第十話 超級ダンジョン
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フォレストタイガーは幸いにも、頭上のスグルの存在に気づくことなく、別の茂みの中に消えていった。
少しの間動くことなく待ったが反応が無かったので地面に降りる。
(まったく、あのレベルのモンスターがいるならこの森の探索はやめておいたほうがいいな。まずはミウに連絡するか)
ちょうど、そう思ったときにパーティーチャットが開始された。
もちろん開始したのはミウだ。
向こうも何かあったのかと思いチャットをオンにする。
「あ、お兄。聞こえてる?」
「聞こえてるぞ」
「よかったー!こっちでちょっとやばいの見つけちゃったんだよね。今からこっちこれる?」
「こっちもちょっとやばいものと遭遇したが。オッケー、今からそっちに向かうわ。で、何を見つけたんだ?」
「なんかね、ダンジョン見つけた」
(…はい?)
…………………………………
スグルはチャットをオンにしたままミウのいる場所に向かった。
ついでにフォレストタイガーなんかの化け物がいることも伝えておく。
そして、ミウの誘導の元少しの間森の中を歩いていたら急に開けた場所に出た。
そこはまるでそこだけ違う空間なのかというように木々が生えておらず、少しの円の形をしている。
そしてその中心では地下に続く階段が顔を広げていた。
「で、これがお前が言ってたダンジョンか」
「うん、鑑定したらダンジョンって分類だったよ。ちなみに、このフィールドの草原とかも鑑定してみたら全部名称未設定の草原とかだったんだよね」
(今更だったがそんな大きなものに鑑定なんてしたこと無かったな。ミウもたまにはいい働きをしてくれる)
「あ、お兄なんか今失礼なこと考えたでしょ」
「いや、そんなことはないぞ。で、このフィールドに名前自体がないという話だったな。つまりはまだ付いていない。いや、つけられていないと言ったほうが正しいのか」
「たぶんそうだね。だからこのフィールドに名前をつけることもできると思うよ。わたしとしてはこの発見に対して一定の評価を貰いたいところだね!」
「無駄に賢そうに話さなくていいぞ。あと、俺はネーミングセンスなんてないからな。勝手に決めてくれて大丈夫だ」
「お兄ありがと!じゃあまた名前決めたら教えてあげるね」
いちいち名付けで大喜びする妹を傍目に、そのダンジョンを鑑定する。
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【名称未設定】
種別:超級ダンジョン
攻略状況: 0/100階層
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「超級ダンジョンか。確か上級より更に攻略難度が高いんだったよな。ただ、やっぱり中に入ってみないことには分からないか」
「だね!というわけで早速入ってみようよ」
「よし、ダンジョン攻略は初めてだから楽しみだ。と言っても何の準備もしてないから今回は深く潜らないぞ」
二人はダンジョンの中に入っていった。
………………………
ダンジョンとはある日突然、何の変哲もない場所に出現する。
その形態は様々であり、あるものは塔型、またあるものは洞窟型などが存在する。
そして、ダンジョンの内部には挑戦者を待ち受けるかのようにモンスターが配置され、また、侵入者を阻むかのように罠が設置されている。
それらの障害を払いのけ、最深層に待ち受ける迷宮のボスを倒すと、その奥にあるのはそのダンジョンの核。核がなくなればダンジョンは停止する。
そして一定時間が経過するとまたダンジョンに核が出現しダンジョンとしてまた動き出す。
というのがダンジョンの一般的な常識だ。
どのダンジョンにもパッシブの【超再生】が付与されているらしく、ダンジョンを傷つけてもすぐに回復してしまう。
スグル達は階段を下りていくと通路に出た。
一面がゴツゴツとした岩や土でつくられており、天井の左右には一定間隔ごとにたいまつがつけられている。
「結構優しいつくりなんだな。これだけ明るいなら鷹の目は使わなくてもいい」
「お兄はダンジョン初めてだっけ。じゃあ先鋒は任せといてよ!このダンジョン攻略歴2回のベテランミウ様がお兄をエスコートしてあげるよ!」
「ははあ、よろしくお願いしますミウさまー」
二人はおちゃらけながら通路を進んでいく。
数分ほど歩いていたら向こうのほうから、グギャギャギャという声が聞こえてきた。
「この声はゴブだな。ミウよろしく」
「おっけー!」
そういってミウが駆け出していく。俺は【鷹の目】に【鑑定】を使って敵の数を確認した。そしてミウに報告する。
「敵ゴブ3!レベルは4が2。6が1。全部一撃で行けよ」
「わかってるよー!【ファーストステップ】」
ミウの体が一瞬で加速し、双剣でそれぞれのゴブリンの首を一閃する。
体と首が分かたれたゴブリンはキラキラとした青のポリゴンとともに宙に消えていった。
「うーん、やっぱり弱いね」
「そういえばミウはユニークジョブ貰ったんだったよな?何かスキルなんかはあったか?」
「まだレベル8だから既存スキルしかないかな。レベルはまだ上がりやすい方なんだけどね。お兄はレベル幾つになったの?」
「15だな」
「うわっ、やっぱり旅人ジョブレベル上がるの早すぎでしょ!あとは強いスキルがあれば最強ジョブなのにねー」
入ったわずかな経験値を確認して、俺たちは奥に進んでいった。
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活動報告って書いたほうがいいのかな...
(改稿済み)