第九十二話 記者さん登場
連日投稿〜
「「コミュニティ?」」
ダンテの言葉にそれぞれがよく分からない、といった反応を返す。
それを予想していたのか特に驚いた様子もなく説明を始めた。
「そもそもコミュニティってどんな機能か知っとるか?」
「なんか集団だろ?ウチんとこにも何回か勧誘来てたし。
めんどかったから断ったけど」
(マリんとこには勧誘来てたのか。まあコミュニティって基本ダンテを除いて俺らは群れないからな……ソロがカッコいいとかじゃないけど連携とかメンバー同士の気遣いとか面倒だし)
「そりゃ群れるちゅう意味で間違っとらんけど。
そやった。ここにおるんはソロ中心の奴らばっかやった。
聞いてみたのが間違いやったか」
「失礼な。ボクはちゃんと人と交流も持ってるよ!」
「おい逆にとってぃ。お前も俺らに失礼だぞ」
「え?だって事実だし」
言い返すも一瞬で撃沈するスグル。
「そやな。じゃあ簡単にコミュニティの機能を説明しとくわ。
コミュニティっちゅうのはさっきも言ってたが集団や。
建国に関係する中で使えるコミュニティの機能は二つや。
一つ、コミュニティは所属脱退が自由や。そして所属する人数に制限はない。
二つ、コミュニティが所持している土地をホームと言いコミュニティのメンバー、それとコミュニティが許可した客人以外が立ち入ったらすぐにわかるシステムになっとる。
そしてこれは、この世界の住人にも適用される」
最後の言葉が発せられ意味がわかった途端、大きく目を見開く。
他のメンバーも思案しているようだが少なくとも同じように驚いているようだ。
「その顔やと分かったみたいやな。
これがもし国全体に適応されたらわざわざチェックせんでも外から来た不穏分子、まあ要するに密偵とかスパイとかいうやつやな。
そういうのはすぐにわかるっちゅうわけや。
他にも色々機能はあるんやけどすぐに機能するんはこれやな」
そう聞いてダンテは他のみんなの反応を伺う。
今まで黙っていたゆいが手をあげる。
「うん、良いんじゃないかな?使えるものは使わないとね。他のみんなはどうかな?」
そう言って手を広げる。
ゆいの、キラキラと輝いている目を見て、断る理由もなくスグルはすぐに決めた。
「ゆいがいいなら別にいいぞ」
「私も!」
「あたしも問題ねえな」
「ボクもそれでいいと思うよ」
ここにいる6人、全員がコミュニティ化という恐らく世界であったことのないことに迷わず賛成した。
スグルはここで一段落ついたと思い、天井にナイフを投げた。
「……で、さっきからずっとそこにいるのは誰だ?ダンテが何も言ってないから黙ってたがそろそろ降りてこい」
「お兄、そこに誰かいるの?」
ミウがそう聞いてくるが今は無視をしてじっとまだら模様の天井を見つめる。
すると、規則的にうたれた模様がぺらりとめくれた。
そこからシュッと音を立てずにテーブルの上に飛び降りる。
その、黒い服に包まれた彼女の姿を見てスグルは面倒そうにため息をついた。
「やっぱりあんたか、記者さん」
その姿はかつてから見慣れたものと寸分違わなかった。
この正式サービスが始まって以来一度も会うことはなかったが既に二回配信されている記者さん日記という名の記事は両方とも買っている。
彼女はスグルにそう言われ、にしし、と笑った。
「よく分かったッスね。スグルさん、お久しぶりッス」
「あー、記者さんだ!久しぶり〜」
「ミウさんも久しぶりッスー。他の皆さんもどぞどぞ」
記者が他のみんなとわいわいしている中で、スグルはダンテに近づいた。
「おいダンテ、記者さんも呼んでたのか?」
「そや。彼女にも建国は手伝ってもらおう思てな。さっきスグルが言ってた国民不足の解決に尽力してもらう予定や」
「……そういう事か」
スグルはダンテの言ったことを考え、少しして笑った。
ようやくメインに記者さん登場です(´∀`)
明日も投稿するのでよかったら見て下さい〜