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自由気ままに旅人ライフ  作者: 御堂 はるか
バトル・ロワイヤル
27/114

第十九話 山へ


話は飛んで夜9時。

ランキング9位の大剣使いを倒したため、スグルは2位から1位になっていた。

他には一切ランキング上位者は倒されていないようだったので、流石にまぐれで上位者に入っている人は居ないようだ。



それよりも問題はここからだ。

夜9時、スグルが普段は12時に寝ているとして後3時間ほど。

このイベントでも寝ずに過ごすことはあまり考えてはいなかった。

じゃあ寝れば良いじゃないか。

そう言われても、マップと探索機能の追加でスグルの居場所が分かるようになってしまった。

そんな状態で寝てたらすぐにやられてしまうだろう。



1日寝ないくらいは我慢できる。

なにせ鷹の目を使えば昼のように明るく見えるのだ。

少しの眠気は我慢してポイント収集に精を出すしかない。



『すまんが、付き合ってもらうぞ』

『構わん。夜昼の差など殆ど感じない』



気配を消しながら既に真っ暗な森を鷹の目で進む。

このイベント中も少しはレベルが上がりそうだ。

今の鷹の目のレベルなら一度の発動で30分以上はもつ。

クールタイムは殆ど無い感じだ。



森の中にきたが静かだ。

普段の夜の森もざわつきがあるが、ここはモンスターも動物もいないからか全くと言っても良いほど音がしない。



マップにも他のランカーのポイントは表示されず。

まったく、プレイヤー全員の場所を教えてもらえたら楽なんだがな。



そういえば、今のランキングはどうなってるのかね。

さっきの9時でまた更新されたはずだ。

そう思ってイベント欄のランキングを開く。



「……へえ」



先程までスグルの名があった1位の枠にはゆいの名が飾られていた。

よく見たら4位にあったミウの2文字が消えている。

スグルとだいぶポイント差があったのを追い越して1位になったゆい。



「ミウがやられたのか」



これでスグルとゆいさんの差はさっきまでとは逆にだいぶ開いてしまったことになる。と、思っていたちょうどその時、メールに着信が来た。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

from.ミウ


ごめん、さっきゆい姉さんと戦ったんだけど負けちゃった!敵討ちよろしく!場所は西側の森の中だったよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



(やっぱゆいさんだったか。それにしても敵討ちってな。まあ、現状でゆいさんを抜くための方法は二つしか無いんだよな。他のランカーを倒すか。ゆいさんを倒すか)




1位:ゆい 8020ポイント

2位:スグル 6770ポイント

3位:ジェイル 4810ポイント

4位:ルー 4530ポイント

5位:ねこ 4350ポイント

6位:ガウル 3700ポイント

7位:こっちゃん 3620ポイント

8位:レイ 3580ポイント

9位:ミウ 2360ポイント

10位:戦う料理人 2060ポイント




ミウが倒された時更新されたランキングの順位が上の通りだ。

知らない、つまりベータでは見かけなかった名前は2人。

他の人は名前は知っていて、顔を合わせたら挨拶はする程度の仲の人物が多い。



西側の森とミウは言っていた。

しかし先程、ゆいを抜く選択肢を考えたスグルとしてはそこに行く気は全くなかった。

というのも今勝率が半分あるか無いかの対ゆい戦でもし負けたらランキングに載れない可能性も出てくる。

だから戦うとしても安全マージンが取れた段階でと考えていた。



そもそもこのフィールドが広すぎるのが悪いのだ。

あと残ってるのは3000人弱といったところ。

それらを倒してもゆいも同じ程度には倒してポイント差が開く一方。

このままいったら負けは確定だ。



(なんにせよゆいさんを抜かすためには他のランカーを倒す必要があるな。かといって西の森にはゆいがいる。となるとこのフィールドでまだ手を出していない東の山の方に行ってみるか)



とってぃの夕食を食べながらそう思ったスグルは食べ終わると石の上に立った。



『ルー、今度は東の山に向かうぞ。体力は大丈夫か?』

『全く問題無い。とってぃ殿の食事は美味であるな。力が溢れ出るようだ』

『そりゃな。じゃあまたひとっ走り頼むわ』



暗闇の中を一つの影が走っていった。


いつの間にかこの連載も1ヶ月が経ってました


読んでくださる皆様方、ありがとうございました。


これからもなるべく頑張ります

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