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自由気ままに旅人ライフ  作者: 御堂 はるか
海魔との激戦
63/114

第五十三話 洞窟



『むぅ、何事だ主君。朝っぱらから煩いぞ』



のそり、とルーがテントの中から姿を見せる。

スグルはそんなことはどうでもいいとばかりに砂浜に足を動かす。

足には砂の感触しかなく、紛れなく本物と悟った。



「海水があった筈なのに今は砂浜になってる……」



少し気になったので足元の砂を少し嗅いだあと、指につけ少し舐めた。

その砂からはほんのりと塩の味がする。

そしてさらに向こうの方を見ると両端の峠に囲まれて微かに水色が見えた気がした。



「……そっか、満ち引きか。ここは潮の動きが大きいんだ」

『先程から何を言っておる主君。昨日の海とやらは何処へ行ったのだ』

「ほれ、あっちにある筈だ。テントを片したら移動すっぞ」



素早くアイテムボックスの中に収納する。

そしてルーに乗って移動するとほんの3分程で微かに見えていた峠の端についた。

ここら辺はまだ潮が引いてそれほど経ってないのか砂は湿っている。

そして峠の向こう側にはキラキラと輝く水色の海があった。



どうやらここは陸地が丸型にくり抜かれた形になっており、いわゆる内海というやつになってるようだ。

ルーの足で3分ほどだったから直径5キロほどといったところだろう。

そして潮の満ち引きで海面がこの砂浜を侵食して来るようだ。



「こんな形になってたんだな。昨日は暗くてよく見えなかった」

『これからどうするのだ、主君』

「うーん、昨日の今日で大発見だし今日はのんびり探索を続けよっかな」



とりあえずこの立地を確認したスグルは戻ろうとした。

ルーが疑問に思ったことを言う。



『主君、あそこの穴はなんだ』

「ん?」



ルーが見ている方を向く。

反対側の峠の崖に小さな穴が空いているのが見えた。



「なんだアレ」

『見に行くか?』

「ついでに行ってみるか」



先程小さく見えたのはただ距離があっただけだとわかる。

近づいていくにつれてその大きさが分かってきた。

高さは7メートル以上はありそうな穴だ。

どうやら地中につながっているらしく、中は暗くてよく見えない。



「これなんだろ?」

『知らぬ』

「んじゃついでだし、入ってみるか」



とりあえずという割にスグルは嬉しそうに言った。

秘密探検っぽいのはなんだか楽しいものがある。



(それにもしかしたら宝があるかもしれないし。洞窟探検なんて初めてだ)



取り敢えず【鷹の目】を発動しながら中に入る。

地面は水に浸かっていたんだろう、かなり湿って滑りやすい。

取り敢えずアイテムボックスから松明を取り出した。

見えることには見えるが、もし敵なんかがいた場合直ぐに気づくのが難しいからだ。



松明を上に掲げて洞窟全体を照らす。

黒々とした岩がそこらから出ている。

今の所敵なんかは出てきてない。

ただデコボコとした道が続いているだけだ。

【空間把握】でも自分たち以外に感じる生命体は無い。



どれほど下っただろうか。

結局一度のエンカウントもないまま、洞窟を下りてきた。

道も枝分かれしておらず、多少道なりは酷いが一本道だ。



『主君、敵だ』



ルーが念話でそう言ってきた。

久しぶりに敵と聞いてたるんでいた意識を締めなおす。

スグルの【空間把握】ではまだ感じされないから少なくとも30メートルほどは離れているんだろう。

どんな敵かもわからないので、慎重に進んでいく。



ほんの少し歩くとスグルの察知できる範囲に生き物が入ってきた。

それと同時に洞窟の風景とはそぐわない、大理石と思われる石の扉が前にあった。

ただ、その扉の端々は砕け、大小様々に扉にキズが付いている。



「中の何かは動いてないな。ボス戦か?」

『ボス戦とやらが何かは知らぬがなんとなく予想はつく。恐らくこの洞窟の主か何かだろう』

「それでもこれ……かなり大きいぞ」



スグルの【空間把握】で測れるのは半径25メートル。

その7割ほどを埋めるほどの大きさで、さらに奥まで続いているとするとこんな大きなものを倒すなんて未来が見えない。



「これがレイドって奴なのかね」

『だから我の知らぬ言葉を使うでない』

「ああ、レイドってのは多人数で大きな敵を狩るんだよ」

『ならばこれは正しくレイドというやつであろう』

「だよなぁ」



(倒すにしてもなんにしても一回は相手を見とかなきゃ対策なんかも立てられないし。様子見だけでもしとくかね)



そう判断したスグルは石の扉に手をかける。

少し押せば簡単に開きそうだ。



「ルー、一応今回は死ぬつもりで相手を見る。ただお前は死んだらそこで復活するっていう弱点が有るんだろ?念のため直ぐに逃げられる準備をしておいてくれ」

『だが主君、我も「俺のためだと思って」……承知』



項垂れながらルーが納得する。

スグルはそれに満足して扉をグッと力強く押した 。





またまた中途半端です。


宜しければ評価やブクマお願いします。


3/26)【空間把握】の半径を変更しました。

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