閑話1
なんだかんだで投稿できましたw
「お兄!ずっとこっちにいて現実一回も戻ってないでしょ!夏休みの宿題も全然やってないし一回戻ってよ」
「うん?」
ダンテのところに居候して早二週間ほど。
スグルが夕食を食べている時に部屋の扉がバーンと開いた。
そして開口一番にミウが怒る。
「とってぃ、おかわり頼む」
「はいはい、少し待っててね」
(やっぱりとってぃの料理は最高だな。今日はナポリタンだったがそもそもこの世界でよくレシピから作り出すな。俺なんて目玉焼きがせいぜいだっていうのに)
「はい、お待ちどうさま」
「おう、サンキュー。で、ミウ何だって?」
「だから、一回現実に戻ってよってはなし!向こうにお姉来てるの!」
「……はい?」
文字通りギギギと機械音がなりそうなぐらいスグルはゆっくりとミウの方を振り向く。
その顔には大粒の汗が浮かんでいた。
「だーかーらー、お姉来てるの!しかも一回もお兄が帰ってこないから激おこだよ!」
「ちょっと待て、あの人は確か外国にいたはずだよな?なんか自分を研ぎ澄ませるとか言って2年前に会ったきりだったはずなんだが」
「わたしもそう思ってたしあっちに戻ったらいきなり、帰ったか。だよ。マジでビビったんだけど」
「そりゃ怖いな...てかマジかぁ」
今まで言う機会もなかったので言っていなかったがスグルの家は5人家族だ。
一番下にミウ、次がスグル。その10歳上に杏奈姉さん。
年も結構離れていて、家族は全員爺さんに師事していたから姉弟子ということになる。
「うーん、それならめんどいけど一回帰らなきゃだよな。あ、とってぃご馳走さん。いつも美味しくて助かる」
「はい、お粗末様です。ふーん、スグルってお姉ちゃんがいたんだね。知らなかったなー」
「言ってなかったからな。じゃあミウ一緒に落ちるぞ...ってまた逃げたなあいつ」
これだと1人で姉さんと会わなきゃいけないじゃん。
……まあもう20日もこっちにこもってたし仕方ないかな。
あ、向こうに戻るならルーにも連絡しとかないとな。
『ルー、聞こえるか?』
『...む、なんだ主君。今は食事中だったのだが』
スグルと成り行きで主従関係になった草原ウルフのルーだが、サモナーでも無いスグルが召喚する〜と言ったことは無理なわけで。
普段一緒にいないときはスグルのフィールドの中に住んでもらっている。
『それはすまなかった。ちょっと用事が出来てしばらく冒険できないかも。なる早で戻ってくるから適当に過ごしといてくれ』
『了解だ、主君。では切るぞ』
よし、これでこっちも旅立てるな。
じゃあ、ログアウトボタンをポチッと。
目の前というか体が光につつまれる。
外の風景なんかは完全に遮断され、動くこともできない。
そして、光が消え去った時、フォーチュンから現実に戻っていた。
三週間ぶりの家は随分と懐かしく感じた。
スグルの家は先程も言ったが親や姉が海外で仕事をしているので美羽と二人暮らしだ。
古いが広い2階建ての家に住んでいる。
小さいが家の後ろには道場もある。
自分の部屋からでてリビングに向かう。
リビングには照明の光が付いているのが見えた。
「久しぶり、姉さんいる?」
「久しぶりですねスグルちゃん」
リビングのソファーの上で目を瞑って手を組んだままこちらに顔を向けてくる。
顔は笑っているが目が全く笑っていない。
「美羽に聞けばゲームに夢中でこの家には一度も帰ってないって話じゃない。全く、わたしは悲しいです。そんな腑抜けた男に育てた覚えは無いというのに?」
「……まず育てられた記憶無いんだけど」
「何か言ったかしら?」
「いえ、何も言っておりません」
(ボソッて言っただけなのになんで聞こえてるのかなあこの人!?あー何故俺の周りには怖いわ強いわのお姉さん方がたくさんいるのかねえ。勘弁してほしい)
「まあ、久しぶりの再会で立ち話もアレですね。というわけでこっちに来て座りなさい」
「はいよ」
スグルは杏奈姉さんに勧められて椅子に座る。
「姉さんはこの2年間何してたの?」
「わたしですか?わたしは取り敢えず中国には仙人がいると聞いたから霊峰などと呼ばれている山を幾つか回ってきました。ですが、特にそれらしきものはいませんでしたね。ついでに中国の拳法とやらも見てきました」
「ふーん、仙人てやっぱりいなかったんだね」
「全くです。うちのお爺様の方がよっぽど仙人といえるのではないでしょうか。それで、スグルちゃんの方はどうだったのですか?」
「俺は特に話すことは無いんだけどね……1年前に大学に合格したとかそこらへんかな?背も伸びてないし。姉さんは何で戻ってきたの?」
「ちょうど行程もひと段落つきましたので。久しぶりに私の妹と弟の顔も見たくなったのです。それにスグルちゃんの誕生日は明日ですし」
「……あ」
「まさか忘れてたなどとは言いませんよね?」
(やっべえ。完全に忘れてた。フォーチュンなら現実の日程を考える必要が無いから完全に無視してた。そっか、もう8月4日か。遂に二十歳になると思うと感慨深いものがあるな。……ということは杏奈姉さん、もう三十路……)
「スグルちゃん?何か今変なこと考えなかったですか?」
「い、いや。そんなことは無いよ?」
だから何で心読むの!?怖すぎるんだけど。
「誕生日を思い出したのはいいですが。スグルちゃんが何を欲しがるか私にはわからなかったのです。なので、取り敢えず明日付き合ってください。好きな物を買ってあげます」
「え、本当?」
「美羽も一緒に3人で久しぶりに買い物にでも一緒に行きましょうか」
「姉さんが買い物…?マジで」
「何か文句があるのか?」
「何もありません!」
買い物行くことになった。
今思ったけど...年上キャラ多いなぁ
少しだけ閑話入れていきます〜
(改稿済み)
(2/9)姉のキャラが不ひょ……浮ついてた感じでしたので、性格を変えました。ガバガバで申し訳ありません。