「食材を自分で手に入れたいってのもあるけどそれ抜きでも釣りは好きだよ?っときたきた」
竿をクイと上に引く。
水面で水しぶきをあげながら見たことのない紫色の縞が入った魚が上がった。
「なんだ、それ」
その魚の色合いに若干引きながら言う。
「これはコチだね。色合いはちょっと驚くけど意外に美味しいんだよ?」
手際よく口に掛かった針を抜く。
そして岩にかけているビクにコチを入れた。
「とってぃは海釣りはしないのか?」
また餌をつけて垂らすとってぃにそう聞く。
「海釣りもしたいんだけど今始まりの町近くの海は閉鎖されて行けないからね。解放待ちかな」
「そう言えば始まりの町にも海があったな。今度解放してみるようにギルマスに言ってみるわ」
「やったね。っと、じゃあそろそろ夕ご飯の時間だしさっきのコチでフライでも作ろうかな。スグル、この竿もお願いね」
そう言ってとってぃはスグルに自分の竿も押し付けるとビクを持ってオープンな台所に向かう。
「そう言えば今日は何の用だったの?」
釣りでボーッとしながらただ水面を見ているととってぃはそう聞いてくる。
その言葉でスグルはハッとここにきた目的を思い出した。
「なあとってぃ、タコの弱点って知ってるか?」
「タコ?なんでまた」
スーッと魚体に包丁を差し込みおろしながら言う。
「今度クラーケンと戦うことになってな。タコとクラーケンって同じだろ?」
「実物見たことはないからわからないけど……てか普通にスルーしちゃちゃけどクラーケンて何さ」
軽くこれまであったことを伝える。
とってぃは全て聴き終わったあと少しため息をついた。
「何やってるのさ……で、タコの弱点だっけ。あ、スグル竿引いてるよ」
「うおっ」
意識をとってぃの方に集中していたのでピクンピクンと沈んでいるのを見逃していた。
慌てて竿を引き魚を釣る。
「これはコチだったな」
「ここら辺はコチが多いんだよ。ついでにそれも調理するから持ってきて」
そのままとってぃの台所まで持っていく。
「で、タコね。タコの弱点と言えるかはわからないけど真水に弱いよ。あと目と目の間。さばくときはまずそこにある脳を刺して締めるかな」
「目と目の間ね……」
「残念だけど思いつく弱点はそれだけかな。あまり役に立てなくてごめんね」
「いや、助かった。サンキューとってぃ」
申し訳なさそうにしているとってぃにお礼の言葉を言う。
「それなら良かったよ。っと、そろそろ良いかな」
パチパチと油の中で揚がったフライを紙皿のうえに載せる。
フライからは湯気が白く上がり空腹を誘う匂いがあたり一帯にたちこめる。
「はい、スグルの分」
「サンキュー」
礼を言い、アツアツのフライを手渡されたレモンを絞ってそのまま頬張る。
揚げたてで口の中で熱が暴発したがはふはふとしながら味わう。
「熱っ。美味しいな」
「ね、言った通りでしょ?」
「もう少し釣ってくる」
「食べ盛りのスグルには足りなかったかな?」
「いや、確かにそれもそうだけどアイテムボックスにも保存しときたいと思ってな」
「ふふっ。いいよ、ボクも日が暮れるまでなら付き合うよ」
そう言って二人はまた岩場に腰かけた。
釣りって好きです
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