第百話 宰相の権利
第百話ッスよーʕ⁎̯͡⁎ʔ༄
やべえ、中間テストまでもう4日しかないなんて……更新遅くなってすいません
「おお、あれが王都か」
「前に一度きてるッスけどかなり広いッスよ。迷子にならない様に気をつけると良いッス」
遠目でもかなりの大きさだとわかる、文字通りの王都だった。
ライアンがドラゴンの手綱を取るために頭の方に向かう。
その前に一言声をかけられた。
「スグル、ちょっと良いか?」
先ほどと違い、真剣な顔でスグルの方をジッと見つめる。
それに少し感化され、真面目に返答した。
「なんだよ?」
「正直言おう。リースティアの嬢ちゃんはお前を呼ぶことをすごく悩んでいた。理由はわかるか?」
「いや?」
「お前の能力が強過ぎるからだよ。お前を城に招くってことは、いつでも好きに侵入できるってことを意味してるんだ。もっと言おうか?いつでもスグルは嬢ちゃんの暗殺ができるってこった。他にも財宝庫なんかにも行き放題。そんな状況になるということを鑑みて嬢ちゃんはお前を迎えるって決断したんだ。そこは理解してくれ」
言いたいことをすべて話し終えたのか、今度こそライアンは元の場所に戻って言った。
パシンッと短い手綱が引き締められる音が風に乗ってやってくる。
「よく分からないって顔してるッスね」
「何がだ?」
「ライアンさんの言葉ッス。スグルさん、今あなたは分かってない様なんで言わせてもらうッスけど、あなたの一番の怖さっていうのは強さでも無けりゃ権力なんかでもない。さっき言ってた移動能力ッス」
「でも俺自身にそんな能力なんかないぞ?次元の扉を開けたり置けたりするだけで」
「そんな過程なんて相手からすればどうだっていいんスよ。重要なのは、スグルさんがいれば何処にでも移動することができるってことッス。そりゃ相手さんからすれば怖くて夜も眠れないんじゃないッスか?何せいつその能力が自分に向けられるか分からない。もし私がその状況だったらビクビクしてるッスよ」
そう言われ、頭の中でそんな状況を想像してみる。
例えどんなに周りを固めても、そんなの関係なしに一直線に狙った場所に現れる敵。
「それは……やだな」
「でしょう?それがスグルさんの能力、もっと言えば我等が国、ラインの特色ッスね。だから相手さんは怖がってる。それでも、その能力を知っていながらスグルさんを自分の寝床に呼ぶってことは本当に相応の覚悟が必要になってくるッス。つまり、相手はスグルさんを信用してるから今回のお呼び出しがかかったわけなんすよ」
「そうか……なら俺はどうすれば良い?」
「さーって、私には皆目見当もつかないッスねー。あ、でも一つアドバイスするとしたらあなたは宰相っていう国でもかなり中枢の職を任せられてるッス。そしてダンテさんからも自由にして良いって言われてきてるッス。つまり、さっき言ってたある程度の約束事は決めちゃっても良いんッスよ」
それを聞いてスグルは頭の中でようやく全てのピースがつながった。
憑き物が落ちたようなスッキリした気分になり、記者さんに尋ねる。
「成る程な。……つまりあんたはお目付役か、記者さん」
「いやはや、急に頭の回転も鋭くなってきたッスね。ま、私は宰相殿がとんだヘマをしないようサポートするだけッスから」
「白々しいな。ま、そん時はよろしく頼むわ」
そして5分後、スグル達は王城に到着した。
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