第五話 初めての戦闘
side.ミウ
町を出て最初に目に入ってくるのは圧倒的なスケールの、日本ではありえないほどに広がっている草原、"始まりの草原"だ。
ベータ時代を思い出し思わず笑みが広がってくる。
(ようやく戻ってきた...この世界に)
全身に風を感じながら深く息を吐く。
今、わたしが外に出たのは始まりの町の西門からだ。
そして、門から見て右手にはバルス鉱山に続く鉱道が、左手には初心者の森、真っ直ぐにはただ始まりの草原が続いている。
さらにその奥には霧があるのが見える。
草原にいるモンスターはベータと変わっていないなら3種類。
一つは全ゲーム代表の最弱モンスターと名高いスライム。
しかしこの世界のスライムはそれほど簡単に倒せるわけではない。見た目はなぜこの形態で動けるのかというほどにプルプルと震えているんだけど、とにかく再生力がキモい。
ハンマーなんかで殴っても飛び散ったのがすぐに再生するし、こいつを倒すためには剣なんかの鋭利なもので体内にある核を破壊するしかない。
二つ目は角兎。
むしろこいつの方がスライムより厄介度は低いかもしれない。
ただひたすらに頭についた角で突進してくるだけだから。ただ、猪突猛進の分かなり速いけどね。
三つ目はファンタジー代表の敵モンスター、ゴブリンだ。
ただしこいつらは普段森にいるため、森の近くの草原でしか出くわすことはない。
ただ、一応人型モンスターのため倒せなくなる人もいるんじゃないかとは思う。
それにこいつらはとにかくキモくて臭い。
しかも売れるアイテムもあまり落とさないしでとにかく好かれないモンスターだ。
あと、当たり前なのだがこの世界は現実なのだ。
そして当然、ゲームなどで流れてくるBGMみたいなものは一切流れてこない。
あるとしてもシステムメッセージぐらい。
と、草原のモンスターを復習していたら、スライムを発見した。
相手はまだ気づいていないようだ。距離にして約20メートルくらい。
相手の大きさはだいたい40センチほど。これならさっきもらった改良型ツインソードがあれば問題なく貫ける。
手に二対の武器を深く握った。
深く息を吸った後、勢いよくスライムに向けて走り出した。
あと15メートル、10メートル。まだ気づいていない。
このまま一気に駆け抜けるっ!
次の瞬間、スライムがこちらを向いたかと思うと、いきなりハリセンボンのように身体から針のように飛び出てきた。
慌てて伸びてきたスライムが伸ばしてきた針を交わしてすれ違いざまにスライムの核に剣を通す。
軽く当たっただけだけど耐久力はほとんど無いんだろうね。
パン、という音とともに核が砕けていった。
(あっぶな!新しいモーションあるかもってことすっかり忘れてたよ!興奮しすぎた。もっと冷静に行かなきゃねっ!)
反省していると、倒した報酬が目の前にウィンドウとして現れた。
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Result
・スライムの核
・スライムの体液×3
・25000G
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(やっぱりかなりの人数がスライムにやられたみたいだね!新しいモーションもあったし他のモンスターも追加されてる可能性もあるよね!よっし、この調子でどんどんモンスターを狩っていこう!)
わたしはやる気を出して草原を進んでいった。
キャラ出していくのがとっても難しい...
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(改稿済み)