第二十五話 祝勝会
広場から転移してダンテの商館に戻ってきた。
と言うか完全にこのスペースが俺たちの空間みたいになってるけどいいのだろうか。
イベントでは1日経っていたが実際は丁度夜の12時だ。
普通寝る時間だがここに居るのはそんなこと関係なく普段はゲームに籠る奴らだから誰も気にしてない。
ランキング報酬は、個別に種類があり、今日いっぱいは選べるそうだ。
何があるのかはまだ見ていないので時間があるのは素直に嬉しい。
「祝勝会やるで!」
ここに居るダンテがそう言いだしたのも無理はないだろう。
ちなみに今回はダンテはイベントに参加していないようだ。
と言うよりダンテは商業の方が中心だから基本この手のイベントは参加できないんだよな。
ちなみにここに居るのはランキング3位のスグルに2位のゆい、1位のルーと8位のミウ。
そして生産系のイベントで1位をとったマリに2位になったとってぃがいる。
何気にこのメンツってほかから見たらかなりヤバイな。
「「「おー!」」」
「今日の費用は全てわいが持つで!これからもこのダンテをご贔屓にしてくれや!」
「「「ダンテ最高!」」」
「はしゃぎすぎじゃね?」
「まあ一日中イベントに縛られてたようなものだからね。はしゃぎたくなるのも無理はないさ」
確かにずっと神経張り巡らせてたし、そう言う意味では良いのかもしれないな。
「ただ一つ問題があるんや」
「なんだ?ダンテ」
「うちに今食材がない…」
「「「なん…だと」」」
「と言うわけでそこらへんの酒場で祝勝会するで!」
「おー!貸切だよねダンテさん!」
「当たり前や!任せとき!」
深夜0時、大抵の店は閉まっているが逆に夜の店や酒場などはいつも通りこの時間が儲け時。
そのため、どの街にも夜の街といい夜に開店する店などが集まっている場所が存在する。
「と言うわけで、この酒場貸切にしてくれや!」
ダンテは今、硬貨が入った袋を手に夜の街の一角にある酒場のマスターに交渉していた。
客は殆どいないが、ダンテが普段通っている行きつけの酒場らしい。
中ではクラシック(なぜこの世界にこの曲があるのかは知らない)が流れていて木目の傷などは風情と古めかしさを感じさせる。
「いや、うちは誰にでも平等にって言うのが信条なんだ。いくらあんたでもそれは出来ないな」
「これでどうや」
「良いだろう、好きにやりな。ただ今いる客の分も奢ってやれよ」
「切り返し早いな!」
何やらかっこいいこと言ってた丸坊主のマスターだったがカウンターに金が入った袋を置かれた瞬間に意見翻がえしやがった。
一瞬でもかっこいいと思ったのが恥ずかしいなおい。
「と言うわけでこの一角使わせてもらおか」
「「「ほーい」」」
それぞれが席に着くと、マスターがメニューを持ってきた。
「今うちで出せるのはこんだけだ。何が良い?」
「わいはいつもので」
「あたしは丸ごと焼き串を頼むよ」
「ちょっと待ってくれ......俺はこのバルーンボアの煮付けとウィスキー一本で」
「私もお兄と同じの!あと牛乳下さい」
「じゃあボクはミニチャーハンね」
「わたしはこの最強!マスターのおまかせ丼って奴にお酒も合うのを頼むよ」
「あいよ。注文は以上だな?じゃあ出来たら持ってくる」
マスターは奥に戻っていった。そして先に飲み物が渡される。
「じゃあ、それぞれの健闘を祈って乾杯や!」
「「「かんぱーい!!!」」」
グラスを合わせて飲む。喉に熱い感覚が伝わってきた。
ちなみに、ルーは流石にこの店には入れないので外でご飯を出してもらっている。
「いやー、それにしてもまさか最後でルーに噛まれちゃうとはね。全く気がつかなかったよ」
「俺が倒された次の瞬間にはガブリだったからなぁ」
「それ言うならわたしは一対一で負けてるんだけど!最後まで残れなかったから暇だったんだよ?」
「ごめんって〜。ついつい倒しちゃったんだよ」
「それはそれで腹たつよ!」
「あたしらの方も結構接戦だったよなとってぃ」
「結局ボクの方は素材が足りなくなったから1時間程先に終わっちゃったけどね」
「ずっと料理作ってるのも凄いもんだ!」
変なとこで途切れてすみませんー




