第四十九話 迷惑料
多分減りますが……
ブックマーク900件突破\(//∇//)\
本当に、マジでありがとうございます!
4月までに1000件目指して頑張ります
「なんと。サミュエルが敗れるとはのう」
「こっちはリースのせいで迷惑被ったんだ。少しは詫びってもんを見せてくれてもいいんじゃないか?」
スグル達は街の探索を早々に切り上げただ飯を食べた後は領主の館に戻った。
そしてサミュエルとも不本意ながら合流し今に至る。
リースティアは気にしていないようだが後ろの護衛がスグルの不遜な態度が気に入らなかったのだろう。
思いっきり睨んでくる。
「……護衛の件も含ませていたということでチャラには」
「ならん」
「じゃろうのう」
リースティアはがっくりとため息をつきながら、近くの仕えの者を呼び出した。
何かを命令する。
「仕方がないのう。こちらで適当なものを準備しておくとしよう。それにしてもお主は肝が大きいのか、大馬鹿なのか。そんな言葉を吐かれるのは久しぶりじゃ」
リースティアは楽しそうにして言う。
「リースに普通の態度でいいって言われたからな。サミュエルの事もまあ閣下としての行動なら間違ってないだろ」
と、ちょうどその時先程出て言った仕えの人が片手に小さな袋を持って戻って来た。
そこからチャラチャラと音がする。
その袋を受け取るとリースティアはスグルに向かって差し出した。
「来たようじゃ。ここに金貨100枚、しめて1000万ゴルドある筈じゃ。迷惑料として取っておくがよい」
「そんなに貰えるのか。助かる」
スグルは袋を受け取ろうと手を伸ばす。
しかし、その手は袋を取れずに空振りする。
見ると、袋を持った手を少し引っ込めていた。
「ただし、これを渡すのは一つだけ条件があるのじゃ」
「なんだ?」
「ああ言った手前申し訳ないのじゃが。ワシのことを公衆の面前で『リース』などと呼ばれるとワシも困るでのう。まあお主の最初の態度も見ておるし心配はしておらんが一応じゃ。普段はリース閣下とでも呼んでくれるとこちらも対処がしやすい」
「確かにそれもそうだな。じゃあリース閣下、金くれ」
「そんな当たり前のように呼ばれるのも釈然とせんが……ほれ。中身は確認しておくかの?」
面白そうな顔をしながら袋を渡してくる。
自分の手に乗ったその袋はかなりの重さを感じさせた。
「いや、こんな事でわざわざリースは疑わんよ」
「そうかそうか。と、すまんの。そろそろ時間じゃ。サミュエルは残ってくれ」
先程からずっと横でボーッとしながら立っているサミュエルにそう言う。
それに対してサミュエルは、はいよ、と適当に答える。
「じゃあ俺たちはこれで失礼するぞ」
「閣下またねー!」
スグル達は部屋から出ていった。
一コマ置いてリースはサミュエルに向き直る。
「してサミュエルよ。お主が負けたと言うのは真かの?」
サミュエルは特に気負った様子もなく笑って告げる。
「ああ、あれはオレの完敗だな。なんかのスキルを使ったんだろうけど完全にオレの速度を上回った」
「ほう、軽風がそこまで言うか」
「総合的なもので見たらまだまだオレの方が上だと思うけどね。ユニークスキルも使わなかったし。見た感じ彼の剣技は既にA級以上。身体能力は言わずもがな。でも勝ちに対する執着みたいなものは見えなかった。そこでマイナス」
「ほう。元S級が言うなら間違いはないのじゃろうな」
「茶化さない姫さん」
「すまんすまん。あと、今日の尾行の成果を教えてもらおうかの」
サミュエルは今日スグル達をつけていて通った道、言った場所、会話の内容に至るまで話す。
リースティアは聞いていて疑問に思った。
「ふむ、神殿に行ったのはなぜじゃろう」
「多分サブ職業の開放に行ったんだと思う。それっぽい話をしてたからね。ただその後もう一つ扉に入って行ったけどそっちはわからないかな」
「サブ職業のう。まあそれはいずれ分かるしええじゃろう」
「で、神殿の後は」
「酒場にいってお主と戦ったと。まあ今はこれで十分かの。よくやったサミュエル。また次の指示まではゆるりと体を癒すが良い」
「わかったよ。じゃあまたな姫さん」
サミュエルは陽炎のように姿を消した。
最初から誰もいなかったかのように。
「相変わらず奇妙なやつよの。まあそれが奴じゃ。と、それはそうとスグル……か。リーシェも面白いヤツを連れておるのう」




