第六十二話 作戦会議2
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「へえ、綺麗な場所だね」
砂浜に降り立ったゆいはそう呟く。
遅れてこちらに来たジェイル達も声を失っている。
スグルは洞窟から線が砂浜に伸びていないのを見ると、ゆいたちに向きなおる。
「クラーケンはあの洞窟に住んでるんだが、中はかなり暗くて一歩的にやられると思う。あの洞窟から出てくる時間も知りたいからここで待ちながら作戦を考えよう」
「つっても普通のゲームなら何回かボス戦で相手のことを知って挑むよな。それはしないのか?」
スグルは呆れた目でジェイルを見る。
「あのなぁ、敵にもAIがある上にボス戦システムまで無いんだぞ?そんな状態で何回も無駄に攻撃してみろ。そんな危ない住処すぐに離れて行くに決まってるだろ」
「スマンスマン。すっかり忘れてた」
「忘れてたってお前、そんなんだからゴブリンキングの時も逃げられたとき見つけるのに苦労したんだろうが。てめえがやるって言ったんだったら最後まで責任持って狩れよ」
「スグルさん、その辺で……計画も立てなきゃですし」
まだまだ言い足りないことがあったが、止めに入ったレイの言う通りだと重い口を閉じる。
「ま、今行った理由で大型の敵と戦う時は十全な対策をして挑まなきゃいけない。一度で逃げてしまう事もあるかもしれないからな。特にゆい、勝手に攻撃とかするんじゃねーぞ」
横を向きひたすらに口笛を吹いているゆいにそう年を押す。
「大丈夫だよー。ミウちゃんがいない今日は様子見だけで済ますって」
「本当か……?まあ、じゃあ早速だがみんな簡単にできることを話してくれ」
そう言って、それぞれができることを話す。
ある程度出し切ったら、次は編成だ。
「やれることは大体わかった。今の所の編成をまとめておくぞ。前線は俺、ミウのペア、ジェイルとねこさんのペアで分けて4人で行く。そっちのペアはジェイルのスキルでクラーケンの意識を向けさせてくれ」
「おう!」
「次に遊撃としてナイ、ゆい、ルーの3人で頼む。ナイは飛ぶ道具で相手の目をやってくれ。ゆいは適当に足でも落としてくれると助かる」
「簡単に言ってくれる」
「分かったよー」
『承知』
「後衛にはレイとユーリの2人で当たってくれ。レイは氷属性で相手の動きを少しでも封じること、ユーリは強化魔法をみんなに継続的に掛けてくれ」
「わ、分かりました」
「承知ですわ」
次はどんな場面の時どうするなどと言った簡単なマニュアルのようなものを決めておく。
すると、レイが変な声をあげた。
「ス、スグルさん。あれ……」
レイがそう言ってスグルの後ろを指差す。
そして後ろを振り向いたら、クラーケンが洞窟の中から出て海に向かって体をずりなから移動していた。
「すごいデカイね!」
「あんなにデカイのですか……?」
「うわ、でかいのにゃー」
「崖も登ったら越えられそうですね」
「ほら、海に消えて行くぞ」
それぞれ口々に驚きを言葉にする。
「今大体午後3時くらいか。狙うなら出てきた直後だな。あいつが戻ってくるのが10時ごろだがその頃にはもう潮が戻ってきてるから戦うのは難しいだろうな」
海の中に消えて行くクラーケンを見ながらそう言う。
「とまあ、これで一応あいつの姿は確認できた。多分想像以上だった奴が殆どだと思うけど、俺たちはアレを狩るんだ。もっと気を引き締めるぞ」
そう言うと、しばらく硬直していたジェイルパーティは意気込んだ。
「あとは折角こんな場所で戦うんだからこっちの有利なようにいくつか罠を設置しておこうと思う」
「罠?」
「あの洞窟から出てきた時ハマるような大きな穴、後はあの海に繋がってる崖に少し細工をな」
「穴は確かにわかるけど、あんな巨体をはめる穴なんてできるの?」
「そこはダンテの力を借りる予定だ。ま、任せてくれ」
そうスグルは笑って言った。
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