第九十一話 説明回(周辺)
最近は生活リズムが整って来た。眠いけどね…
これで説明回は終わりかなー。どぞ
「と言ってもまだ探索は全然進んどらんから言えることも少ないんやけどな」
そう前振りして街の周りをなぞる。
「まずこの街があるのはシェル草原や。ミウ命名やな」
そのまま指を草原から来た方向に移す。
「こっちはスグルの報酬で手に入れた鉱山やな。
今は確か銀と少量やけどミスリルが採れとったはず。
それでもプレイヤー全員が少しずつでも掘ったら一瞬で潰れるやろうから国有地として管理することにしとる。
鉱山があるのはアツクナイ砂漠やな。ここはスグル命名や」
そこでみんながスグルに呆れたような目を向けてくる。
なんでそんな名前付けたんだ、と言いたげでゆいだけがツボに入ったようで笑うのを隠そうとしているのか、息を潜めているが肩が揺れているので全くの無意味である。
次に指差すのは東から南をまたいで西の端までずっと続いている森。
「この森はまだ名前付けとらんやろ。
なんちゃら樹海って付けたい奴おるか?」
「……他にいないらしいからボクが付けてもいいかな?」
誰も手をあげないでいるのをみてとってぃがスッと手をあげた。
前にも名付けをしたいと言っていたしとってぃならネーミングセンス壊滅的なスグルよりマシな名前も出せるだろう。
「それじゃあねー、アイリスの樹海ってことで。
あそこに生えてる果物が美味しいんだよね」
とってぃがそう言った瞬間ピカッと光る。
前にミウが名付けをした時も光ったからこれで名付けは完了したのだろうと思う。
(それにしても……もしかして俺の名付けだけ際立ってないか?あの時もう少し考えればよかったか……?)
勢いで適当にアツクナイなんて言ったことを今更に少し悔やむ。
ダンテは良さげに頷いて、
「んじゃアイリスの樹海ちゅうことで。
この森の東側には超級ダンジョンがある。
ここは現状わしらの生命線や。
ある程度までは認識阻害の魔導具でここを隠しとくで」
「別に攻略させてもいいんじゃないのか?」
「それはまだ少し先やな。
所有してた玉鋼の8割は建国で使ってしもたから殆ど残っとらんねん。
この国からのみの限定的な出産品やから他の国も欲しがるやろな。
ちゅうわけで何か万一にもトラブルがあったら困るからこの措置や」
「納得。じゃ俺も攻略は控えた方がいいか?」
「そやな……21層からは確か船やったな。
それができるまでは控えてもらおか」
「まあ既に踏破してるとこをもう一回行くのも面倒だしそれで大丈夫だ」
ダンジョンについての話を進めた後は矢印をススッと南に移す。
「こっちはクラーケンの時の入り江やな。
実際にウチのが行ってみたら15時間近くかかったようや。
つうか斥候より速いスグルってなんや」
「今更だろ。それで?」
「入り江は結構な広さっちゅうことでこれから先、まぁずっと先になるやろうけど港町も海があるそこらへんに作ることになるやろな」
「俺の次元の扉を設置することもできるが自力で行けるように道は作っておいた方がいいだろうな。ということは森も拓かないといけないから大仕事だな」
「まあそこはおいおいや。
最後は西やけど、こっちはほんまになんも手出してない。
前にシルはんが言うとったフォレスト種っちゅうのがおるんなら不安要素でしかないからな。
とまあ国の立地についてはこんなとこや。何か質問は……結構。無いみたいやな」
ダンテは一息にここまで話していた為水を飲む。
「じゃあ取り敢えずの説明は終わりやな。
こっからは国の運営方法についてやからバンバン質問してくれて構わへんよ。
まずさっきのスグルの質問に答えるとするかいな」
「人ってそんなすぐに集まるの?って話だったよね確か」
「そやな。確かにそんな簡単に人もプレイヤーも集まらんやろな。
特にプレイヤーなんかは定住するかすら不明やからかなり取りにくい手や。
そこでわしはコミュニティを立ち上げよう思うとる」
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